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17. 新潟市(にいがたし)ろうあ協会(きょうかい) 万代太鼓(ばんだいだいこ)「豊龍会(ほうりゅうかい)」 (新潟県)
― プロフィール ―
 新潟市ろうあ協会万代太鼓豊龍会では、音楽の好きな仲間づくりと文化活動推進のため、いろいろな活動を行っています。「継続は力なり」と申しますが私たち万代太鼓クラブは昭和56年6月創設以来毎週欠かす事なく練習を重ねてまいりました。メンバーは勿論、全員ろう者で万代太鼓の元祖「飛龍会」の先生(故人)のご指導のもと、厳しい太鼓練習に打ちこんできました。
 現在のメンバーは9人で、週1回の練習の他、新潟まつりのパレード参加や福祉団体の各種事業等で披露し、活躍しております。
 特に昭和61年7月に万代太鼓「豊龍会」と命名。近年では、平成7年2月に新潟―米国のガルベストン姉妹都市提携30周年記念・芸能代表として披露。又、平成10年7月にも新潟開港130周年記念ロシア・ウラジオストク訪問団の芸能代表として披露し、国際交流を深めることが出来ました。
 平成13年の6月に第49回全国ろうあ者大会に出演、次に11月にも第5回日本ろう者太鼓同好会新潟公演&新潟市ろうあ協会万代太鼓クラブ(豊龍会)結成20周年記念リサイタルが地元の新潟市で開催されました。
 
 
― 実践報告 ―
 新潟市の郷土芸能として有名な「万代太鼓」があります。
 新潟市ろうあ協会万代太鼓豊龍会では聴覚障害のハンディを持ちながら、音楽の好きな仲間作りと文化活動推進のために様々な活動を行っています。万代太鼓クラブは昭和57年に結成されました。そもそものきっかけは、昭和55年の夏、北信越ろうあ者大会が、新潟市を会場に開催されるにあたり、そのアトラクションに「新潟甚句」「佐渡おけさ」を踊ることになりました。その際、若い女性より「『樽きぬた』も一緒にやったらもっと良いのでは?是非、私たちも樽をたたきたい・・・」という声があり、つてをたよって万代太鼓元祖「飛龍会」の先生の指導を受けることになりました。これが思いの外好評で翌年長岡で開催される全国ろうあ婦人集会の出演依頼が来て「樽だけでは物足りない。太鼓を打ってみたい」と再び飛龍会の先生に指導をお願いした所、「やる気があれば太鼓を教えてあげよう」との思いがけない一言が若いろう者の気持ちを刺激。早速、メンバー10名程集めて練習が始まりました。しかし、やってみると、見かけによらず難しく、皆、悪戦苦闘の連続。何度も何度もやり直しという厳しい指導に両手にいくつもの豆をつくり、その皮が破けて血がにじんでも頑張り通して、ついに「おけさ揃い打ち」が合わせられるようになりました。私たちは太鼓の打つテンポを目で見て覚えていきます。笛やギターなどと違い、太鼓は打った時の響きを体で感じることが出来るのです。聴覚障害者は出来ないのではない。耳が聞こえなくとも、やれば出来るのです。健聴者よりも何倍も何倍も努力を続けなければなりませんが、私たち聴覚障害者にとっては手話による演劇活動は勿論ですが、和太鼓は耳が聞こえなくても楽しめる唯一の音楽であり、全国各地で文化活動を行っているろう者太鼓グループが増えて来て嬉しい限りです。『継続は力なり』と申しますが、私たちは結成以来毎週欠かす事なく練習を重ねて、早いもので今年で25年目を迎えます。メンバー全員は、勿論、耳が聞こえませんが、健聴者にとって、想像以上のハンディを克服しながら、これまでに毎年新潟まつりや、福祉行事などに積極的に出場したり、平成7年2月にはアメリカ、ガルベストン市、平成10年7月にもロシア、ウラジオストク市に渡り、演奏と、友好を深めた上、国際交流の大任を果すことが出来ました。今回は前回に続き4回目の出演をさせて頂き大変光栄に思っております。
新潟市ろうあ協会万代太鼓 豊龍会
事務局


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