[千葉県八千代市では]
I. 障害者自立支援法の施行による生活への影響や負担
新しい制度に変わり、障害のある人の生活にどのような影響や負担を与えていますか。
4月からの一部導入時に、
(1)身体障害者デイサービス利用者1名
0円+食材費(1食300円のみ)の支払であったものが、1割負担の導入で他施設、短期との併用、利用料が支払えなくなり退所
(2)今まで通りの利用料自己負担で抑えるため(約10,000円)、月曜日から金曜日の利用を週2日利用に変わった。
(3)施設としては児童デイサービスが主体であるので、給付額5,370円(1人1日)から、4,070円(1人1日)に変わったので、常勤を減らしてパートに変えた。
15人に2人の職員配置は、学童の施設にとっては荒唐無稽な話である。
学齢期の一番活発な子どもたちの学校後の生活を家庭に追い返している。
II. 地域での支援(団体、施設、支援者及び行政等の取り組み)
地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
1. 市区町村の独自の軽減策や施策はありますか。
地域生活支援事業 利用者負担 所得割を軽減(10%から5%に)
2. 地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
運営施設では、児童デイサービス、在宅介護、行動援護(介護給付)日中一時、生活サポート、移動支援(地域生活支援事業)
利用者への説明会
利用者、保護者との勉強会
[東京都新宿区では]
I. 障害者自立支援法の施行による生活への影響や負担
新しい制度に変わり、障害のある人の生活にどのような影響や負担を与えていますか。
まず、1割負担の問題がある。当ホームは、もともと身体障害者福祉ホームと重度身体障害者グループホームの複合型の福祉ホームであった。そのため、新体系移行後は、属する施設類型がなく、最終的に地域生活支援事業の福祉ホームになったため、入所場所としての負担はないが、もともと重度の身体障害者の福祉ホームとして設置したこともあり、居宅介護サービスを全員が受給している。そのため、居宅介護サービスの自己負担として1割負担が生じる。
入居者の半数は生活保護受給者であり、1割負担で生活が変化するということはなかったが、生活保護を受給していない入居者は、もともとの生活費のほかに1割負担が加算されるため、月額15万円前後の負担となり生活を圧迫している。4月からは、通所先が法内化を予定しているため、入居者に対して何とか生活費を減額することができないかなど検討をしているが、その対策を講じることにより、今度はホームの経営に対して負担が生じるなど問題は深刻である。経過的には減額措置などが講じられているが、平成21年までの経過措置であり、現行でも負担苦であるにもかかわらず、経過措置がなくなってからは、生活ができなくなると予想される。
運営についても、今後東京都が他の福祉ホームの状況を踏まえつつ、協議をするという段階であり、運営費の減額があった場合、さらに事態は深刻化する。高齢化して介助がより一層必要になると負担が上がり、運営者側は、夜間の支援職員の配置が困難になる。
しいては、質の低下を招かざるを得ない。職員も年齢が高くなるにつれ、人件費がかかるのは、職員の質を保つためには必要な当たり前のことであり、運営者側は長期的な職員の質を確保することも難しくなってくる。入居者にとっては、長期的な住まいの場であり、その環境が劣悪になり、被害をこうむるのは許せない。1割負担の改善(応能負担)を確立すべきである。
II. 地域での支援(団体、施設、支援者及び行政等の取り組み)
地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
1. 市区町村の独自の軽減策や施策はありますか。
新宿区は、他区に比べ独自の軽減策は少ない。移動支援事業については、一般世帯まで3%負担にしているが、他区では何時間(ほとんどの方が無料になるくらいの時間設定)まで無料といったかなりの軽減策なども聞いている。
当ホームでも検討段階ではあるが、入居者の負担を軽減するため、家賃、共益費などの減額などを視野に入れた軽減措置を検討中である。
2. 地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
