蒲郡市
蒲郡競艇の生いたち
昭和二十六年六月十八日、モーターボート競走法が施行され、愛知県モーターボート競走会は名古屋、岐阜、津島、常滑、半田、碧南、蒲郡等各地区より会員を募集し、昭和二十六年十月一日誕生した。当時、蒲郡地区より参加した会員は三十五名であった。愛知県モーターボート競走会特別顧問であった舞田寿三郎氏は、当時の蒲郡町長として町を代表して特別会員となった。昭和二十七年十二月二十一日舞田寿三郎氏は任期満了辞任し、後任に竹内司氏が就任した。昭和二十九年四月一日、蒲郡市の発足にともない新市長の選挙が行われ、竹内司氏が勝利を得て、昭和二十九年四月二十五日初代市長に就任した。
蒲郡としては昭和二十八年度、二十九年度は市制施行が主体となり競艇の開催には反対論も強く、また戦災都市でないため公営競技施行について申請、認可の点にも難点があった。これより先き半田市は昭和二十八年四月、常滑市は昭和二十八年七月、それぞれ初開催したが同一地域に二つの競走場を開設した関係で売上成績が悪く、蒲郡地区に競走場を新設することは、ますます、見込みうすとなり、蒲郡地区会員の中に不満の声も生じた。
昭和二十九年早春(二月頃)岡崎市で競艇開催計画(菅生川下流)あるいは蒲郡市との共催計画もあった。このような競艇開催の気運が進むに従って、市内に愛知競艇株式会社(初代社長岡崎浅次郎氏)の設立、更に十月には蒲郡観光株式会社が設立され塩田を買収したので、競艇開催の気運はますます高くなった。なお蒲郡市、岡崎市は昭和二十九年八月上旬、それぞれモーターボート競走施行者指定申請書を自治庁に提出、競艇場用地の塩田買収には、竹内司市長が立会人となり、将来市の発展にともなう都市計画その他必要な場合は、買上げた塩田は市に提出する旨一札を入れさせた。
昭和二十九年の末、第一次鳩山内閣が誕生した当時は、競輪、競馬等の自粛の声が強く、両市が提出した書類は当時の運輸大臣のもとで下積みされて年を越すことになった。昭和三十年の正月、連合会長笹川良一先生は下積みされた多くの申請書類の中から、桐生市、蒲郡市、岡崎市の施行者指定申請について、許可されるよう格別の盡力を注ぎ、福井代議士等の協力により、昭和三十年三月十八日官報告示第十二号により上記三市が指定され、ここに蒲郡競艇の誕生となった。また施設に関しては、運輸省から施設会社である愛知競艇株式会社が認可された。
昭和三十年九月五日発行
連合会会報 第五十四号(三)
水位の調整が水門にて可能
蒲郡競走場
江戸川競走場より一日遅れて、蒲郡競走場が開場した。同地は東海随一の景勝地で、同競走場には全国より選ばれた優秀選手が、三日前よりモーターの摺合調整のため来場し、観客に最高の妙技を見せんものと張切っていた。
前日には既に二、〇〇〇人を超える観客が詰めかけ、快音を発して爆走するモーターボートに狂喜して、水際に立てられた柵をつかんで、こおどりしている姿は競艇ならではの表情がありありと現れていた。
同競走場の特色は、競走水面の水際に観覧席がぎりぎり一ぱいまで出ていて、スピード感が非常に高いこと。競走水面が非常に穏かであること。競走水面の水位の調整が、水門にて自由に出来ること。逆光線にならないから視度が非常に高い等々、である。
開場式は十三日午前十時二十分より開始され、施行者竹内蒲郡市長、同じく岡崎市長の挨拶の後、東海海運局長、笹川連合会会長の祝辞と次々に式次第が進んだ。この頃競走場上空にグリーン色に輝く中部日本新聞社の飛行機が飛来、万国旗に輝くスタンドと、鏡の様な競走水面の上空を低空で何度も何度も旋回し祝賀飛行を行った。
十一時十五分より、国際競艇製新型軽ランナバウト及びハイドロ3P合せて二十五隻により、単縦隊、三艇編隊等の水上パレードを展開、続いて蒲郡競走場の初開催を祝して参加の、中田、武本両嬢による水上スキーが行われ、その妙技に立錐の余地なき満員の観客は賞讃の拍手を送った。
やがて、午前十一時二十七分三十秒、銘記すべき第一レースの展示航走が開始されたのである。時に南二米の風、波高二糎、正に絶好の好条件であった。
