7. てんかん
・発作的な意識障害やけいれんなどを慢性的に繰り返すもの
・脳のニューロン(神経細胞)の病的な興奮によって生じると考えられている。
−脳の損傷や病変によるものと、そうしたものが見られず原因が不明なものとがある。
・大発作(意識消失、痙攣、硬直、昏睡、弛緩)
・小発作(数秒だけ意識がもうろう)
・部分発作(体の一部分のけいれん)
8. 人格(パーソナリティ)障害
・適切な判断や行動ができず、すぐに興奮、激情をおこしてしまう。
・周囲との調和を欠く。
−こうした異常行動を持続的、恒常的に継続する。
・精神疾患と相互作用したり、精神疾患の形成に寄与する。
−A群(精神病に近い)
−B群(AとCの境界)
−C群(神経症に近い)
A群の特徴
・奇妙
−妄想性人格障害:疑い
「他人が信用できません。私を利用しようとしています。」
−統合失調症質人格障害:よそよそしい、無関心
「1人でいるほうがいいです。私の世界は空っぽです。」
−統合失調症型人格障害:わたし変
「友達が欲しいができないのです。変人と思われて・・・。」
B群の特徴
・劇的
−境界性人格障害:感情不安定
「人が必要。拒否されたらおかしくなって憎みます。」
−反社会性人格障害:法を従わない
「別に何が悪いのですか?」
−演技性人格障害:派手で劇的
「いつも注目の的でいたい。」
−自己愛性人格障害:尊大で他の業績を批判
「私は非凡で才能に恵まれていて・・・」
C群の特徴
・不安
−回避性人格障害:シャイで神経質
・「周りからどう思われているのか怖いので友人を避けています。」
−依存性人格障害:愛情を得ようと努力
・「方針は人に頼ってしまい、嫌われないように自分を曲げています。」
−強迫性人格障害:細かい
・「私は完全主義者です。」
9. 摂食障害
精神的な原因で異常な食行動を取る
主に思春期・青年期の女性に発症する疾患
栄養障害・メタボリックシンドローム・他の依存症を合併することが多い
・拒食症
−肥満に対し嫌悪感を強く持ち、ひどく痩せてもなお食事を拒む。
・過食症
−「過食」をした後、体重増加を防ぐために無理に吐いたりする。
・原因:幼少時の親子関係(主に母と娘)の不全が大きいという仮説
10. アルコール依存症
・「酒は飲んでも呑まれるな」と言われるが、酒に呑まれてしまうもの。
・アルコールヘの精神依存と身体依存
精神依存「夕方になると一杯やりたくなる」
身体依存「酒を飲まないと手が震える」
「幻視・幻覚・せん妄がでる」
「冷や汗」
アルコール依存症の治療法
(1)アルコールを断つ
まず体からアルコールを抜き、酩酊からさます
(2)アルコールによる症状を治療する
a)禁断症状の治療
b)意識障害、精神症状(幻覚、妄想、うつ状態、不眠)の治療
c)肝障害などの身体疾患の治療
(3)アルコール依存症からの回復
a)自分にアルコールの問題があることを認める
b)病気についての教育と精神療法
c)自助グループの紹介(AA・断酒会など)と自助グループヘの参加
アルコール依存症度テスト
1 あなたは飲酒のために仕事時間を減らしてますか?
2 飲酒のためにあなたの家庭生活は不幸になっていますか?
3 あなたは他人と一緒にいると気詰まりだという理由で飲酒しますか?
4 飲酒はあなたの評価に悪影響を与えていますか?
5 飲酒についてひどく後悔したことがありますか?
6 飲酒の結果、経済的困窮に陥ったことがありますか?
7 飲酒すると、社会の底辺の人々を相手にしたり低俗な場所へ行ったりしますか?
8 酒を飲むと、家庭の幸せをかえりみなくなりますか?
9 飲酒するようになって、あなたの将来の望みの目標は下がりましたか?
10 一日の決まった時刻に、とても飲酒したくなりますか?
11 飲酒した翌日の朝、迎え酒を飲みたくなりますか?
12 飲まないと眠れないと言うことはありませんか?
13 飲酒するようになって、あなたの能力は下がりましたか?
14 飲酒のために職場や仕事がだめになりそうですか?