基本的には、平成18年度については、現行維持が打ち出されているため、10月以前の支援体系のまま運営しているため、特別取り組んでいることなどはないが、10月以前は行政などに対する働きかけを行なっていた。平成19年度については、まだ今後の協議のため、行政に対する一層の働きかけが必要と感じる。
III. 地域生活移行支援 活動事例/ケース事例
【活動事例】
福祉ホームは、障害終の棲家としての役割ではなく、生活経験を積み、地域に移行する役割があると思っている。当ホームは、平成13年10月より運営を開始しているが、既に4名の方が地域生活に移行している。移行後も地域生活での不安を解消するため、ホームで食事や入浴をしたりすることで同じ障害をもつ仲間に一人暮らしでの悩みを相談したり、共に自立の道を目指すために切磋琢磨したりと相乗効果を生むことが可能である。また、ホームに来ることでホームの職員やヘルパーと話などもでき、問題点の改善や生活の質を高めるようなアドバイスを受けることができるというメリットもある。実際に一人暮らしを体験したい方などに対しては、近隣にマンションを借り、自立体験スペースを設けている。養護学校などとも連携し、卒後の生活や進路などを考える際の体験の場になってもらいたいと感じている。
【ケース事例】
年齢34歳、男性、地域のワンルームマンションで一人暮らし
当ホームに入居する以前は、一人暮らしをしていた時期もあったが、精神的な不安が大きく、なにかあると非常ベルを鳴らしてしまったり、時間に関係なく、介助者を呼び出してしまったりする生活が続いていた。精神的な不安要素が蓄積すると持病である喘息の発作などにもつながり、年に3〜4回入院生活を繰り返していた。そのため、当ホームに入居し、生活力を高める経験を4年強積み、経験不足からくる生活に対する不安要素を取り除くための自立プログラムを実践した。一時期は、介助者に対する依存性が非常に高くなり、何をするにも介助者に聞いてから出ないと不安になってしまうといった様子も見られていたが、生活実践を通じて生活力の向上が感じられ、地域生活への移行を希望していたため、地域生活を始めることとなった。
問題点としては、依存性が残っているため、生活支援をする担当職員を決め、ヘルパーなどによる日常的な支援のほか、生活に関わる問題点を排除することを念頭においた支援を行なった。また、仲間との絆を断ち切らないためにホームにきての食事や入浴なども行なった。これらのことにより、一人暮らしでの不安が解消され、現在は非常に有意義な生活を送っている。感じたこととしては、やはり生活経験の不足からくる一人暮らしに対する不安の払拭は、必要と考えられる。自立生活に移行するワンクッションとして福祉ホームや自立体験室的な役割を果たす場での生活経験の実績は、当事者の自信となり、質の高い生活へ移行するための支援策であると感じる。また、相対での支援では、とかく画一的な支援になりがちであるため、数名の支援者の多角的な判断での生活支援は、短・中・長期的に見ても必要であると感じる。
[大阪府内では]
I. 障害者自立支援法の施行による生活への影響や負担
新しい制度に変わり、障害のある人の生活にどのような影響や負担を与えていますか。
現在、入所施設をしています。
4月からの1割負担の内容について
食費、光熱水費の実費負担となり、手元に28,000円が残るようにと個別減免や補足給付を申請しましたが、手元に残った28,000円から医療費・衛生費・日用品・小遣い等が必要となり、とても厳しい。
特に娘の入所している施設は全室個室で居室料として月20,000円が差し引かれます。このことに関しては、職員数にも関連してきますが、(介護職、看護職共に国の基準以上に配置)入所者の安全・安心を考えた施設運営をする上では仕方ないことと家族も考え賛成をしました。また、今後、昼の日中活動と夜の生活とどのように分け、どのような形に移行していくのか、親も本人も不安である。
II. 地域での支援(団体、施設、支援者及び行政等の取り組み)
地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
2. 地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
父母の会では市行政に対し、要望書を提出、返答はまだなし。