開催初期の蒲郡競艇場(昭和28年)
蒲郡競艇十年の歩み
昭和二十九年度 |
四月一日 |
蒲郡市誕生。 |
四月二十五日 |
竹内司氏市長当選。 |
八月 |
モーターボート施行指定申請。 |
十月 |
蒲郡観光開発KK発足。塩田買収。 |
三十年三月 |
モーターボート施行認可。
市議会議員選挙。 |
昭和三十年度 |
五月六日 |
愛知競艇株式会社発足。
社長 岡崎浅次郎氏。 |
七月 |
会社委任経営契約(一ヵ年)。 |
八月五日 |
競艇場登録検査。 |
八月十三日 |
蒲郡競艇初開催。 |
十月 |
東海海運局長より蒲郡競艇施行に対し要望書。 |
昭和三十一年度 |
六月 |
岡崎浅次郎氏社長退任。
笹川春二氏社長就任。 |
七月 |
蒲郡・岡崎モーターボート施行組合発足。 |
八月八日 |
組合・会社調停案(海運局)。
従業員労働組合発足。 |
九月 |
組合・会社賃貸料契約。 |
三十二年三月 |
愛知競艇株式一部買収。 |
昭和三十二年度 |
六月二十一日 |
会社五、〇〇〇、〇〇〇円増資。 |
八月一日 |
会社一五、〇〇〇、〇〇〇円増資。 |
九月 |
賃貸料、競走会長の裁定により決定。 |
十月十五日 |
ヤマト30型モーター四十二基購入。 |
十一月十五日 |
愛知競艇KK全株買収。 |
昭和三十三年度 |
四月二十五日 |
蒲郡市長 逸見彦太郎氏当選。 |
四月十日 |
メインスタンド完成。 |
四月三十日 |
蒲郡市・岡崎市配分金紛争問題、県の裁定により解決。 |
八月二十一日 |
両市紛争は海運局長の調定により解決。 |
九月三十日 |
蒲郡・岡崎モーターボート施行組合解散。 |
十月一日 |
蒲郡市直営となる。
第一回蒲郡市・岡崎市契約。 |
三十四年三月二十五日 |
蒲郡市議会議員一般選挙。 |
昭和三十四年度 |
六月一日 |
第一スタンド完成。 |
七月 |
第五回東海地区選手権大会。 |
九月二十四日 |
ヤマト30型五十五基購入。 |
九月二十六日 |
伊勢湾台風来襲。
(この間復旧工事) |
十二月十五日 |
再開場。 |
昭和三十五年度 |
四月一日 |
年間一五八日開催と決定。 |
六月一日 |
大時計二重針となる。 |
十月三十一日 |
四月から場内各施設改善。審判・競技・投票に電気器械採用。 |
十一月一日 |
スタート、ゾーン一・五秒となる。 |
十二月末日 |
第二スタンド完成。 |
十二月二十五日 |
雨天装着場の一部完成。 |
昭和三十六年度 |
四月 |
フライングを資格喪失と決定。 |
六月十二日 |
ヤマト60型五十五基購入。 |
七月七日 |
入場門・アーケード完成。 |
十二月二十五日 |
第三スタンド第二投票所新設。 |
昭和三十七年度 |
四月 |
逸見市長再選。 |
四月二十日 |
モーターボート競走法(恒久法)と改正。 |
三十八年三月 |
蒲郡市議会議員選挙。 |
昭和三十八年度 |
四月 |
六レースまで連勝複式と改正される。 |
四月十五日 |
ヤマト60型六十基購入。 |
五月一日 |
第九回東海地区選手権大会。 |
五月 |
施設改善調査会発足。 |
三十九年三月 |
中央審判台増築。
全国統一整備規定案決まる。 |
昭和三十九年度 |
四月一日 |
全国統一整備規程実施。
一六八日開催となる。 |
四月三十日 |
第十回全国地区対抗競走を開催する。 |
六月 |
レース水面浚渫工事完了。 |
十一月 |
ヤマト66型五十五基購入(モーターの一年制を採用)。 |
十二月二十五日 |
特別観覧席完成。 |
四十年一月二十六日 |
払戻所及びメインスタンド失火。 |
三月一日 |
払戻所及びメインスタンド再建完成。
F・L選手の即日帰郷制度実施。 |
昭和四十年度 |
五月三十一日 |
投票所裏側駐車場造成完了。 |
昭和四十一年度 |
六月三十日 |
主審塔改築及び第四投票所完成。 |
