すぎのこ (98)
2005 4/1
財団法人 すぎのこ文化振興財団
E-mail:support@suginoko.org
事務局:
〒171-0022 東京都豊島区南池袋4-19-6 TEL.03-3984-2396 FAX.03-3984-2264
飯能研修センター:
〒357-0063 埼玉県飯能市飯能325-2 TEL.042-971-4121 FAX.042-971-4155
嬬恋研修センター:
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣 TEL.0279-96-1015 FAX.0279-96-1662
中国支部:
TEL.0829-28-2472
地域に根ざしたゆたかな心を育む文化芸術の創造を!
理事長 小澤幸雄
新聞を開くと、子ども達を取り巻く殺伐とした事件が毎日のように報じられています。眉をひそめるような凶悪事件の数々に、いつも怒りとやりきれなさを感じつつ、いつの間にか慣れっこになってしまいそうな私に、改めて強い憤りを感じさせる事件がありました。それは登校途中の小学生が、通りすがりのお兄さん(成人)に「お早う!」と挨拶をしたところ「うるせーんだよ」と言っていきなり殴られ怪我をさせられたと言う事件です。人と人との触れあいの原点である挨拶、満足に挨拶も出来ない大人達のあまたいる中で、見ず知らずの大人に挨拶をしたこの素晴らしい少年の心の傷を考えた時、私達はなんと言ってその少年に釈明しお詫びの言葉を投げかけたら良いのか、彼の心の傷を考えたとき、その心を癒せるお詫びの言葉も見つかりません。
ものの道理もわきまえられず、相手の立場も考えられず、自分だけの価値基準で行動し、欲求が満たされなければすぐにキレて平気で犯罪を犯してしまう。そんな大人や子ども達が増えてきているようです。経済的にこんなに豊かな世の中に生き、こんなに貧しい心になってしまうのはいったいどう言うことなのでしょうか・・・。
ある子ども達への調査で、君たちにとって一番大切なものは何かとの質問に対して、日本の子ども達は「ファミコンやテレビゲーム」と答え、発展途上国の子ども達は「家族や友情」と答えた子が多かったそうです。それは日本の子ども達が物質的に豊かで幸せな環境に生きている証明であると同時に、人間社会の一員として「最も大切なものは何か」を感じ取れない環境に生きているという証明でもあるかと言えます。
日本人の心の底には、古代から受け継がれてきた人や物や自然を愛でる思いや、調和のとれた情感の世界「ものの哀れ」が今もなお息づいているはずです。今一度振り返って日本の心を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。私たちは今、そうした理念を形作った平安貴族よりも物質的に豊かな生活を送り、科学的にも豊富な知識をもって生きているのですから、平安貴族以上に優雅な情感で、精神文化と物質文明の調和を図る力を身につけられるはずです。
そのような思いから、日本人の心底で眠っている本来の「心」を呼び覚まし、二十一世紀に生きる子ども達の「ゆたかな心」を育むために、心ある皆様と共に、人や物や自然に対する愛や思いやり、生きるための知恵や勇気を育む環境を創造して行きたいと考えました。
私たちは、すぎのこ創立四十一周年を迎える本年度から、日本各地に古くから伝わり、日本人の心の形成に大きな影響を与えてきた民話や伝説を題材に、志を同じくする人達が集まり、共に学び(探求し)、育て(作品化し)、演じ(公演し)、伝え(伝承し)、深め(高め)合う「民話で育む日本の心」文化芸術創造ネットワーク活動を展開し、未来を担う「いのちと自然を尊び、生きる知恵と勇気」を持った子ども達を育んでまいります。
我が国では、平成十三年十二月七日「文化芸術振興基本法」が公布施行され、平成十四年十二月十日「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が閣議決定され、平成十五年度からその方針に基づいた文化行政が徐々に進められてきています。
文化芸術の振興に関する基本的な方針では、
※国は「文化芸術の頂点の伸長」と「文化芸術の裾野の拡大」を基本とし、「文化基盤の整備」に取り組むと同時に、財政措置や税制措置にも取り組んで行く。
※地方自治体は「自主的かつ主体的に、特色ある地域の文化芸術活動を推進」し、「各地方公共団体が連携して文化芸術の振興に取り組む」事が望ましい。
※民間は「民間の文化活動への支援は、文化の多様性に資する」と考え、民間からの支援を助長し、誘導するための条件整備や機運の醸成が図られ、民間からの支援が拡大されることが望ましい。(要約)とされております。
四十一周年目からの事業として、行政や、地方自治体や、企業や、地域に住む方々と共に、意義深い活動にして行きたいと考えております。皆様のご指導とご鞭撻、そしてご支援を心からお願い申し上げます。
「地域文化芸術に関する調査」報告書
調査期間/平成15年4月1日〜平成16年3月31日
調査依頼数/1,083件(年間公演回数の約5分の3)
有効回答数/576件(回答率53.2%)
平成13年12月7日に公布施行された「文化芸術振興基本法」に関して、文部科学大臣からの諮問を受けて提出された文化審議会の答申に基づき、平成14年12月10日に「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が閣議決定され、平成15年度からは、国や各自治体において文化芸術振興に関する取り組みが本格化してきました。当法人では、文化芸術の振興は地域に根ざした広がりと盛り上がりが不可欠と考え、各地の文化・芸術・教育等に携わる方々と共に、舞台芸術を主体とした活動を通じて地域文化の創造と振興に寄与できればと願い、今回幼児教育関係者の方々から、地域の民話や伝説に関するご意見をいただきました。お忙しい時間をぬっての貴重なご意見をたくさんいただき、とても感謝いたしております。大変遅くなりましたがその結果をまとめましたので、ここにご報告させていただきます。なお、解説や注釈を入れると個人的な主観が入ると考え、具体的な数表を示させていただきましたので、皆様のご感想ご意見を伺うことが出来れば幸いです。
1. 地域別
(拡大画面:189KB)
|
|
2. 年代別
(拡大画面:90KB)
|
|
3. 施設別
(拡大画面:47KB)
|
|
4. 総計
(拡大画面:18KB)
|
|
|