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5・4・3 整備記録の作成等
 装備者叉は整備者は、船舶自動識別装置に接続されているGPS受信機について、船舶自動識別装置等 整備記録/船舶自動識別装置等 試験成績表(様式:AIS等)の別紙「外部GPS試験成績表(AISに接続されるものに限る)」を3部作成し、管海官庁あるいは日本海事協会並びに船舶所有者に各1部提出し、残り1部を事業場の記録として保管する。
 
(拡大画面:147KB)
 
補足説明
1: 電源装置の代替電源の確認は有る場合のみ実施する。
2: 第1種GPSはディファレンシャル機能が備わっていれば必ずしもディファレンシャル受信機の装備を要しない。
3: 測位精度の計算
 以下の様に定義する。
 
<アンテナ位置(緯度経度)の実測値>
Xr: 緯度の実測値、分単位
Yr: 経度の実測値、分単位
N: 全測位回数
 
<GPS受信機の(緯度経度)測位置>
Xn: 緯度の測位値、分単位 nは1からNまで
Yn: 経度の測位値、分単位 nは1からNまで
 
Xa=(ΣXn)/N 緯度の平均測位値、分単位 nは1からNまで
Ya=(ΣYn)/N 経度の平均測位値、分単位 nは1からNまで
 
△Xn=(Xn-Xr)×1852 緯度の測位誤差、m単位 nは1からNまで
△Yn=(Yn-Yr)×1852×cos(Xn×π/180) 経度の測位誤差、m単位nは1からNまで
但しこのXnのみ単位は度である。
とすると
直距離の測位誤差△Lnは
 
△Xa=(Σ△Xn)/N 緯度の平均測位誤差、m単位 nは1からNまで
△Ya=(Σ△Xn)/N 経度の平均測位誤差、m単位 nは1からNまで
 
とすると
測位精度2drms(2 distance rout mean squared)は
 
で計算される。 (計算式はNK測位精度証明試験基準に準ずる)
 
4: 測位精度判定基準
2種類の判定基準がある。
・良好測位確率:100回以上の測位データの個々の直距離の測位誤差△Lnを計算し、測位精度判定基準以内に入っているデータの回数Gと全測定回数Nとの比率を求める。
95%以上であれば良好と判定。
・2drms:前項注3の計算式より求めた95%誤差円の大きさが
GPSの場合は100m以内
DGPSの場合は10m以内
であれば良好と判定。
原則的には両方共満足していることを確認する。
但し、以下の場合にはその一方を省略できる。
明かに測位のばらつきが少ない場合は2drmsの計算を省略し、良好測位確率のみで判定しても差し支えない。
十分な精度をもって実測することができない場合は良好測位確率の意味が無いので、2drmsのみで判定しても差し支えない。
 
(社)日木船舶電装協会
 
第5章 練習問題
問1. GPS衛星に関する下記の文章の空欄に、選択肢から適切な数値を選択し解答欄にその記号を記入せよ。
 
 GPSは高度約((1))kmの((2))つの軌道上をそれぞれ((3))個の衛星が約((4))時間周期で周回しており、予備衛星を除き((5))個で完全なシステムである。
 
選択肢 ア 1,000 イ 10,000 ウ 20,000
エ 1 オ 4 カ 6
キ 8 ク 10 ケ 12
コ 24 サ 36 シ 48
 
解答 (1)[ ] (2)[ ] (3)[ ] 
(4)[ ] (5)[ ]
 
問2. GPSアンテナ又はアンテナケーブルを装備する時の注意点を2つ述べよ。
 
問3. GPSの測位精度に関する記述の文章の( )内に、下記の選択肢から適切な番号を選択し、その番号を記入せよ。
 
 GPSの測位精度は受信点から見た衛星の( )に影響される。受信点から見たそれぞれの衛星の方向が( )いれば精度が良くなり、( )いれば精度は悪くなる。衛星の配置状態によって決まる測位精度の劣化をDOP(測位精度劣化係数)といい、2次元(緯度経度)の測位精度劣化係数を表すときに( )、3次元(緯度経度高さ)の測位精度劣化係数を表すときに( )といいわけることがある。
 
選択肢 (1)PDOP (2)SDOP (3)HDOP
(4)まんべんなく散らばって (5)1方向に集まって
(6)アルマナックデータ (7)幾何学的配置
 
問4. GPS受信機の整備基準に関する下記の文章について、( )内に、選択肢から適切な番号を選択し、その番号を記入せよ。
 
 GPS受信機の「信号処理部(演算表示部)の表示内容の確認」において、その判定基準は
(1)世界測地系(WGS-84)の緯度経度により最低( )単位で位置を測定することができ、( )とともに表示できること。
(2)測地系を変換している場合は( )が行なわれていること及び使用している( )を表示していること。
 
選択肢 (1)協定世界時 (2)測地系 (3)座標変換
(4)世界測地系(WGS-84) (5)1000分の1分
(6)10000分の1分 (7)日本標準時 (8)日本測地系
 
問5. DGPSビーコンアンテナを設置する時、その配置についての注意点を2つ述べよ。


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