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平成17年門審第37号
件名

漁船第3ちとせ丸漁船豊丸衝突事件

事件区分
衝突事件
言渡年月日
平成17年8月26日

審判庁区分
門司地方海難審判庁(清重隆彦,上田英夫,片山哲三)

理事官
濱田真人

受審人
A 職名:第3ちとせ丸船長 操縦免許:小型船舶操縦士
補佐人
a
受審人
B 職名:豊丸船長 操縦免許:小型船舶操縦士

損害
第3ちとせ丸・・・プロペラシャフト,同シャフト昇降機及びプロペラ3翼に曲損,船底全般に擦過傷
豊丸・・・右舷船尾外板に破口,のち廃船処分

原因
第3ちとせ丸・・・針路選定不適切,見張り不十分,船員の常務(衝突回避措置)不遵守
豊丸・・・灯火表示不適切,見張り不十分,船員の常務(衝突回避措置)不遵守

主文

 本件衝突は,第3ちとせ丸が,防波堤入口に向かう針路の選定が不適切であったばかりか,見張り不十分で,衝突を避けるための措置をとらなかったことと,豊丸が,法定灯火を適切に表示しなかったばかりか,見張り不十分で,衝突を避けるための措置をとらなかったこととによって発生したものである。
 受審人Aを戒告する。
 受審人Bを戒告する。

理由

(海難の事実)
1 事件発生の年月日時刻及び場所
 平成16年10月23日03時35分00秒
 福岡県苅田港
 (北緯33度47.98分東経131度00.75分)

2 船舶の要目等
(1)要目
船種船名 漁船第3ちとせ丸 漁船豊丸
総トン数 4.41トン 1.85トン
全長 12.12メートル 8.80メートル
機関の種類 ディーゼル機関 ディーゼル機関
出力 91キロワット  
漁船法馬力数   18
(2)設備及び性能等
ア 第3ちとせ丸
 第3ちとせ丸(以下「ちとせ丸」という。)は,昭和52年8月に進水した定置漁業及び1そうあみ浮びき網漁業に従事するFRP製漁船で,船体中央後部に機関室囲壁を,船尾部に長さ約1.5メートルの舵棒を備え,船尾から約3メートル前方の甲板上で操舵するようになっていた。
 灯火設備として,船体中央やや後部の甲板上に立てた高さ約2.0メートルのマスト頂部にマスト灯を,同マストの甲板上高さ約1.3メートルのところに両色灯をそれぞれ備えていたが,マスト灯については定置網の入れ替え作業時に邪魔になったことから取り外されていた。
イ 豊丸
 豊丸は,昭和55年10月に進水した刺網漁業に従事するFRP製漁船で,船尾部に長さ約80センチメートルの舵棒を備え,船尾から約1メートル前方で操舵するようになっていた。
 灯火設備として,両色灯を備えていたが,当時,同灯は故障していた。そして,右舷船尾部甲板上に立てたポールの海面高さ1.5メートルのところに,60ワットの白灯1個が点灯されていた。

