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バルクキャリアの安全対策及び内航ケミカル船への新構造設備基準適用に係る説明会開催結果について
 当会は、日本財団助成による平成17年度の「情報提供事業」の一環として、次により説明会を開催しました。
 
1. 開催の趣旨
 先に、IM0(国際海事機関)においては、バルクキャリアの安全性向上や船員の水中転落事故等安全対策を目的としたSOLAS条約関係附属書を改正し、船舶設備規程等国内関係規則が2006年7月1日から施行されます。(一部2007年4月1日施行予定)
 この中では、二重船側バルクキャリアの要件や満載時の隔倉積みの禁止が求められる他、非損傷時の復原性を確保するための計算機の備付けや船倉内浸水警報装置の設置等が、また、救命設備についても、自由降下式救命艇の強制や最大搭載人員に見合ったイマーションスーツの備付け等新たな安全対策が多く盛り込まれております。
 他方、内航ケミカル船の構造や設備要件等に関係するMARPOL条約附属書IIの有害液体物質の汚染分類及びIBCコードが全面的に見直され、海防法等国内関係法令が2007年1月1日から施行されます。(一部2006年7月1日施行予定)
 今回の改正は、汚染物質の事前処理や排出方法等の規制が強化されるものが420物質、貨物タンクの配置等の要件が強化されるものが273物質にも亘る広範な改正内容となっており、現存ケミカル船についても、新たな汚染分類、改正IBCコードに沿った対応が要求される他、検査関係証書類についても書き換えが求められる等船舶関係者にとっては相当煩雑な作業が想定されています。
 これらのことから、当会は、日本財団の助成事業の一環として、当会の会員をはじめ、海運造船、舶用関連工業及び海事代理士等海事関係者を対象にして、規則改正等の内容を理解していただくため、次により説明会の開催いたしました。
 
2. 開催日時及び場所
(広島会場)
日時:平成18年2月28日(火)13時30分〜16時00分
場所:ホテルグランヴィア広島(JR広島駅新幹線口)
(東京会場)
日時:平成18年3月3日(金曜)13時30分〜16時00分
場所:東海大学校友会館(霞ヶ関ビル33F)
 
3. 議題
(1)バルクキャリア安全対策の強化について
(広島会場)講師:国土交通省海事局安全基準課
係長 児玉 敦文 氏
(東京会場)講師:国土交通省海事局安全基準課
専門官 新保 一彦 氏
(2)内航ケミカル船への新構造設備基準の適用について
(i)MARPOL条約附属書II「有害液体物質汚染分類」改正関連
(広島会場)講師:国土交通省海事局安全基準課
係長 今村 智之 氏
(東京会場)講師:国土交通省海事局安全基準課
補佐官 村岡 英一 氏
(3)「IBCコード」改正関連
(広島会場)講師:国土交通省海事局検査測度課
専門官 高橋 治 氏
(東京会場)同上
 
説明会開催の状況
 各会場大変な盛況で、条約や規則改正に関心を寄せる造船、海運、船用品関連メーカー、海事代理士及び行政側担当者等多くの海事関係者が参加しました。
 説明は、各会場ともパワーポイント及び説明資料に基づき行われました。質疑応答においては、「バルクキャリア安全対策強化」「有害液体物質の排出規制」「ICBコードの内容」等の改正内容に関心を寄せる造船所、海運事業者や荷主等から活発な意見交換がなされました。
 なお、説明会の開催にあたり、広島会場は中国運輸局海上安全環境部の幸口部長から、東京会場は国土交通省海事局安全基準課の安藤課長からご挨拶を頂きました。
 
広島会場の状況
於:ホテルグランヴィア広島(参加者100名超)
 
東京会場の状況
於:東海大学校友会館(参加者120名超)


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