第5章 電気・電子・高周波計測の基礎
長さの単位はメートル、m、質量の単位はキログラム、kg、のように電圧の単位にボルト、V、電流の単位に、アンペア、A、として電気の量にも単位が用いられる。単位系には大きさの単位と性質(次元)が国際的に規定される。単位系の始めは電気量間に作用するクーロンの電気力の法則から規定されるcgs静電単位系(c.g.s.e.s.u.)と磁気量間に作用するクーロンの磁気力の法則から規定されたcgs電磁単位系(c.g.s.e.m.u.)とから表5・1に示すように順次変化されて現在の国際単位系(SI単位系)になった。
表5・1 電気単位系の変遷
国際単位系またはSI単位系は電磁単位系を基礎とした世界共通な単位系でわが国では1967年7月1日から施行された。表5・2に国際単位系を示す。(a)は基本単位で長さ、質量等5つの量で構成される。(b)は電気に関係した量を含む組立単位である。それぞれの量の単位名と記号(次元)も示した。表5・3は量の大きさを変換するための接頭語である。103はキロ、kのように大きさの名称が変わる。
表5・2 国際単位の量、単位の名称と記号
(a)基本単位
量 |
単位 |
記号 |
長さ |
メートル |
m |
質量 |
キログラム |
kg |
時間 |
秒 |
s |
電流 |
アンペア |
A |
熱力学的温度 |
ケルビン |
K |
物質量 |
モル |
mol |
光度 |
カンデラ |
cd |
|
(b)組立単位
量 |
単位 |
記号 |
面積 |
平方メートル |
m2 |
体積 |
立方メートル |
m3 |
周波数 |
ヘルツ |
HZ |
密度 |
キログラム毎立方メートル |
kg/m3 |
速さ |
メートル毎秒 |
m/s |
角速度 |
ラジアン毎秒 |
rad/s |
加速度 |
メートル毎秒毎秒 |
m/s2 |
角加速度 |
ラジアン毎秒毎秒 |
rad/s2 |
力 |
ニュートン |
N、kg・m/s2 |
圧力 |
ニュートン毎平方メートル |
N/m2 |
粘度 |
ニュートン秒毎平方メートル |
Ns/m2 |
動粘度 |
平方メートル毎秒 |
m2/s |
仕事、エネルギー、熱量 |
ジュール |
J、N・m |
仕事率 |
ワット |
W、J/s |
電気量 |
クーロン |
C、A・s |
電圧 |
ボルト |
V、W/A |
電界の強さ |
ボルト毎メートル |
V/m |
電気抵抗 |
オーム |
Ω、V/A |
静電容量 |
ファラド |
F、A・s/V |
インダクタンス |
ヘンリー |
H、V・s/A |
磁束 |
ウエーバー |
Wb、V・s |
磁束密度 |
テスラ |
T、Wb/m2 |
磁界の強さ |
アンペア毎メートル |
A/m |
起磁力 |
アンペア |
A |
光束 |
ルーメン |
lm |
輝度 |
カンデラ毎平方メートル |
cd/m2 |
照度 |
ルクス |
lx、lm/m2 |
放射能 |
毎秒 |
g-1 |
|
表5・3 接頭語
倍数 |
名称 |
記号 |
倍数 |
名称 |
記号 |
1018 |
エクサ |
E |
10-1 |
デシ |
d |
1015 |
ペタ |
P |
10-2 |
センチ |
c |
1012 |
テラ |
T |
10-3 |
ミリ |
m |
109 |
ギガ |
G |
10-6 |
マイクロ |
μ |
106 |
メガ |
M |
10-9 |
ナノ |
n |
103 |
キロ |
k |
10-12 |
ピコ |
p |
102 |
ヘクト |
h |
10-15 |
フェムト |
f |
10 |
デカ |
da |
10-13 |
アト |
a |
|
|