3 事実の経過
 ちとせ丸は,A受審人が1人で乗り組み,1そう引きの浮き引き網漁を行う目的で,平成16年10月23日00時00分,苅田港磯浜町船だまりを発し,福岡県毛無島南方の漁場において操業を行い,あみえび約60キログラムを漁獲したのち,03時20分船首0.20メートル船尾0.33メートルの喫水をもって,同漁場を発進して帰途についた。
 A受審人は,両色灯を点灯し,機関室囲壁後部の上に設けられた風防ガラスに胸をあてた姿勢で,舵棒に足を乗せ目視で見張りにあたり,苅田港北方の,新松山埋立計画地(以下「埋立地」という。)の北側護岸に沿って約8.5ノットの対地速力(以下「速力」という。)で東進し,埋立地の北東角に至ったところで右転して新北九州空港連絡道路海上橋西端部の下を通過したのち,速力を11.0ノットに増速して埋立地東側護岸に設けられた幅約250メートルの切り通しへ向かった。
 03時31分半A受審人は,苅田港北防波堤灯台(以下港湾施設等については「苅田港」の冠称を省略する。)から021度(真方位,以下同じ。)1,120メートルの地点の,切り通しの北側寄りを通航し,針路を北防波堤先端の少し左方に向く198度に定め,同速力のまま,手動操舵で進行した。
 ところで,A受審人は,夜間,北防波堤の北側や南側で同防波堤に沿ってぼら囲い刺網漁を行う漁船がいることを知っていた。
 03時33分半A受審人は,北防波堤灯台から027度400メートルの地点に達したとき,北防波堤先端付近に向けて転針することとしたものの,同防波堤が自身の眼高よりも高いことから,同防波堤の南側を見通すことができない状況であり,同防波堤先端の陰から小型漁船などが現われると衝突の危険があったが,出港するとき同防波堤の近くで操業する漁船を見かけなかったことから,同防波堤先端至近を航過しても大丈夫と思い,同防波堤の南側を遠方から見通すことができるよう,針路を同防波堤先端から十分に離すなど,防波堤入口に向かう針路の選定を適切に行うことなく,同防波堤先端至近を右転しながら入航するつもりで,針路を同先端至近に向く203度に転じ,同速力で続航した。
 03時34分46秒A受審人は,北防波堤灯台から054度65メートルの地点に達したとき,右舷船首23度100メートルのところに,北防波堤先端から現われた豊丸の白1灯を認め得る状況となったが,苅田港南西部にある苅田港内工場群の陸上の灯火や,これらの明かりが海面に反射して前方が一段と明るくなっていたうえ,豊丸が紅灯を見せずに白1灯のみしか表示しておらず,同船の灯火を視認し難い状況となっていたものの,目を凝らして前路を見るなど,見張りを十分に行わなかったので,同船の存在に気付かないまま進行した。
 03時34分49秒A受審人は,豊丸が右舷船首25度80メートルのところに接近したとき,白1灯のみでは同船の動向は分からないものの,北防波堤に寄せてゆっくり東方に移動することから,同防波堤の近くで操業する漁船であろうと推認でき,自船が同防波堤先端付近を右転しながら通航すれば,同船と衝突の危険が生ずる状況となっていたが,依然として見張り不十分で,このことに気付かず,行きあしを大幅に減じて同船の動向を見守るなど,同船との衝突を避けるための措置をとることなく,同時34分52秒北防波堤灯台から080度40メートルの地点で,豊丸が右舷船首27度65メートルに接近していたものの,同船側に向けて右舵約30度をとった。
 03時34分55秒A受審人は,船首が230度を向いたとき,豊丸が白灯を消灯して無灯火としたことから目前に迫った同船を視認できず,同船に向けて右転を続け,ちとせ丸は,03時35分00秒北防波堤灯台から188度25メートルの地点において,船首がほぼ予定針路の263度を向いたとき,原速力のまま,その船首が豊丸の右舷船尾に前方から73度の角度で衝突した。
 当時,天候は晴で風はなく,視界は良好で月はなく,潮候は上げ潮の末期であった。
