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(14)韓国
 
図2-30
 
 
 
2-2-2 現地調査結果
(1)長崎市における各種斜行エレベーターの設置状況
1)斜面輸送システムの種類
 長崎市は地形的制約から平坦部が少なく斜面地に市街地が発展している。斜面地の住環境を改善するために地区の特性に応じて各種の昇降装置が設置されている。
 
 今回、以下3種類の斜面昇降施設の視察を行った(平成18年10月25日)。
・グラバースカイロード(斜行エレベーター・垂直エレベーター)
・グラバー園内 斜面移送機器(地上設置型斜面輸送システム)
・天神町「てんじんくん」(懸垂型斜面移送システム)
 
図2-31 視察箇所図
(拡大画面:236KB)
 
(2)視察結果報告
 
1)グラバースカイロード(斜行エレベーター・垂直エレベーター)
(a)概要
・斜面に密集住宅地が広がる斜面市街地であり、傾斜がきついため道路整備も困難であることから「都市計画道路」を整備し、街路事業として斜行エレベーターが設置された。
・斜行エレベーターは5箇所の乗降口があり、下部起点には商店街とバス停及び電停があり公共交通との連携が可能となっている。
・さらに、斜面市街地における交通環境の改善や観光資源の活性化を図るため、斜行エレベーターとグラバー園を結ぶ位置に垂直エレベーターも設置された。
・斜行エレベーターと垂直エレベーターは総称して「グラバースカイロード」と呼ばれ、地域住民や観光客に利用されている。
 
(b)利用状況
・斜行エレベーターは斜面および上部の南大浦地区に住む住民の日常の足として利用されており、最上階に近接する小学校の通学路としても利用されている。
・斜行エレベーターが設置される前は階段のみで地獄坂と呼ばれるほどの場所であったが、現在は1階から5階まで1分10秒で移動することができる(ノンストップの場合)。
・垂直エレベーターは斜行エレベーターの最上階からグラバー園が結ばれているため、新たな観光ルートとして活用されている。


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