4・5 GMDSSに使用されている誤り訂正符号
デジタル選択呼出し、DSC符号は10ビット(単位)符号で、7ビットが情報ビット、3ビットが誤り検出ビットで構成されている。周波数偏位変調により1を低い周波数で変調して記号Yで示す。0を高い周波数で変調して記号Bで示す。MF、HF帯ではB=1700+85=1785Hz、Y=1700-85=1615Hzである。
表4・1にDSCにおける符号の一覧表を示す。シンボル番号00〜127の符号が情報内容により割り当てられている。番号00の符号について構成を説明すると
ビット位置、 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
符号番号00: 記号、 |
B |
B |
B |
B |
B |
B |
B |
Y |
Y |
Y |
符号 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
情報ビット1〜7はすべて0で、0が7ビットある。8〜10は誤り訂正ビットですべてが1で、111は2進法で、10進法の7である。訂正ビットは情報ビットの0の数を2進法で示している。情報ビット1〜7の符号0の数が7つあるので訂正用ビット8〜10で2進法に示されている。受信側で訂正ビットから送られた情報ビットの0の数を検査することができる。
10ビットの符号ブロックで誤りを検出するのでこの方法はブロック符号の一種といえるが誤りのビットを検出できないのでDSCでは一方向誤り検出、FECと組合せる。
表4・1 DSCにおける誤り検知コードの構成
(拡大画面:121KB) |
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DSCで用いる10単位の誤り検知コード表4・1の読み方を示す。Bは0、Yは1、のビットにそれぞれ対応する。1〜7ビットが情報ビットI(X)、8〜10ビットが誤り検出用ビットR(X)となる。1〜7ビットは左から符号を→に読み取り、8〜10ビットは逆向きに右から左に←向きに符号を読み取る。符号番号01を考えると
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I(X)→ ←R(X) |
01: |
Y |
B |
B |
B |
B |
B |
B |
|
Y |
Y |
B |
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1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
1 |
1 |
0 |
R(X)は2進法で110であるが、10進法では6となるのでI(X)には0が6ビットあることを示している。I(X)の1は符号番号01に対応している。00〜99まではI(X)が符号番号を表している。100〜127はそれぞれ特別の情報を持っている。例えば、112番は遭難信号である。
図4・7にDSC信号の構成を示す。ドットパターンは信号送信の始まりを示す。RX/DXはデジタル同期用符号、A〜Gが情報送信符号となる。Gの次の情報は遭難呼出しのときだけ送信する。DSC信号を順次送り出すときは一方向誤り訂正FEC方式により図4・8のような時間順序で送信される。上部の本文と下部の反復文を交互に10ビット、100ms単位で送信するので、4文字、400ms遅れた時間に同じ文字を反復して送信する。
図4・7 DSC信号の構成
(注) |
(*) |
: |
遭難呼出しでは不要 |
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(**) |
: |
遭難呼出しの場合に限る(E、F、G、に代わる) |
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(1単位) |
: |
10bit |
|
(DX/RX) |
: |
各信号はtime spreadモードで2回送信され、DXは第1回送信を示し、RXは再送信を示す。 |
◎ |
遭難呼出しではB、C、がなく、E、F、G、に代わって遭難の種類1シンボル、遭難座標5シンボル、同時間2シンボル及び通信制御情報1シンボルが入る。 |
◎ |
局の識別符号は9桁の数字で構成されている。 |
図4・8 DSC信号送信の時間順序(シーケンス)
(拡大画面:20KB) |
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図4・8のDXは第一同期符号で、表4・1の125番の符号とする。DXは6回送信される。RXは第2同期信号で、RX0〜RX7の符号は表4・1の符号番号によって順次、111、110、109・・・104、の6種類の符号を送信する。Aは呼出し信号で、遭難呼出し112、全船呼出し116、のように呼出し方に対応して表4・1から符号を選択して送信される。Bは情報信号である。FEC誤り検出により5文字後に同じ文字が反復して送信される。
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