 また,豊丸は,B受審人が1人で乗り組み,ぼら囲い刺網漁を行う目的で,船首0.19メートル船尾0.20メートルの喫水をもって,同日02時10分苅田港井場川河口を発し,北防波堤付近の漁場に向かった。
 B受審人は,豊丸の両色灯が2箇月ほど前に故障し,電球を取り替えたが点灯しなかったことから,その状態のままとしており,夜間航行中,他船と遭遇すると衝突の危険が生じるおそれがあったが,白灯を表示していれば大丈夫と思い,同両色灯を修理して法定灯火を適切に表示することなく,右舷後部に白灯1個のみを表示して運航していた。
 ところで,豊丸の刺網の規模は,全長200メートル網丈6メートルであり,B受審人は,主として夜間に防波堤付近に集まるぼらなどを獲ることを常としており,平素,網を入れる手順は,網の先端を防波堤の沖約10メートルのところに入れたあと,船体を後進させながら防波堤と直角方向に網を約10メートル繰り出したところで90度転針し,残りの網を防波堤と平行に繰り出したあと,防波堤と網で挟まれた約20メートル幅の水面上を作業用ライトで照らしながら往復し,防波堤至近にひそむ魚を威嚇し網の方向へ追い立てるものであった。そして,航行中は右舷後部の白灯を点灯していたものの,投網するときは,魚を驚かさないようにするため,同白灯を消灯していた。
 02時30分ころB受審人は,北防波堤の中間部にあたる,北防波堤灯台から277度420メートルの地点で1回目の操業を終えたのち,平素,北防波堤先端付近にいる釣人とのトラブルを避けるため同先端付近から網を入れることはなかったが,このとき,釣人を見かけなかったことから,2回目の漁では,同防波堤先端付近から西方に向けて網を入れることとし,03時31分同地点を発進した。
 発進後,B受審人は,機関室囲壁上面の左側後部に腰掛け,左前方に半身の姿勢で,右手で舵棒を持ち目視で見張りにあたり,右舷後部に白1灯を点灯したのみで,両色灯を表示することなく,3.5ノットの速力で,北防波堤の中間部から30メートル離れたのち,03時31分わずか過ぎ北防波堤灯台から275度420メートルの地点で,針路を同防波堤と平行になる100度に定め,同速力で,手動操舵により,同防波堤に寄せて進行した。
 03時34分46秒B受審人は,北防波堤灯台から214度40メートルの地点で,予定としていた投網前の転針点まで5メートルに迫ったとき,左舷船首53度100メートルのところに,北防波堤先端から現われたちとせ丸の緑1灯を視認できる状況となったが,同防波堤の陰から同防波堤入口至近に向けてくる他船が存在するなど思いもよらず,投網地点に向ける操船に気をとられ,周囲の見張りを十分に行わなかったので,同船の存在に気付かずに続航した。
 03時34分49秒B受審人は,北防波堤灯台から206度35メートルの地点に達したとき,ちとせ丸が左舷船首51度80メートルに接近し,緑1灯のみしか見せていなかったものの,同船が北防波堤先端至近に向けて南下中であることが分かり,自船が灯火を適切に表示しておらず,同船が同先端を替わって入航のため右転すれば,衝突の危険が生じる状況であったが,依然として見張り不十分で,このことに気付かず,右転するなどして衝突を避けるための措置をとることなく,左舵45度として左回頭を開始した。
 03時34分52秒B受審人は,北防波堤灯台から197度35メートルの地点で,左転中,前方60メートルに接近したちとせ丸が自船に向けて右転を開始したことから,衝突の危険が生じたが,このことに気付かず,同時34分55秒北防波堤灯台から190度30メートルの地点で,船首が010度に向いて同灯台に向首したとき,機関のクラッチを中立とし,いつものように白灯を消灯したので,両色灯不表示で無灯火となり,投網するため操舵位置から立ち上がり,網を入れる左舷側を注視しながら船首側に移動を始めたところ,豊丸は,原針路及びほぼ原速力で,前示のとおり衝突した。
 衝突の結果,ちとせ丸は,プロペラシャフト,同シャフト昇降機及びプロペラ3翼に曲損,船底全般に擦過傷を生じたが,のち修理され,豊丸は,右舷船尾外板に破口を生じて機関室に浸水し,のち廃船処分された。