15 悩みや心配から逃れるために飲酒しますか?
16 一人で飲みますか?
17 飲酒の結果として、完全に記憶を失ったことがありますか?
18 飲酒のために、内科医、外科医の治療を受けたことがありますか?
19 自信を高めるために飲みますか?
20 飲酒のたあに、病院や施設に入ったことがありますか?
「はい」が3つ以上だった方は、アルコール依存症の疑いがあります
早めに精神神経科にご相談ください
依存症へのかかわり
・依存症は周りがあせっても、本人が「もうこれ以上続けたらダメになってしまう」という“底つき感”を心から味あわないかぎり、何度やめようと思ってもまた繰り返してしまう
・本人に“底つき感”を実感させるためには、借金返済の尻ぬぐいや、本人の行動の結果としての不利益などはすべて自己責任として本人に対応させるようにする
・もどかしいかもしれないが、本人のすることに先回りせず、じっと見守ること
・本人の口から依存に陥った背景をなかなか話してくれなくても、あせって聞き出そうとしないことも大切
・説教しても依存は治らない
11. ストレス障害
自分または他人の生命に危険が及ぶような状況(トラウマ)を体験した後にもたらされる心理的反応
1. 急性ストレス障害(ASD)
トラウマから1ヶ月以内に
強い不安・解離症状・フラッシュバック・過覚醒回避行動
2. 外傷後ストレス障害(PTSD)
トラウマから1ヶ月を超えて症状が出現
ASDに加えて外傷性の感情麻痺
トラウマが確認されないものは適応障害に入れる
コミュニケーション Communication
・アクティブ・リスニング
active listening
(積極的に聴くこと)
・アサーティブ・トレーニング
assertive training
(自己主張トレーニング)
よい聞き手とは(環境の設定)
・適切なプライバシーの確保
・落ち着いた場所で、圧迫感のない距離
90°の角度
・時間の確保
・リラックスした姿勢で
聴き方の4パターン
・【質問】
−「閉ざされた質問」ではなく「開かれた質問」
−→個人的な好奇心を満たすための質問ではなく、援助に役立つ質問を
−答えにくいことは、なるべく相談の意図がわかってから行う
・【明確化】
−相談者が薄々気づいてはいるけれども、まだはっきりとは意識していないところを援助者が言葉で表現する。
−「今まで取ってきた行動と現在の行動の共通点」
・【直面化】
−矛盾点を指摘する
−攻撃的にならないように
・【解釈】
−共通する問題点にまとめて解釈する
−必要最小限に
よい聞き手とは
・非審判的、許容的な雰囲気
・わかろうという気持ち
・価値判断や議論はひとまず避ける
・相談者のペースに従う
→聴いてることを伝える(あいづち、頷きなど)。
・早急なアドバイス(自分の体験談など)や励まし(「気にするな」「がんばれ」)など は要注意
→自分の意見を押しつけない
問題の原因を探ろうとしすぎない
解決策を見つけることを第一に
「聴くことが大切」
アルベルティ&エモンズ(菅沼、他訳)「自己主張トレーニング」(東京図書)
アサーティブネス
・相手の考えを聞く
−質問、明確化、直面化、解釈
・気持ちを具体的に伝える
−Iメッセージ:「私は・・・と思う」
・責任を追及するのではなく、解決方法を考える
・自分がモデルになる
−冷静、ユーモア、
・分かってもらえないこともあることを知る
・冷却期間を置くことを考える
・必要に応じて第三者をたてる
アルペルティ&エモンズ(菅沼、他訳)「自己主張トレーニング」(東京図書)
認知症のコミュニケーションのコツ
・声を荒げると余計に興奮させてしまいます。
・せかしたり、逆らうのは避けて
・話す内容は1回に1つ(わかりやすい言葉で)
・「説得」は通用しません。
・注意をそらしたり、別の話題を。
・怒る前に10秒数えて、相手が病気であることを思い出す
・議論するより、気持ちを聞くようにする
・正面からゆっくり近づいて、あなたの存在に慣れる時間をあげる
・肯定的な表現で;「出かけましょう?」
・言葉を補う身振りや手振りを
(Neurology 51(S1)S53, 1998)
お疲れ様でした。
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