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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


徳山・下関各初開催の想い出
 前述の通り競走会の創設或いは競艇場の開設等いずれも関係者の並々ならぬ努力により各々めでたく誕生したのであるが、その間、競走会においては、施行者からの委託業務の完遂を期するための技術職員(審判員、検査員)及び一般職員の養成という大きな仕事があった。
 先ず先輩格の徳山競艇場の職員配置については、競走場の建設に並行して職員の募集並びに技能養成を行なってきた。当時は戦後の混沌とした社会情勢が未だ余韻を残し、モーターボート競走会の従業員とはどの様な仕事をするのか皆目見当がたたず、貸ボート屋の大きなもの位に考えていた人が多いようであった。
 しかしながら幸い山口県においては、隣県福岡の若松市並びに芦屋町において、すでにボートレースを開催しておられたため、比較的ボートに対する一般の認識もあったのか紹介による応募者の外、旧海軍軍人や漁船乗組員等の海事経験を有する人々の応募が目立っていた。
 又反面今でこそ徳山、下関共に大企業、工場等が林立しているものの、当時はまだその規模も小さく従って仕事の意欲を持ちつつも充分発揮できない若い情熱の悩みから、新天地の開拓を目指し応募して来た人も可成りあり、このようにして多士斉々の応募者の中から適格者を採用したものの、競走会内部にはモーターボート競走の実務経験者は一名もなく、仕事の要領など知る由もない状態であったが前述の通りすでに隣県福岡県競走会が一足早く誕生し競走実務に携わっていたので、福岡県競走会に従事員の実務教育指導方をお願い致したところ快諾を得ることができ、審判員、検査員はもとより番組編成員から放送員に至るまで御指導を戴いたものである。
 指導教育は民宿したり或いは若松競艇場、芦屋競艇場と移動したり、当時の想い出は数多くあるようだが、紙数の関係上割愛するもののこの指導教育が今日の山口県競走会の実務運営の基礎となっていることを思うとき、本沿革史の紙面を借り、当時競走実務を御教導下さった福岡県競走会の方々或いはその他各方面から御指導下さった先輩諸士に対し、私共は深甚なる感謝の意を表するものである。
 かくして徳山競艇場の建設に並行して行なわれた実務の習得も順調に進み、いよいよ昭和二十八年八月二十八日と決定し、工事も日夜を分かたず進められたが、何せ施行者競走会共に初めてのこととてレースコースの設定或いは日付板の位置等意見百出のため、なかなかまとまらず関係者一同お互いにやきもきしたものである。特に日付板工作が最も遅れ、初日の朝取付けるというような状況に追いこまれたため、現在のように海中に固定することができず、四方に重しをつけてなんとか海中に立てたものの航走するボートの危険防止のため、日付板の周囲に御稲荷様の幟(のぼり)よろしく赤旗を林立させるなど、てんてこまいの初日を迎える状態であった。
 初開催には全国モーターボート競走会連合会を初め、先輩の各県競走会より応援を戴き心強くあったものの緊張の度はかくせず、早朝勢揃いした競走会関係者の面々は赤と青のただ二色のみ、時は刻々と迫り各々部署につき海中に塩を撒き、安全円滑なレースの運営を祈念、その真剣な顔の内に発売開始のベルが鳴り響き、胸の鼓動は早まるばかり、遂に時至りて第一レースの発売〆切。舟券の発売枚数は単勝複勝連勝各式合計四三六枚と現在では想像もできない数であった。
 しかしながらやはり緊張の度に変わりはなく、早朝からつめかけた数千の大観衆と緊張した関係者の見守るうちに、午前十一時市松模様のチェッカー旗が振り降ろされ、全艇スタート、熱戦の結果、着順は五−二となり、ここに徳山競艇及び山口県競走会歴史の一頁は飾られたのである。
 次いで下関競艇に関しては競走会も徳山初開催の経験を生かし、二十九年春頃から要員の募集を行ない徳山競艇場において早くから教育訓練を実施したので、人的或いは技術的にもさしたる支障もなく初開催を迎えることができた。
 下関競艇の初開催で特に想い出されることは、ボート番号別色分けを廃し、白一色で開催に臨んだことである。このことはモーター或いはボートの故障による予備機の使用をスムースにさせた。又大きな期待のもとに開催された下関競艇も、いざ蓋を開けてみると比較的単調のため競走会としても売上の向上に腐心し、ファンの購買舟券種を増すため七隻、十隻の多数艇建てのレースを実施した。
 今その記録をたどってみると、初開催に続く二回目の開催即ち昭和二十九年十一月十一日から十四日までの、二回一節三日目十一、十二の選抜レースから七隻建てを実施している。次いで明くる四日目の九・十の選抜、十一・十二の優勝レースも七隻建てとし、以後その数は段々と増して行き開設一周年を迎える昭和三十年十月二十一日のレースからは十隻建てのレースまで出現し、実務者の神経は一日のレースを終わると全く放心状態になる程疲れたものである。
 ちなみに一周年のレース構成を回想すると、五レースが十隻、七・八レースが七隻、十一・十二レースが八隻建てと多種にわたり、当時の会長東長丸氏は、その豪快な気性からして将来はオール十隻建てのレースを実施する等といわれ、審判員一同は頭を痛めたものである。しかし売上面においては確かに好調となった。
 初開催時の売上三、九七九、八〇〇円、一人当り一、二四二円の売上に対し、多数建てレースを実施した三十年一回一節には五、一六三、〇〇〇円、一人当り二、四〇二円とかなり好調になってきた。ただし多数建てのレースには事故件数も必然的に増し、三十三年六回三節から十隻を廃し、翌三十四年三回三節をもって八隻建ても廃し、以後は現在のようにオール六隻の競走になった。八隻、十隻と競走するときは誠に壮観で、一周一マークなどまるでゴマをまいたような有様で反則判定にも苦心し、全く生きたここちはしないものであったが、今となっては忘れることのできない大きな想い出である。
 その他下関競艇における大騒擾事件により、現職警察官が岸壁より転落負傷する等色々のことがあったが、これ等については競走会の年度毎の主な事業と一緒に記述して本沿革史の記録としよう。


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