(航法の適用)
 本件衝突は,港則法が適用される苅田港において,夜間,入航するちとせ丸と港内を航行中の豊丸とが,防波堤入口の北防波堤先端付近で衝突したもので,適用航法について検討する。
 まず,防波堤入口又は入口付近で出会うおそれのある,出航船と入航船間の航法を定めた港則法第15条の適用について考察する。
 ちとせ丸は入航船であったが,豊丸は刺網漁を行う目的で港内を航行していたものであり,出航する船舶に相当しないと考えられることから,本条を適用するのは相当でない。
 次に,防波堤等の工作物の突端または停泊船舶の近くを航行する船舶の航法を定めた港則法第17条の適用について考察する。
 同条は,防波堤等の工作物の突端などによって,互いに他の船舶を視認することが困難な場所において,航行船舶同士の出会いがしらの衝突を防止するために,あるいは,衝突のおそれがある態勢になっても時間的,距離的に十分な余裕をもって衝突回避の措置がとれるように,同突端などを右舷に見て航行するときは,できるだけこれに近寄り,左舷に見て航行するときは,できるだけこれから遠ざかって航行するように規程したものである。
 本件では,ちとせ丸は北防波堤の突端を右舷に見て航行していたが,豊丸は北防波堤の突端を左舷に見て航行していたものではなく,防波堤入口の内側でぼら囲い刺網漁を行う目的で北防波堤に寄せていたものの,衝突の5秒前には同防波堤に対して直角に,その先端至近に向かって接近していたものであることから,本条を適用するのは相当でない。
 以上のほか,特別法である港則法には,本件に適用する航法がないので,本件は,一般法である海上衝突予防法で律することになるが,本件では,互いに相手船を視認し得る状況になったのは衝突の14秒前であり,また,衝突の危険が生じたのは,ちとせ丸が右転を開始した衝突の8秒前であり,衝突に至るまでの間がわずかな時間及び距離であった。また,灯火の表示が不適切な状況では,予防法上に適用すべき航法の規定もない。よって,同法第38条,第39条の船員の常務を適用するのが相当である。

