3. 例題計算
3.1 円板モデル
ISMの計算精度を確認するために、円板内周のビードオン溶接の計算を行った。内径100mm、外径200mm、板厚12mmの円板を、円周方向64、半径方向12、板厚方向6に分割した。モデル規模は3,520要素4,608節点13,756自由度である。また、計算精度の検証のために、ISMですべての領域を強非線形問題として解いた場合(以下ORIGINALと称す)および汎用FEMプログラムMSC.Marcで計算を行った。計算に用いたのはItanium2 1.5GHz+24GBメモリのマシンである。なお、剛性行列の解法には、ISMおよびORIGINALではスカイライン法、MSC.Marcではマルチフロンタル法を用いた。
準定常状態での温度分布をFig. 2に示す。トータルの温度ステップ数は697である。ISMで得られた準定常状態での変形モードと応力分布をFig. 3に、各温度ステップでの溶接開始位置の応力をFig. 4に示す。溶接開始位置はFig. 4中に示している。計算結果はISMとORlGINALでは完全に一致しており、MSC.Marcともほぼ一致している。
Fig. 2 Temperature distribution of disk model.
Fig. 3 |
Deformation and stress distribution of disk model. |
Fig. 4 Stress history of disk model.
ISMでの準定常状態での強非線形領域BをFig. 5に、各温度ステップでのB領域の要素数をFig. 6に示す。準定常状態ではB領域は同じ形状で移動しており、B領域の要素数は約150で全体の4%である。
各温度ステップでの計算時間の積算値をFig. 7に、計算時間と使用メモリの比較をTable 1に示す。計算時間はISMで0.7時間と実用的な時間となっており、0RIGINALより161倍、汎用ソフトMSC.Marcよりも9.6倍高速である。メモリサイズはISMとORIGINALはほぼ同じだが、MSC.Marcは0.6倍と小さくなっている。
Fig. 5 Nonlinear region B of disk model.
Fig. 6 Number of B element of disk model.
Fig. 7 Computing time history of disk model.
Table 1 Computing time of disk model.
Program |
Computing time |
Ratio |
Memory size |
Ratio |
ISM |
0.7Hr |
1.0 |
471MB |
1.0 |
ORIGINAL |
112.9Hr |
161.3 |
469MB |
1.0 |
MSC.Marc |
6.7Hr |
9.6 |
258MB |
0.6 |
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Model size: |
3,520 elements, 4,608 nodes, 13,756 freedoms, 697 steps |
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