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 2.6.2 簡便な灯数決定法 
 光束法による照度計算では、いろいろの条件、係数を決める必要があり、急ぎの見積設計等では、手間がかかるので、W/m2から必要灯数を求める簡便法を利用するとよい。 
 即ち、室の寸法やデッキの高さが普通のものであれば、実績船での平均照度、どの程度のW数の灯具を何個取付けたかを記録、整理しておくことにより、簡単に目安程度の必要灯数を求めることができる。 
 目安としての必要灯数の求め方は、次のとおりである。 
  
  
 表2.23はその一例を示す。 
  
表2.21 光源を選ぶおもな目安 
| 光源 | 
効率経済性 | 
発生熱 | 
演色性 | 
おもな用途 | 
 
| 電球 | 
よくない | 
多い 
60cal/1m-h | 
忠実ではないが感覚的によい | 
点滅の多い場所、使用時間少ない場所、暖色が望まれる場所 | 
 
| 蛍光ランプ | 
標準形 | 
よい | 
少ない 
15cal/1m-h | 
DL形より劣る | 
一般内部通路など | 
 
透明形 
DL形 | 
標準形より劣る | 
よい | 
演色性が問題になる場所 | 
 
| 水銀ランプ | 
透明形 
HF形 | 
よい | 
DLよりやや多い | 
よくない 透明形よりややよい | 
甲板照明、機関室全般照明など大容量を要する場所 | 
 
 
 | 
 
 
  
表2.22 減光補償率 
| 灯具 | 
装備場所 | 
減光補償率 | 
保守率 | 
 
| 蛍光灯 | 
居住区及び暴露甲板 | 
1.3 | 
0.77 | 
 
| 機関室、ボイラ室及び補機室 | 
1.5 | 
0.67 | 
 
| 調理室(厨房) | 
1.7 | 
0.59 | 
 
| 白熱灯 | 
居住区及び暴露甲板 | 
1.2 | 
0.83 | 
 
| 機関室、ボイラ室及び補機室 | 
1.3 | 
0.77 | 
 
| 調理室(厨房) | 
1.5 | 
0.67 | 
 
 
 | 
 
 
  
表2.23 灯数決定の目安となるW/m2(蛍光灯の場合) 
平均照度 
(Lx) | 
単位床面積あたりワット数(W/m2) | 
 
| 埋込形器具 | 
グローブ付器具 | 
グローブなし器具 | 
 
| 50 | 
2.5 | 
2.2 | 
2 | 
 
| 100 | 
5 | 
4.5 | 
4 | 
 
| 150 | 
7 | 
6.5 | 
6 | 
 
| 200 | 
9.5 | 
9 | 
8 | 
 
| 250 | 
12 | 
11 | 
9.5 | 
 
| 300 | 
14.5 | 
13.5 | 
11.5 | 
 
 
 | 
 
 
  
〔参考〕 
 光束法による灯数決定法を参考として次に示す。 
  
  
ただし 
| N:  | 
灯数 | 
 
| E:  | 
平均水平面照度(1x) | 
 
| A:  | 
室面積(m2) | 
 
| U:  | 
照明率 | 
 
|   | 
=作業面上に到達する光束Fiとランプから放射する全光束Frとの比 | 
 
| F:  | 
ランプ1個の全光束(1m) | 
 
| M:  | 
保守率 | 
 
|   | 
=減光補償率の逆数 | 
 
 
  
 なお、実際に照明率Uを求める場合には次式で求める場合には、室内各面(天井及び壁)の反射率をメーカーへ連絡し、照明器具の形式によって決まる照明率Uをメーカーから入手する。 
 この際、室内各面の反射率は実績を参考にしながら推定する必要がある。 
  
  
ただし 
X: 室の間口(m) 
Y: 室の奥行(m) 
H: 作業面上光源までの高さ(m) 
  
2.6.3 投光照明 
 上甲板上の照明などに投光器が使われるが、荷役などの作業をする場所は201x以上、作業のため通行する場所は81x以上の照度が要求されている。(ILO) 
 なお、米国へ行く船の場合は海洋汚染防止の観点からUSCGにより下記の照度が要求されているので注意を要する。 
各種油管の陸上との接続場所 
5FOOT-CANDLES(54lx) 
各種油管の操作場所 
1FOOT-CANDLES(10.81x) 
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