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2005年キャラクター創造力研究会報告書

 事業名 基盤整備
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


はじめに
 創造力や豊かな感性は日本の競争力の根源ではないかと考えています。美しく、小さく、使い勝手が快適な日本のエレクトロニクスや自動車は、芸術の域にまで達していると評価されています。世界市場を席巻しているゲーム、アニメ、マンガにおけるキャラクターに至っては質量共に圧倒的で他の追随を許しません。そこには一体何があるのでしょうか?良いものを作ったり、感動を与えたりする力の根本は、創造力と豊かな感性が支えているのだと思います。
 日本は古来、文字を持ちませんでした。人、もの、現象を物語りやキャラクターとして受け止めてきました。漢字から和文字を作った以降も、キャラクターを文字領域を超える相互理解手段に発展させて、ある意味で豊かな感性を育んできました。多種多様なキャラクターを生活の道具として受け入れるには自己を観察すること、自由な発想に寛容なこと、空気や魂を察することが必要だと言われます。そこには日本人的な思想・哲学があるのかも知れません。そういう意味ではキャラクター創造力の根本にある思想・哲学を考察することから新しい日本人論へと発展する可能性も興味深いと思います。
 民話、大和絵、歌舞伎、文楽、根付、箱庭などの伝統文化から、マンガ・アニメ、ゲーム、フィギュアいたるポップカルチャーまで、日本人のキャラクター創造力は世界に類を見ません。(日本人のキャラクターグッズ保有率は87%という数字があります。)
 日本人のキャラクター創造の根本について多様な視点から考察し、世界の中での発展性や普遍性を考察する研究会を実施いたしました。
 文化現象が世界規模で普及していくことは、歴史上、各地で起こっています。日本からは十数年に1回起こっています。30年前はカラオケ文化、20年前はウォークマン音楽文化、10年前は家庭用TVゲーム文化、そして今はキャラクターがCoolだという文化です。影響力というものは力や物質から文化的なものにシフトしているようです。例えば、NYタイムスの記者、ダグラス・マッグレイ氏がフォリン・ポリシー誌(2002年6月号)に日本は、ポップカルチャーの面で新たなスーパー・パワーになったと称揚しています。日本の文化的パワーを国内総生産(GDP)になぞらえてグロス・ナショナル・クール(GNC)と呼び、世界に対する文化的影響力の強さが新しい国力となることを、説明しています。これがJapan Coolブームの火付け役になりました。キャラクター創造力はJapan Coolの象徴的な現われのひとつなのです。
 
 本報告書は先生方の全7回の発表部分をまとめたものです。(討論部分は割愛させていただきました)初期の目的の通りキャラクター創造力の根底にある普遍的思想を探るとともに、新しい日本(人)論に発展できる種蒔をすることができました。多くの方に活用していただければ幸いに存じます。
 
東京財団 情報交流部
 
メンバー・プロフィール
牧野圭一
 1937年愛知県生まれ。1976年から約15年間読売新聞に政治漫画連載。1973年日本漫画家協会優秀賞・1979年トルコ・シマビ國際漫画展「雑誌セブル賞」他国際賞・1967年第13回文藝春秋漫画賞。京都精華大学マンガ文化研究所所長・マンガ学会事務局長・2006年からマンガ学部長。
 
相原博之
 1961年仙台生まれ。大手広告会社でマーケティングプランナーとして活躍したのち、2000年バンダイ入社。キャラクター研究所所長としてキャラクターに関する調査・研究およびオリジナルキャラクターの企画・開発に従事。自らストーリーも手がけた絵本「くまのがっこう」シリーズは現在55万部の大ヒット中。またNHK-BSキャラクター「ななみちゃん」の開発にも参画するなど、ユニークな視点でのキャラクターブランドの研究開発を行う。著書も多数。
 
清谷信一
 62年生まれ。軍事ジャーナリスト、Jane's Defence Weekly日本特派員。日本ペンクラブ会員。「自衛隊、そして日本の非常識」(河出書房新社)、「こんな自衛隊に誰がした」(廣済堂出版)、「弱者のための喧嘩術」(幻冬舎アウトロー文庫)など著作多数。他に小説、PCゲームのシナリオなども手がける。作家林信吾との共著、「よくわかる国防学」(角川書店)を3月に上梓。公式ブログ:http://kiyotani.at.webry.info/
 
船曳建夫
 1948年、東京生まれ。文化人類学者。東京大学教養学部教養学科卒。ケンブリッジ大学大学院社会人類学博士課程にてPh. D. 取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。
 フィールドワークを、メラネシア(ヴァヌアツ、パプアニューギニア)、ポリネシア(ハワイ、タヒチ)、日本(山形県庄内平野)、東アジア(中国、韓国)で行なう。
 専門の関心は、人間の自然性と文化性の相互干渉、儀礼と演劇の表現と仕組み、近代化の過程で起こる文化と社会の変化。
 編著書に、『国民文化が生れる時』(94年・リブロポート)、『知の技法』(94年・東京大学出版会)、『新たな人間の発見』(97年・岩波書店)、『柳田国男』(00年・筑摩書房)、『二世論』(03年・新潮文庫)、『「日本人論」再考』(03年・NHK出版)、『大学のエスノグラフィティ』(05年・有斐閣)などがある。


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