施設としては日中活動支援のグループ分けをどのような方法で、又それぞれの障害に応じての内容の検討、それに伴う支援体制の職員数はどうなるのか。職員体制は組めるのか頭を悩ませている。障害をもった人たちが安心して生活できるよう、国基準の職員数の見直しを是非要望したい。
III. 地域生活移行支援 活動事例/ケース事例
【ケース事例】
障害を持った人が、地域で暮らすと云うことは必ずバックアップが必要。
バックアップ体制を組むには、24時間施設が必要。
ニーズをくみ取るには、それを担う人たちにも時間的、精神的なゆとりが必要。
親元を離れて生活するには、いきなりでなく段階が大事、そのためには自立生活訓練事業を制度化する必要がある。
[香川県内では]
II. 地域での支援(団体、施設、支援者及び行政等の取り組み)
地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
1. 市区町村の独自の軽減策や施策はありますか。
香川県丸亀市:
丸亀市・・・自宅〜学校の送迎が移動支援で利用可能となった。
(30分 100円の自己負担)
高松市・・・日中一時預かり 2時間未満の場合 1/2回と換算する。
三木町・・・町民税非課税世帯の人は、負担額の軽減あり。
2. 地域での支援はどのようなことが、どう取り組まれていますか。
丸亀では、今のところ目新しい取り組みは見られないが、近々考えられていることとして、幼児から老人までの預かり事業を同じ法人が、ほぼ同じ敷地内で行っていこうという計画がある。まだ、今は法人化に向けて活動中。
高松では、市の委託事業として、放課後児童預かり事業を昨年度より2つの養護学校にて開始した。開設場所の問題もあるが(空き教室が少ない等)今のところ順調にいっている。
III. 地域生活移行支援 活動事例/ケース事例
【ケース事例】
平成7年2月生まれ 小学校6年生 重心CPです。
丸亀市在住で毎日40分かけて高松市にある肢体不自由児の養護学校へ自家用車にて通学しています。
支援費が始まり、ショートステイ、デイサービス、居宅介護など積極的に利用してきました。
自立支援法に移行後、我が市で唯一使えなくなったのが、中学までの子どもの日中一時(タイムケア)で、その理由が「デイサービスが利用できる年齢のため」です。何度か抗議にも行きましたが、今のところ無理だと言われました。
地域で行う以上、外の地域で「こうだから」というのは通用しないかも知れないし、決められた以上、変えていくのは簡単ではないでしょうが、それならば納得いく説明をしてほしいし、それに代わる事業を持ってきてもらいたい。利用者が負担をするようになった以上、予算を削ることばかり考えるのは如何なものか。
[北九州市内では]
I. 障害者自立支援法の施行による生活への影響や負担
新しい制度に変わり、障害のある人の生活にどのような影響や負担を与えていますか。
1. 利用者負担について
利用者負担は平成17年度は障害基礎年金1級の利用者は34,000円の負担が「障害者自立支援法」で定率負担になり、殆どの人が55,000円の負担になり、20,900円の増となり、手元に残るのは28,000円となった。
この28,000円で衣装、趣向品、趣味等を購入するには無理がある。
人は今までの生活の質を落とすことは非常に難しい。
当施設でも同様で、今までの生活を少しでも維持するため、施設にいながら食事をしないで食費を浮かしそれで何とか従来の生活を維持している利用者も見られ、健康が心配な事態にもなりかねない。
また、なかなか金額が減ったことに慣れなくついつい従来通りの買い物をネットでしてしまい月末に払えないことになる利用者も見られる。
これらのことを見ていると、利用者負担の増額が利用者の生活に大きく影を落としていることが実感として感じられる。
2. 将来への不安
当施設はまだ新体系に移行していないが、新体系に移行する際のは障害程度区分認定調査を受けなくてはならない。障害程度区分によっては利用者が施設にいられるのか、または退所しなければならない不安を持っている。
もう一つは障害程度区分により、施設の運営ができなくなるかもしれないこととサービスの質の低下が起こるかもしれない不安を抱えており、利用者の精神状態が心配である。
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