(4)国内・外の関連規格等
船舶の電気設備や装置の性能基準などには、関連する規格・標準の引用がなされているものも多い。関連する主な国内規格を表2.4に、国際規格を表2.5に、外国規格等を表2.6に掲げておく。
表2.4 船舶電気関係の国内規格・標準
略称 |
正式名称 |
内容 |
事務局 |
JIS |
日本工業規格 |
工業標準化法に基づいて通商産業省内の日本工業標準調査会が、調査審議し、政府が制定する国家規格 |
工業技術院標準部
頒布:日本規格協会(日本船舶標準協会;JISF規格集) |
JEC |
電気学会電気規格調査会
標準規格 |
電気学会に設置されている電気規格調査会によって審議し制定される団体規格 |
電気学会 |
JEM |
日本電機工業会
規格 |
日本電機工業会の技術委員会で審議し、制定された団体規格 |
日本電機工業会 |
JCS |
日本電線工業会
標準規格 |
日本電線工業会が審議し制定する団体規格 |
日本電線工業会 |
JMS |
日本船舶標準協会
標準規格 |
日本船舶標準協会が審議し制定する団体規格 |
日本船舶標準協会 |
NDS |
防衛庁規格 |
防衛庁の制定する規格 |
技術研究本部
頒布:防衛装備工業会 |
SBA |
電池工業会規格 |
電池工業会が審議し制定する団体規格 |
電池工業会 |
SM |
日本舶用工業会標準 |
日本舶用工業会が審議し制定する団体規格 |
日本舶用工業会 |
ENC |
航海用電子海図 |
海上保安庁が作成する海図 |
海上保安庁水路部
頒布:日本水路協会 |
ERC |
航海用電子参考図 |
日本水路協会が海上保安庁の許可を得て作製する海図情報 |
日本水路協会 |
|
表2.5 国際規格
略称 |
制定機関等 |
備考 |
IEC |
国際電気標準会議
(International Electrotechnical Commission) |
IEC Pub. No.92
(ISOの専門機関の一つ) |
ISO |
国際標準化機構
(International Standard Organization) |
(電気関係以外の規格統一) |
IHO |
国際水路機関
(International Hydrographic Organization) |
(電子海図用の記録フォーマットなどの統一) |
|
表2.6 外国規格等
略称 |
制定機関等 |
備考 |
MIL |
Military Specifications and Standard |
米軍の使用する装備品、軍用品について定めた規格 |
UL |
米国保険研究所
(Underwriters' Laboratories INC) |
Electrical Department |
IEEE |
米国電気・電子学会
(The Institute of Electrical and Electronics Engineers) |
IEEE Std 45
耐延焼性ケーブルなどの試験検定 |
NEMA |
米国電気製造事業者連合会
(National Electrical Manufacturers Association) |
|
NMEA |
米国舶用電子機器連合会 |
航法や通信等の機器のインターフェイスの手順、条件を定めている |
IES |
米国照明技術協会
(Illumination Engineering Society) |
|
BS |
英国国家規格
(British Standards Institution) |
|
IEE |
英国電気工業会
(The Institute of Electric Engineers) |
Regurations for the Electricl and Electronics Equipment of Ships |
DIN |
ドイツ国家規格
(Deutche Narmenausschus) |
Deutsches Institut fur Normug |
CSA |
カナダの国家規格
(Canadian Standards Association) |
|
VDE |
(Verband Deutche Electrotechniker) |
ドイツの団体規格 |
DSI |
(Netherland(Dutch)Shipping Inspectrate) |
オランダ検査機関 |
|
2.1.2 一般的要求性能
船で使用される電気機器、ケーブル、その他の材料は装備場所の環境に応じて適当な形式のものを選定し、また、電気的諸問題に対しても十分な考慮を払わなければならない。
上記の諸問題としては、温度、湿度、振動といった船特有の環境条件が陸上のそれと比べて苛酷であり、そのような場所に装備する電気機器は設計、製作、試験の段階でそれなりの対策を考慮しておかなければならないということである。
環境条件に対する規定は、船級協会規則にもとりあげられ、機器はそのような環境にさらされても十分な機能を発揮しなければならないとされている。そのために各メーカでも環境試験を実施し、信頼性のある機器の製造につとめているが、機器の性能を十分発揮させるためには船内での取付け、艤装が正しく実施されなければならない。
船内における電気機器の取付け、艤装方法については、別の指導書によることとし、ここでは、陸上と異なる環境条件の項目のみを列挙しておく。従って、一つの機器を選定するにも、その場所の環境条件がいかなるものかを考慮すれば、その機器に対する保護形式、艤装方法がおのずから定まるであろう。
船舶における環境条件で考慮すべき項目を次に列記するが、その内容については電気機器編を参照のこと。
(1)周囲温度
(2)湿度
(3)船体の動揺及び傾斜
(4)振動
(5)外被保護形式
(6)電源変動
(7)無線通信及び通話の障害
(8)外部磁界の影響
(9)じんあい
(10)電気機器の絶縁距離
(11)かび
(12)海水ひまつ、酸霧、油霧など
(13)危険場所
2.1.3 設計の手順
設計の手順は、建造契約のあり方、造船所の組織などにより多少の相違はあるがおおむね次による。
(1)電源の種類、容量及び数量の決定。
(2)主要電気機器の種類、容量及び数量の決定。
(3)電圧及び配電方式の決定。
(5)工事方法の選定。
(6)主電路の設計。
(7)各装置の配置及び系統。
(8)機器及び材料の選定。
(9)注文仕様書の作成。
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