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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


 昭和二十七年四月十日現在にて、各府県競走場及び競走会の設立許可又は、決定をみたものは、次の通りであった。
 一 設立許可の競走場 三重、滋賀、奈良、香川、大阪、福井、兵庫、岡山、徳島、鹿児島、和歌山、福島、群馬、愛知、山梨、山口、佐賀、長崎、東京、神奈川、埼玉、長野、静岡。
 二 正式決定を見た競走場、尼ケ崎(兵庫)、三国(福井)、狭山(大阪)、鳴門(徳島)、大村(長崎)、常滑(愛知)、児島(岡山)、津(三重)、丸亀(香川)。
 三 近畿ブロック競走会
兵庫、大阪、奈良、滋賀、和歌山、岡山、福井、依って近畿ブロック会議第一回を、大阪を振出しに、福井、奈良、岡山、神戸、和歌山と各府県において開催する事とした。
 会議の内容は主として、(イ)関係法規の研究。(ロ)競走実施に当っての研究。(ハ)連合会に対する要望事項の決議
(モーターボートの確保及宣伝広告に関して)
 四 ボート製造業者との連絡に関して
 五 その他
 特にエンジンの入手に関して国際競艇協会笹川良一氏と交渉の結果、次の通り実施し、これの確保が確実となった状況は次の通りであった。
一 バルコン商会手持ちエビンルート(四五台)が奪い合いになっていた関係上、早急に入手の必要があり購入代金五百十五万円中二百万円は笹川氏が調達し、残り三百十五万円を近畿ブロックにおいて平等分担し、笹川氏個人に貸付の形式をもって、一県五十二万五千円貸付ける事に決定した。
二 マーキュリー一〇〇台中、十五台は何時でも入手可能残りは六月以降に入手可能、国際競艇において目下米国より購入のマーキュリー一〇〇台分の「ドル」関係の枠は、滝山理事長の努力により獲得したい。
三 五十二万五千円の返済方法−国際競艇においてオーナーを獲得。或は、各府県においてオーナーを獲得した資金及び保管料、修繕料等により返済の確信がある。
四 審判員、選手の養成に関しては、各府県において募集に努力し養成に努める。
 上の様な近畿地区等の会議を経て、二十七年の競走開催を目標とし、準備してきたが予定地の施設が進渉せず(堤外地であるため増水があり土地が弱い等)、資金とも関連して、あらゆる努力をしたが二十七年中の開催は困難となった。施設の遅れの主因は、陸地となる所が堤外地のうえ土地が軟弱であり、季節時の増水に泥沼と化すなど又、残雪中の工事で作業は進渉せず、止むなく二十八年春を目指し更に、諸準備を進める事とした。
 こうした最中に、人員の確保並びに教育養成及び選手の募集は予定通り実施された。先ず審判員資格者の養成は、二十七年六月二十一日より一週間、全国モーターボート競走会連合会が行ない、これに要員として副会長の和田季三と、地元三国町より選定した山下勲、田島圭助の三名を派遣した。派遣された三名は滋賀県近江神宮に合宿。実技、学科の教育を熱心積極的に受講し、登録審判員としての資格を得、又、選手は九期三七九長谷川辰雄(S・二七・一〇・登録)十三期四二八矢野三間夫(S・二八・一・登録)更に、十四期五七〇水野武良夫以下十四名の養成を終わった。
 実務者としての整備要員は地元三国町の技術関係者を採用し、公認検査員二名も確保するに至った。こうして一般従業員も広域にわたり募集し、和田副会長以下三名が教官となり、法規と競技運営を四日間にわたり指導し、全員熱心に講習を受けた。教官三名が近江神宮での講習を、そのままに一般従業員に指導し、受講中に、腰や足が痛くなり大笑いしたこともあったが、競艇というまだ見たこともない公営競技に期待と成功を期して全員が努力した。
 開催当時の役員、職員等の開催業務分掌は、次の通りである。
執行副委員長 一瀬伊太郎(競走会会長)
総務委員 浜田倫三(競走会常務理事)
競技委員長 和田季三(競走会副会長 登録審判員)
副競技委員長 山下 勲(登録審判員)
審判委員長 田島圭助(登録審判員)
検査委員 吉弘英二(公認検査員)
検査委員 山上晴也(公認検査員)
管理委員 道津健三
進行委員 湯浅友二
発走合図委員 村上 勇
決勝審判委員 魚田正二
決勝審判委員 新家 信
審判委員 広部 正
番組編成委員 小畑純久
番組編成委員 田島幾久子
 当時、施行者側には開催業務について精通した者が少なく、あらゆる面で、競走会が指導しなければレース開催ができない状態であったため、競走会役員が、種々、業務を指導した。なお、整備員として、奥林由男以下八名を確保した。
 福井県モーターボート競走会の所在地は大飯郡高浜町であり、坂井郡三国町のレース場とは福井県の両端に位置して、競走会役員は三国町に出張したり、電話連絡等によることもあり、三国競艇施設KKが三国町役場内に事務所をもうけ業務を開始し、同所に競走会の三国仮事務所も開設して山下勲、田島圭助の両名が、競走会長及び小畑専務理事の命を受け業務を開始した。特に、一瀬競走会会長は、資金面については、当初より開催後、幾年間も私財を投じ文字通り東奔西走の苦労をされたが、この熱意は、従業員にまでも感ぜられて全員が団結の下に成功を期す覚悟を新たにさせられた。
 三国仮事務所における従業員の募集は、小畑専務理事の指揮と斎藤理事の助言を受けて山下勲が担当したが申込が多く、時として地元有力者の圧力とも考えられることもあり、非常に困難を感じたが、開催日が近づくにしたがい、徐々ながら確実に業務も進渉した。和田副会長は、運営面に関し適切な指導をなした。昭和二十八年二月には、高浜町において田島、山下両名が出席、浜田常務理事、和田副会長、小畑専務理事、堀口理事と競技運営及び従業員に関する打合わせを行なった。昭和二十八年四月三日和田副会長以下実務者の主要職務者は、競技運営研修のために、尼ヶ崎レース場を見学し各職場について実地研修を行なったが、モーターボート競走を、はじめて見学した一般従業員は、尼ヶ崎の各実務者の選手指導、審判実技並びに、選手管理のあり方をみて、責任の重大を自覚すると共に三国競走場の開催を期待して待った。一瀬会長以下の役員は、関係上司との連絡、施行者、施設会社への助言、従業員の指導と上下一体となって開催準備に全力を挙げた。更に実務(審判実技、競技運営)の和田副会長、田島、山下の三名は、旺盛なる気力と実行力を発揮して、最先頭にたち、一般従業員を指導した。次に選手宿舎の準備であったが、三国町料飲組合長で町会議員でもあった岡原勇吉氏が旅館組合の協力を得て、三国町宮本旅館を宿舎とする事に決定して、選手の受入れ準備に旅館の改修を実施し準備を完了した。かくて、昭和二十八年四月十二日には概ね諸準備を完了して(施設面は完全ではなかったが)開催のための模擬レースを実施することが出来た。連合会より原田業務部長、青木部員外、三重県より実務者若干名の応援により各従業員が指導を受け、緊張裡に実施された。特に、審判、競技を通じて電話係の女子が、涙を浮かべて指導を受けていたのが印象的であった。
 昭和二十八年四月十四日は、三国競走場の開催第一日であった。連合会より笹川副会長以下の役員、事務局の実務者が来場して、関係上司の来賓挨拶があり、感激と決意を新にした。この日モーター事故が一件も発生せず、笹川連合会副会長は、金一封を整備員に贈り激励された。六日間の売上八百六十八万八千円、一日平均百四十七万一千円也。
 三国競走場は交通事情、人口密度等、地理的条件が悪く更に立地条件(堤外地)と、冬期間の気象状況が予測し得ない程悪く、降雨禍又は台風の災害と、再三、再四の自然の障害を受けて、関係者一同は苦難に苦難を重ねての労苦であった。同年六月頃には、一日二百万円程度の売上になったが、冬期間の十二月より翌年三月までは、気象状況を考慮して休催とした。昭和三十一年十月には、近畿地区選手権競走を実施し、一日平均四百数十万円の売上を記録しこの年より冬期間もレースを開催して、二月の旧正月レースにおいて一日平均六百万円を記録し、開設以来の最高売上を示したので関係者一同の労苦が徐々に実り、前途に明るい光明を見出した如くであった。昭和三十六年は競走会創立満十周年を迎え、当会事務所が競走会所在地の高浜町に、近代的鉄筋コンクリート造りの竣工をみた。翌年二月四日旧正月レースにおいて一日売上、一千万突破の夢を遂に達成した。
 
競走会創立以来、会長として指揮運営を続ける一瀬伊太郎氏
 
会旗
 
 更に選手専用宿舎を(六百四十余万円)全国レース場に先がけて建設し、昭和三十三年四月十一日より使用。選手管理の適正を期す事が出来た。当時、連合会事務局の言葉では「全国一であり、よく選手管理のあり方を確立した」と賛意を表し、「選手新聞」も専用宿舎建設の英断に対して謝意を表された。
 三国レース場は弱少売上であったが、業界発展の熱意は会長以下一般従業員に至るまで一丸となって燃えていた。昭和三十八年一月下旬には、全国的寒波の来襲があり、三国地区では百年来の豪雪となった。関係者一同除雪作業にあけくれ開催準備に努力した。各地関係団体よりは、真心こもった物心両面の御援助を受け、感激の作業が続けられた。
 開設以来十五年間の売上金比較は(以下に掲載)次の通りであった。
 その後、競走会の機構も業務の発展とともに変遷があり会長一瀬伊太郎、専務理事室新太郎、常務理事浜田倫三から堀口与一外に理事も新鋭が選出され、事務局長谷黒武、事務局次長石橋晟吉、審判委員長宇野松右ェ門、競技委員長山下勲、その他、優秀なる有資格者の職員を育成され、十有余名となった。
 売上額も、昭和四十三年三月十日(十二回二節)には、四千十五万六千七百円の最高売上を示し、七月二十三日(第四回二節)十二レースには、一レース売上の最高売上五百九十五万二千五百円と好調を示した。
 競走場は、九頭竜川の一級河川昇格により三国町池上に移転を決定し、競走会の役、職員の卒先陣頭に立っての努力と、施行者、施設会社の英断により、約七億余円の費用をかけ、昭和四十三年七月九日(四回一節)オープンレース。同月十八日より六日間(四回二節)竣工記念レースを開催した。九頭竜川における、浮遊物、又は冬期間の水面悪化による困難なるレースに、終止符を打つ事ができた。更に新選手専用宿舎を建設する事も決定し、業界発展のため、一瀬会長の人格と、卓越した指導運営の下に強固なる団結により、今後更に前進することであろう。
 
昭和28年度〜42年度 15年間・売上金比較表
(拡大画面:90KB)


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