(本件発生に至る事由)
1 ちとせ丸
(1)マスト灯を取り外していたこと
(2)11ノットで航行したこと
(3)北防波堤先端に寄せて航行したこと
(4)防波堤入口に向かう針路の選定が適切でなかったこと
(5)見張り不十分だったこと
(6)衝突を避けるための措置をとらなかったこと
(7)右転したこと

2 豊丸
(1)法定灯火を適切に表示していなかったこと
(2)北防波堤に寄せて航行したこと
(3)見張り不十分だったこと
(4)北防波堤の先端付近で左転したこと
(5)衝突を避けるための措置をとらなかったこと

3 その他
(1)北防波堤が基本水準面上5.5メートルと高かったこと
(2)豊丸の背景に苅田港内工場群の陸上灯火及び同灯火が海面に反射して一段と明るくなっていたこと

(原因の考察)
 本件は,ちとせ丸が,北防波堤の南側の状況を確認できる針路で防波堤入口に向かっていれば,北防波堤の南側を航行中の豊丸の白灯を遠方から視認することができ,衝突を回避できたものと認められる。
 したがって,A受審人が,出港するとき,北防波堤の近くで操業する漁船を見かけなかったことから,同防波堤先端至近を航過しても大丈夫と思い,同防波堤の南側を見通すことができない針路で防波堤入口に向かい,同防波堤の先端に寄せて通航し,見張りを十分に行わず,衝突を避けるための措置をとらず右転したことは,本件発生の原因となる。
 ちとせ丸が,11ノットで航行したことは,本件発生に至る過程で関与した事実ではあるものの,北防波堤の南側の状況を確認できる針路で航行していれば,同防波堤の南側を航行中の豊丸の白灯を遠方から視認することができたと認められることから,本件と相当な因果関係があるとは認められない。しかしながら,防波堤入口付近の水域であり,海難防止の観点から是正されるべき事項である。
 ちとせ丸が,マスト灯を取り外していたことは,本件発生に至る過程で関与した事実ではあるが,本件と相当な因果関係があるとは認められない。しかしながら,海難防止の観点から是正されるべき事項である。
 豊丸が,法定灯火を適切に表示していれば,早期に自船の存在及び動静をちとせ丸に認識させることができ,本件衝突は回避できたものと認められる。
 したがって,B受審人が,法定灯火を適切に表示していなかったこと,見張りを十分に行わず,衝突を避けるための措置をとらなかったことは,本件発生の原因となる。
 豊丸が,北防波堤に寄せて航行したことは,ぼら囲い刺網漁では通常あり得る状況としてやむを得ないことであり,法定灯火を表示していれば,本件衝突を避けることができたと認められるので,本件発生の原因とならない。しかしながら,同防波堤先端付近をこれに寄せて東行することは,海難防止の観点から是正されるべき事項である。
 豊丸が,北防波堤先端付近で左転したことは,ぼら囲い刺網漁ではあり得る状況であり,本件発生に至る過程で関与した事実であるものの,法定灯火を表示していれば,本件衝突を避けることができたと認められるので,本件発生の原因とならない。しかしながら,他船から北防波堤の南側を見通すことができない防波堤先端付近では,他船と出会いがしらに衝突するおそれがあることから,同先端付近から離れて操業するなど,海難防止の観点から是正されるべき事項である。
 北防波堤が基本水準面上5.5メートルと高く,同防波堤の南側を見通すことができなかったことは,通常あり得る状況としてやむを得ないことであり,本件発生の原因とならない。
 豊丸の背景に苅田港内工場群の陸上灯火及び海面反射光があったことは,本件発生に至る過程で関与した事実であるものの,豊丸が法定灯火を適切に表示していれば,同灯色が陸上灯火と異なることから船舶の灯火であることや,同船の動静を容易に判別できたものと認められることから,本件発生の原因とならない。

(海難の原因)
 本件衝突は,夜間,福岡県苅田港において,ちとせ丸が,入航する目的で同港北防波堤の外側を南下する際,防波堤入口に向かう針路の選定が不適切で,同防波堤先端の至近に寄せて通航したばかりか,見張り不十分で,衝突を避けるための措置をとらず右転したことと,豊丸が,刺網漁を行う目的で同防波堤先端付近を東行中,法定灯火を適切に表示しなかったばかりか,見張り不十分で,衝突を避けるための措置をとらなかったこととによって発生したものである。

(受審人の所為)
 A受審人は,夜間,福岡県苅田港において,入航する目的で同港北防波堤外側を南下する場合,同防波堤の南側を見通すことができない状況であったから,同防波堤の陰になった小型漁船などを遠方から見通すことができるよう,針路を同防波堤先端から十分に離すなど,防波堤入口に向かう針路の選定を適切に行うべき注意義務があった。しかるに,同人は,出港するとき同防波堤の近くで操業する漁船を見かけなかったことから,同防波堤先端至近を航過しても大丈夫と思い,防波堤入口に向かう針路の選定を適切に行わなかった職務上の過失により,同防波堤の南側を見通すことができない針路で進行して衝突を招き,ちとせ丸のプロペラシャフト,同シャフト昇降機及びプロペラ3翼に曲損並びに船底全般に擦過傷を,豊丸の右舷船尾外板に破口を生じて機関室に浸水をそれぞれ生じさせるに至った。
 以上のA受審人の所為に対しては,海難審判法第4条第2項の規定により,同法第5条第1項第3号を適用して同人を戒告する。
 B受審人は,夜間,福岡県苅田港において,ぼら囲い刺網漁を行う場合,法定灯火を適切に表示すべき注意義務があった。しかるに,同人は右舷後部に白1灯を点灯しているので大丈夫と思い,両色灯故障で法定灯火を適切に表示しなかった職務上の過失により,ちとせ丸との衝突を招き,両船に前示の損傷を生じさせるに至った。
 以上のB受審人の所為に対しては,海難審判法第4条第2項の規定により,同法第5条第1項第3号を適用して同人を戒告する。

 よって主文のとおり裁決する。


参考図1
(拡大画面:19KB)

参考図2
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