図4.1.4 舶用ACF陸上試験装置
(ジェットスクラバ、反応器)
図4.1.5 舶用ACF陸上試験装置
(ジェットスクラバ給水循環設備)
図4.1.6 舶用ACF陸上試験装置(制御盤)
(1)ジェットスクラバ及び給水循環設備
ジェットスクラバ及び給水循環設備は、ジェットスクラバ本体、ジェットスクラバ吸引管、除じん水タンク、ジェットスクラバ給水タンク、ジェットスクラバ循環ポンプ、アルカリ薬注タンク・ポンプ、メイクアップタンク・ポンプ及び熱交換器から構成される。ジェットスクラバ本体、吸引管、除じん水タンク及びジェットスクラバ給水タンクには高温・耐食ライニングを施工し、ジェットスクラバには狭角タイプのスプレーノズルを取付けた。
排ガス中のばいじんは、ジェットスクラバ内で駆動ノズル(スプレーノズル)から噴射された水滴により衝突捕集され、ガスと分離され吸引管水面に落下回収される。排ガスはデミスタを経てACF反応器へと排出される。吸引管に回収された水は、底部バルブを介して排水タンクに連続排出、または除じん水タンク、ジェットスクラバ給水タンクを経て循環使用することができる。ジェットスクラバ単体のばいじん除去性能を把握する試験において回収水を循環使用する場合、ジェットスクラバ給水タンクでは、アルカリ薬注タンク・ポンプを用いて酸性となったpHを海水と同程度のpHに再調節すると共に、メイクアップタンク・ポンプを用いてタンク液レベルを調節した。ジェットスクラバ給水タンク内の液は循環ラインを用いて撹拌した。また、ジェットスクラバ給水(回収水)を循環使用することで給水(回収水)の温度が上昇するが、給水配管に設置した熱交換器を用いて冷却し、温度を一定に保つようにした。
(2)ACF反応器
ACF反応器は内寸□250mmの正方形断面で、ACF触媒を3段充填した。内壁面はテフロンコーティングし、外側のケーシングには電気ヒータと保温材を取付け放熱を抑制した。また、温度・圧力計測とサンプリングが行えるよう、脱硫塔の各段毎にサンプリングライン、熱電対を取り付けた。
ACF触媒としては、活性炭素繊維を陸用と同様にハニカム状に成型したものを使用した。
排ガスは反応器下部から導入し、上部から抜出した。また、脱硫塔上部から水(海水)をスプレーノズルを用いて添加し、SOX除去により生成した希硫酸を最下部から排出した。
(3)排ガス処理設備
排ガス処理設備はミストセパレータ、排ガスファン、排ガススクラバ及び処理水循環ポンプから構成される。ACF反応器から排出された排ガスはミストセパレータでミストを分離し、排ガスファン、排ガススクラバを介して系外に放出される。排ガス流量は、ACF反応器出口部(ミストセパレータ前)で測定した流量が所定流量となるように排ガスファンの出力を制御・調節した。
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