日本財団 図書館


9)九州・海ネットワーク2005(鹿屋市、宇土市、伊万里市)の活動について
下津公一郎 鹿児島県鹿児島市 NPOさつま代表
 
 鹿児島から参りました下津です。九州の18の市町村に呼びかけ、SOFの御提案の海洋貢献活動をみんなでネットワークしてみよう、ということを提案致しまして、今進んでいますので、そのことを報告します。この背景の中に、2004年日本ぐるっと一周海交流ということで、日本国中をリレー形式でいろんな海の町のひとが参加しながら、日本を一周してみようよ、という企画がありまして、この日本の海をもっと活用したいと願う人や、海同志の交流を活発にしたいと願う人、海の環境問題を解決したいと願う人、海で子供達を遊ばせたいと願う人、そういうことに賛同した人が参加しまして、約4ヶ月かけて、日本を一周しました。その中で私は九州のいろんな地域を結ぶ役目として事務局を担当いたしまして、そこで、いろんな九州の海の町の人たちと出会いました。地域作りをやっている人とか、海の活動をやっている人とか、様々な人に出会いました。その中で、生まれたのがひとつのネットワークです。沖縄まで含めて、石垣島まで行ったのですが、この中で、持っている問題は様々であるが、だいたい共通したものを皆さん解決していきたいということが一番大きな共通点で無かったかなと思っております。
 その中でSOFの提案がありまして、せっかく出会ったそういう人が知り合ったものを何かもうひとつのテーマで手を合わせて社会の問題を解決できないかなあという事で、ぴったりの事業がSOFの提案の事業でした。それで、この事業をそれぞれの町の知り合った仲間に御提案したところ是非やりたい、ということが生まれまして、今継続中ですが、先日鹿児島県の枕崎、加世田市、鹿屋市、熊本県の宇土市、佐賀県の伊万里市とやってきているのですが、同じ問題を抱えていると言うことは、同じ県の中でも、まだまだ沢山の人達が何かきっかけがあれば、いろんなことをやりたい、と言う人が多いのですが、このテーマが見つからないのですね。みんなで共同でやる、ということが見つからないのですね。これをネットワークというひとつの連携をしながら、1つずつ足もとのことをまず実践してみるということが、今回の事業の中で取り組んだことです。こういう中で一番重要なのは、もちろん、こどもから大人まで、高齢者の方まで参加しながら、地域ぐるみで取り組む体制がどんどん出来あがるということしかない、と思うのです。足もとのゴミをひろっても、また、隣りのところから流れてくるとか、そういうことを防ぐためにも意識の高い環境の問題がものすごくひどくなっている現状ですが、こういう問題を解決していくためにはどうしても人の力しかない、ひとが手を取り合って、一斉に実施して行くと本当に少しずつきれいな山とか、川とか、海とかが生まれてくるでしょうし、こういう一体となった取り組みが必要で無いかと思います。
 沖縄まで入れて九州8県で、ネットワークをして、今後、取り組んだ町がまた隣りの町に伝えて行く、そういう細かい作業になっていくように、まず、知り合った仲間達がその県で広げて行くということで、今、18の町が賛同したところです。これが、今後広がっていくように私共もやっていきたいと思っています。
 これは、熊本の宇土マリーナから丁度雲仙岳が見える対岸のところで海岸ゴミ拾いをしまして、これは、全国で行われたものと全く一緒なのですが、循環型の社会について、子供たちに学んでいただく。これは非常に子供たちに人気がありまして、今も大事に育てています。生き物の育つ大事さを学んでいます。
 九州海ネットワークがめざすものということで、海は人を鍛え、育て、元気にする。海から日本を変え、日本を再生しよう。こういうスローガンを抱えて、共通の課題、問題を共有しています。やはり、共有しないと行けないと思います。そして、連携して、問題の解決にあたる。ひとつの町だけでは、どうしても解決できないし、それが、連携して問題の解決にあたる。そういう意味では人のネットワークがとても大切である。人と人とが交流を深める、人と海とが付き合うための海の交流拠点、海の駅のネットワークを作る、これは同時に進めていますが、海の駅という拠点があることによって、人が集まりやすい。そういう同時に海の駅を全国に作りながら、海の駅の仲間達が共通の問題を共有しながら解決していく、という事であります。それと、子供たちに海を体験させ、元気な子供に育てる。やはり、それを我々の世代がしないといけない。次の世代、子供たちに、知ってもらいたいことを我々が残す努力をしないといけない。海の町、山の町の交流を深める。先ほどから何回も出ていますが、海山の交流が非常に大切だと言うことです。
