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空家修復ワークショップ(1)
「なかや」を直そう
 津金でも、むかしの民家の姿を今に残す空家がありました。
 それが、御所地区の茅葺屋根をトタンに覆われた家。
 屋号、「なかや」。空家を覆おうとする竹と、開かない扉との格闘からはじまりました。
 
修復前のなかや。民家というより竹薮。分け入っても分け入っても・・・。
 
おどろおどろしい空家に。手を入れないと障子も畳もぼろぼろ。
 
 竹が生い茂っていた当時から「なかや」は昔の姿が残る唯一の民家だと分かっていた。反対もあった。最初は「なかや」で地元の人とうどん屋をやるかなんて話も出たよ(笑)。あれから2年が経って、ようやく動き出せた。ここが良くなって明るい風景になればと思う。
 
あれっ?開かないじゃんけ?
 
掃除は大胆に。
 
そして、繊細に。
 
埃で真っ黒い顔に苦笑い。
 
障子洗い。力仕事だけではない。
 
空家修復ワークショップ(1)
2006.2/18
「なかや」修復ワークショップ その1
参加者は10名。
地域住民、学生(山梨・法政・静岡大学)、一般、NPO会員が集まった。
8:00〜 家周辺の竹の除去(長年蔓延った竹を重機で根っこからおがし、取り除く)
10:00〜 庭の雑草・竹の刈り取り(竹、笹で覆われた庭に入れるように整備)。崩れていた外便所の解体片付け
囲炉裏に生えた竹の駆除
13:00〜 家内の家財道具、昔の民具など出して、分別
使えなくなった畳など整理
厩の天井に残された昔の藁の片付け
■初日。全員マスクをつけて、準備万端、大掃除に取り掛かった。この日は住民の方が、食事を用意してくださったりした。長年積もった埃に、参加者全員、顔中真っ黒になった、まるで歌舞伎の隈取。
それでも昔燃したすすなどは取れないほど、空き家は汚れていた。みんなほとほと疲れたが、不思議とやったという充実感に包まれた。お風呂の後、この日は、地元の清水正八さん方で、懇親会を開いて夕食。学生はそのまま、民泊させていただいた。
2006.2/19
前日から残った山梨大学生、一般、NPO会員が参加。
8:00〜 大掃除(使えなくなった畳、民具、家財道具などを整理)
13:00〜 ホコリすす払い
(長年積もったホコリ落とし)
■前日に続いてもくもくと働く、学生の姿が印象的だった。ひとまず、埃を落として、初回のワークショップは終了。思いのほか埃がひどく、予定を立て直すことに。
2006.2/25
「なかや」修復ワークショップ その2
住民、学生(山梨・法政・静岡大学)、一般、NPO会員、日本財団の方など、この日は結局、30名を越える参加者となった。
8:00〜 清掃(埃落とし、掃き・拭き掃除)
14:00〜 学生の合流参加。建具・民具の清掃洗い(障子洗い、貼り)
庭の整備、草刈
■前回、埃を落とした家内の清掃を念入りに行う。日本財団の方も一緒に参加。学生も、多数途中参加。剥ぎ取った障子のほねの洗いなどみんなで行うが、まだまだ作業は終わらないほど。まだ水道もないため、水の確保が大変で、結局大型タンクに水を運び込んだ。トイレがまだないことに学生も困った。おいしい学校でお風呂の後、大正館にて、住民、学生ほか参加で交流懇親会を開催。作業を終えた感想や、住民の方との交流などで、夜が更けた。
2006.2/26
住民、NPO会員が参加。
8:00〜 清掃(埃落とし、拭き掃除)
床の修理 石釜の清掃
午後 終了
■この日は、天候が悪く雨になったため、肌寒く、家内の作業を行った。寒いので、長年使われていなかった石釜に火を入れてみたという。ぼっと明るい火がともった。また家に命が吹き込まれた。
2006.3〜
地元職人・山下龍さんによる専門的修復
北面柱、床等の修復
西面外壁の修復
 
きれいになった庭。なかやがようやく全貌を現した。


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