十二月二十日 |
大アーケード完成。 |
昭和四十二年度 |
四月一日 |
競技規程の一部改正スタートの制限時間が従来の一・五秒が一秒に短縮。
新入場門完成。 |
四月十三日 |
第十三回東海地区選手権大会。 |
九月二十日 |
競艇事業課新事務所完成。 |
十一月一日 |
スタート事故者の即日帰郷制度廃止となる。 |
昭和四十三年度 |
六月三十日 |
施設改善第一期新スタンド及び投票所完成。 |
|
昭和34年9月26日の伊勢湾台風は、全施設に大きな被害を与えた |
伊勢湾台風の後、約3ヵ月休場。その年から5ヵ年余の間に、逐次、施設整備を進めた |
第1期施設改善で完成した蒲郡競走場の新スタンド(昭和43年6月) |
年度別1日平均売上・入場者
年度 |
1日平均売上金額 |
1日平均入場者 |
30 |
円
6,651,808 |
名
3,296 |
31 |
7,309,996 |
2,821 |
32 |
6,955,348 |
2,577 |
33 |
7,337,599 |
2,695 |
34 |
7,918,876 |
2,556 |
35 |
9,563,826 |
2,362 |
36 |
12,322,734 |
2,444 |
37 |
15,727,110 |
3,148 |
38 |
17,448,756 |
3,496 |
39 |
22,428,332 |
3,772 |
40 |
29,029,822 |
4,148 |
41 |
36,928,159 |
4,557 |
42 |
49,316,076 |
5,490 |
|
収益金使途一覧表
年度別 |
土木費 |
教育費 |
厚生労働費 |
産業経済費 |
その他の行政費 |
計 |
|
千円 |
千円 |
千円 |
千円 |
千円 |
千円 |
30 |
2,502.0 |
3,000.0 |
|
|
|
5,502.0 |
31 |
2,304.0 |
13,000.0 |
2,000.0 |
|
|
17,304.0 |
32 |
2,583.0 |
4,000.0 |
3,000.0 |
|
|
9,583.0 |
33 |
2,554.0 |
12,000.0 |
6,000.0 |
|
|
20,554.0 |
34 |
6,600.0 |
16,000.0 |
16,400.0 |
|
1,000.0 |
40,000.0 |
35 |
18,000.0 |
30,000.0 |
8,500.0 |
6,000.0 |
40,500.0 |
103,000.0 |
36 |
65,000.0 |
20,000.0 |
34,000.0 |
23,500.0 |
72,500.0 |
215,000.0 |
37 |
105,700.0 |
46,000.0 |
65,000.0 |
36,000.0 |
8,000.0 |
260,700.0 |
38 |
128,550.0 |
33,000.0 |
76,000.0 |
21,000.0 |
18,000.0 |
276,550.0 |
39 |
218,000.0 |
73,150.0 |
55,000.0 |
36,850.0 |
|
383,000.0 |
40 |
336,500.0 |
63,000.0 |
53,626.0 |
57,474.0 |
46,900.0 |
557,500.0 |
41 |
204,500.0 |
284,000.0 |
32,000.0 |
70,500.0 |
159,000.0 |
750,000.0 |
42 |
422,500.0 |
315,000.0 |
12,500.0 |
68,800.0 |
108,300.0 |
927,100.0 |
計 |
1,515,293.0 |
912,150.0 |
364,026.0 |
320,124.0 |
454,200.0 |
3,565,793.0 |
|
|