 それから、新しい時代の始まり。地域づくり読本、これは10何年前に出された本なんですが、この10何年前にだされたことが、まさにまだ、今から大事なことになっている。本当に今は地球時代ということですが、先程からの発表の中でも、地球規模で物を考える時代、足もとの小さなことをしながら、地球規模の視野で物を見ることが非常に大切である、と東南アジア、韓国、中国からゴミが流れて来たり、反対に日本の物も流れて行っている可能性もありますし、やはり、アジアとも連携しながらこういう問題を考えて行く、これは非常に大切です。もう足元にそういうものが転がっているわけです。これが非常に大切だと考えています。
 お互いの文化を理解しあったり、そういうものから問題の解決にあたる。それと、自然再認識の時代。大量消費、大量廃棄型の社会は、これまで、自然を随分侵してきました。これを回復して、創出し、健全な姿で次の時代に残して行く、ということを皆が真剣に考える時代に来ているのだと思います。それと、少子高齢化という時代になると特に人的交流や、地域間の連携がますます重要になってくる。こういうことをしていかないと、地域の産業も、環境問題も解決していかないのではないか。新地方の時代。地方分権が叫ばれて久しいですが、なかなか進まなかったり、今、地方の人が自立しながら、自分達が自立して行くのだ、と言う考え方が住民の側に必要で、そういうものが生まれて、初めて地方分権が可能になる。自立して行くということが大切であるのではないでしょうか。それは、住民自らが立ち上がる、ということだと思います。そういうものをひとつひとつやっていきたいと思っています。
 本格的な高度情報化の時代。情報も非常に手に入りやすくなっています。そう言う意味では国際的にも、いろんな連携がとれて行くでしょうし、日本国内でもまだまだ連携がとれていません。先程の「にほんぐるっと海交流」をやって、北海道の人とも仲間になれました。東北の人達とも仲間になれました。やはり、何回か会議で会う間、そして、お酒を飲んでいろんなことを語り会えば、やはり仲間として、海を思う仲間として、声をかけたときに、じゃあ、一緒にやりましょう、という言葉がすぐに出てくる。こういう情報化の時代ですから、連絡のとりやすい時代になりました。今、とりくんでいるですが、私共の鹿児島県に吹上浜というきれいな砂の祭典がありましたが、この浜もほとんど松食い虫にやられて、殆ど松が枯れました。今、それの再生事業、一万本毎年植えたりとか、そういうことをやっています。それと、こういうものを活かしたエコ・ツアーに取り組んでいます。
 地元学という、地域に住んでいる人達が、まず、自分達の地域にある資源、そういうものをもう一回見直して、自信を持ってもらいたい。どんな地域を見ても自分達のところにはあまり、いいものがないとか、そういう答えが返ってくるのですが、足元にころがっているいいものがころがっているし、それを大人から子供からお年寄りまで、一緒にまわりながら、もう一回地域に誇りを持つことで地元学というものを各地域で実践しております。
 祖父母時代に学ぶ地域学。これも高齢者社会になって、お年寄りにはものすごい知恵と技術を持っておられる。今、それを活用しないと途切れてしまうような文化が、地方にもとても多い。ですから、そういうことをすることによって、エコ・ツーリズムでもそういう人達に先生になってもらって、指導してもらったり、元気な年寄りをつくるということが、福祉の分野でも必ず、元気なお年寄りが生まれれば医療費でもそういうものが、少しでも町の財政にも役立って行きますし、これからは、こういうことが高齢化の時代を迎えて必要ではないかということで、出版物にまとめたり、そういう指導をしてもらう先生の役になってもらうとか、ということを今、進めています。
 まとめて、言いたいのは、これから情報化の時代で、これから、パソコンとかコンピュータとか進んで行きますが、それと反面に一番「人」がクローズアップされないといけない。じゃあ、人のクローズアップは、ネットワークしたり、仲間を作ったりとか、それでひとつのことのテーマで目的にむかって行く、これは多分解決できると思う。いつの時代もそうやって来ていますし、こういうネットワークを今後、全国に広げて行く。まず、九州でいいモデルができたら、四国、本州、北海道の人達と取り組んで行きたい、そういう風に思いながら活動をやっております
 
 
 
 
 
 


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION