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4・5・3 衛星EPIRBに使用されている符号
 図4・9に406MHz極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識(衛星EPIRB)に用いられている送信信号の構成を示す。
 
図4・9 406MHz衛星EPIRB送信信号の構成
(1)メッセージのフォーマットの警報
"0"は短いメッセージを示す
"1"は長いメッセージを示す
(2)プロトコル(前置符号)の警報
(3)MID(海事識別符号)のコード
(4)データ文
 
 25ビット目〜85ビット目の61ビット間に情報が含まれるので次の86ビット〜106ビットの21ビットに誤り訂正用BCH符号を付け加える。
 BCH符号はボーズ、チャドリイとオケンジエムBose、Chadhuri and Hoquengemの3人の発明者の頭文字から名前が付けられた。BCH符号はハミング符号をより高度化して訂正能力を向上させたブロック訂正符号である。BCH符号は2つ以上の生成多項式を組合せて誤り検出をするので複数ビットの誤りを検出して自動的に訂正できる。
 
図4・10 406MHz衛星EPIRB用BCH符号の構成
 
 図4・10にBCH符号の構成を示す。誤りを検出する生成多項式G(X)は
 
G(X)=G1(X)・G2(X)・G3(X) (4・16)
 
3つの生成多項式の積で作られる。
 
G(X)= (X7+X3+1)(X7+X3+X2+X+1)(X7+X4+X3+X2+1) (4・17)
 
となるのでG1、G2、G3の3つの割算を行い、それぞれの余り、R1、R2、R3、の符号の組合せで誤りのビットを見いだすことができる。3つの生成多項式でチェックするので、受信符号中の3ビットまでの誤り訂正と4ビットまでの誤りの検出ができる。すなわち
 
 
をそれぞれ計算する。3つ余りが0となり割り切れるときは誤りがない。余りは2進符号で示され、3つの余りの組合せにより対応する3ビットまでの誤り訂正ができる。パリティチェック符号と組合せると4ビットまでの誤り検出が可能となる。
 余りの符号の組合せと受信符号中の誤りビットの位置関係は予めデータベースとして記憶装置に入れておき照合することから誤りビットの位置を知ることができるので誤りのビットを1→0、0→1に反転して訂正ができる。
 
4・6 通信ネットワーク
4・6・1 ネットワークの構成
 インターネットは世界中を電話回線で結ぶ大型のネットワークである。1つの送信機と1つの受信機を結ぶ通信回線から複数の通信回線を自由に結ぶネットワークが急速に普及してきた。情報内容も音声、データ、画像等のマルチメディアを種々の伝送速度で取り扱える。有線と無線回線が接続されて移動体と家庭を結ぶ通信までが可能となった。
 通信ネットワークを発展させた主な技術はデジタル化とコンピュータの導入による高度な通信ソフトウェアによるものである。
 図4・11に移動体通信の分類を示す。
 
図4・11 移動体通信の主な分類
 
 図4・12にサービス統合デジタルネットワークISDNの概念図を示す。
 
図4・12 ISDNの概念図
 
 マルチメディア情報をすべてデジタル化することにより一本の光ケーブルなどの同じ回線で通信が行えるのが世界共通のISDN(NTTではINSと呼ぶ)である。
 相手と情報のやりとりをする通信手順が必要となりこれをプロトコルと呼ぶ。
 
図4・13 プロトコルの階層
(拡大画面:60KB)
 
 プロトコルは図4・13に示すように、階層は下位から上位の1〜7に分けられる。1はフィジカルレイヤ(物理層とも呼ぶ)で右の具体的応用例に示すRS-232C、モデム・インターフェイスのような通信に必要なハードウェアを使用するための通信手順を示す。プロトコルの階層は国際的にITU-Tで規定しているので世界共通な通信が行える。







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