◇市長近鉄に協力依頼(26・9・5)
志田市長は、近鉄本社を訪問、佐伯専務、桧原総務部長、杉田秘書と面談し、協力を依頼した。近鉄側は津市にモーターボートを誘致することに賛成し助力を約束された。
これで先に全面的協力を約束された三重交通と共に、二大交通会社をバックとして大いに力を得ることとなった。
◇中日新聞は当時の情勢を次の如く大きく報道した(26・9・8)
“どこへ行くモーターボート競走場”
競輪についで浮び出たモーターボート競走は、明春から県下にもお目見得するが、これをめぐって争奪戦は深刻化の傾向にあり、競輪の例にならって政治問題化する気配にある。一県で一つ許可されるモーターボート競走会は現在前田参議院議員、中村代議士を顧問に、阿保三交専務、西山、西島県議らが中心となって知事の副申もとり、すでに運輸大臣に許可申請中であるが、最近北勢側では水谷代議士を中心に競走会を作り、地元桑名で開催しようという動きもある。競走場は現在桑名市(揖斐川)鈴鹿市(千代崎海岸)津市(岩田川口贄崎海岸)宇治山田市(大湊)鳥羽市(鳥羽港)志摩郡的矢村(的矢湾)の六ヵ所が名乗りをあげている。互いに他をケン制し、独り占めにしようと地元県議連を動員、あの手この手の猛運動を続けている。
“六ヵ所で奪い合い 競輪同様の成功を夢み財政難押し切って”
競走場の設備は最低六〇〇万円、恒久設備にすると三、〇〇〇万円はかかるといわれるが、各地とも松阪競輪の成功を夢みて、財政難を押し切って誘致運動をつづけている。このとらぬタヌキの皮算用はどこに落着くか、以下各地の言分を聞いてみよう。
川島桑名市長談 計画は津より一足早い。名古屋をひかえている。揖斐川の自然美、一万メートルレースも可能な広さ、市議会でも決定した。なお、競走会へは、四日市、鈴鹿にも呼びかけ協願することになっているので、個人的競走会よりも強力である。
木下津商工課長談 岩田川口を第一候補とするが、難点は干潮時の水深が浅く、漁船の出入りが多いことであるがこれ等は解決の見通しがある。
家田鳥羽町長談 南国なので一年中レース可能、二見町と歩調を合わせて進める。
門屋二見町競艇委員長談 鳥羽町と一体になって、両町を結ぶ海岸線で実現したい。
木下的矢村長談 伊勢志摩モーターボート競走場といったものにまとめて強力に進めたい。
◇津市モーターボート競走場設置委員会の発足(26・9・11)
◇地方財政委員会は都道府県知事に対し、モーターボート競走施行者指定に関する通牒を発す(26・9・15)
◇地方財政委員会に指定申請書提出(26・9・22)
津商第三四五号
昭和二六年九月二二日
津市長 志田 勝
地方財政委員会委員長 野村秀雄殿
モーターボート競走法第二条第一項中の指定市について首題モーターボート競走法中、指定市としてお認め下さるよう左記を附してお願いする。
記
1 モーターボート競走の施行を必要とする理由
2 競走場、平衡交付金及び人口に関する調
3 戦災、災害復旧費、並びに必要止むを得ない臨時事業支出内訳(別記1)
4 歳入歳出予算現計及び決算見込額調
5 税率等に関する調(別記2)
6 職員給与調
7 モーターボートに関する収支見込書(別記3)
8 収益金の使途方法(別記4)
9 前年度及び当該年度における収益事業収入に関する調
10 その他参考となる事項(別記5)
別記1
戦災・災害復旧費必要止むを得ない臨時事業支出内訳
項目 |
金額 |
摘要 |
1 戦災害復旧費 |
|
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(イ)災害復旧費 |
1,370 |
災害道路復旧費 2線 |
(ロ)市庁舎戦災復興費 |
19,000 |
建築費 208坪・坪60,000円
12,480
附帯工事費 5,183
設備費 1,068
雑費 269 |
2 必要止むを得ない臨時事業費 |
|
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(イ)六三制事業費 |
11,000 |
橋北中学校建築費
132坪・坪22,000円 2,904
東橋内中学校建築費
368坪・坪22,000円 8,096 |
(ロ)土木費 |
21,576 |
千鳥架設工事費 4,639
事務費 107
雑費 10
都市計画負担金 12,712
県営安濃川改良費負担金 3,333
県営津興維持費負担金 775 |
(ハ)失業対策費 |
2,500 |
労力費 1,691
需要費 678
事務費 131 |
(ニ)警察庁舎 |
8,011 |
建築費
233坪・坪25,000円 5,825
設備費 1,948
事務費及び雑費 238 |
(ホ)消防施設費 |
9,614 |
消防施設事業 消防車3台
1台2,200,000円 6,600
防火水槽設置費 10ヵ所
1ヵ所286,000円 2,860
事務費及び雑費 154 |
計 |
73,071 |
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