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はじめに
 千葉県立中央博物館では,平成元年のオープン以来,房総の自然と文化に関するさまざまな資料を収集保存し,その調査研究の成果を展示や講座・観察会を通して人々の生涯学習を支援する努力を行ってきました。当館のこのような活動は,従来の博物館内での活動に加え館に隣接する生態園や海・山の自然のフィールドヘと拡張・発展させ,また近年では,新たな展開として学校教育との連携を重要視し活動しています。
 当館の学校連携についてはまだ手探りの段階ですが,環境教育の面での連携については小・中学校を中心に着実な経験を重ね,平成10年度には学校団体へ博物館との連携に関するアンケート調査も実施しました。そして,その調査結果からは,博物館の資料や専門性に基づく体験学習や参加型展示の機会等が望まれている状況が明らかになりました。
 今回の企画展は,水に関する子どもの学習を効果的に支援するとともに,当館の社会教育機能を,とくに環境教育の視点から強化することをめざしたものです。平成16年度に幸いにも文部科学省生涯学習政策局の「社会教育活性化21世紀プラン」事業の一つとして,「子どもとつくる博物館事業による博学連携のための社会教育,特に環境教育推進事業」の助成を受けることができ,子どもたちの水に関する経験・知識・疑問を聞き,それを元に展示企画を作ることができました。平成17年2月にはこの企画展のプレ展示も行いました。多くのボランティアの協力を得て,子どもたちを含め多くの方から評価をいただき,見直しを行い,今回の展示となったものです。このような事業は当博物館においては初めての試みであり,さまざまな困難もありましたが,多くの貴重な経験とともに大きな成果を得ることができました。
 どうか県民の方々はもちろん多くの方々にこの企画展で水の不思議さ,面白さを体験していただきたいと存じます。
 本ガイドブックは,水をめぐるさまざまな情報を企画展の流れに沿って解説したものです。企画展をきっかけに,私たちにとって不可欠な「水」をもっと知ってほしいという思いから,独立した読み物としても充分読み応えのあるものとして作りました。学校であるいは家庭で,親子で「水」を考えるヒントがたくさん入っています。本書がみなさんの「水」を考えるきっかけになれば,これに勝る喜びはありません。
 本事業の実施にあたっては,子どもたちをはじめ本当に多くの方々にご支援をいただきました。お世話になりました皆様に心からの敬意と謝意を表します。
 
千葉県立中央博物館館長
中村 哲
 
口絵1 水はどこにある?
(拡大画面:191KB)
 
口絵2 水はどこにある? 水の色は何色?
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口絵3 水のさまざまな姿
(拡大画面:316KB)
 


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