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5)多屋区530運動、マルットヘルシー多屋海岸の活動について
鯉江正雄 愛知県常滑市 常滑市観光協会、マリナーズ代表
 
 丁度、1週間前にオープンした中部国際空港の対岸に位置する愛知県常滑市からやってきました。オフィスからみている風景です。左側が伊勢湾に沈む夕日。右側が空港の工事の風景。下の4点はSOFのプロジェクトにある体験型の学習をやっている風景です。日本の中央、太平洋側に位置しています。知多半島、北に名古屋。車で約30分。空港から直線距離で約3キロという近い位置にあります。空港のイメージパース。工事の12年から14年の進捗状況。この14年にSOFからお話をいただき、海のゴミ問題を一緒に考えましょうという御提案を頂いたんです。この赤いところがサポートセンターの場所。黄色いところが僕の生まれた場所。海が好きだったんですね。僕も50ちょっとになるのですが、海が好きだったんですが、僕が見ていた50年と言うのは、海岸の開発の歴史だったということもありまして、もともと僕はサーフィンが好きでこういう業界に入っているんですが、できれば、地元に夢でもあった学校そして研究室を持ちながらこういう活動を続けたいと言うこともあって、こういうことになりました。
 これが、目の前の海岸です。右が多屋海岸といい、南北が800メートルの自然海岸が残っています。大都市近郊にしては、非常に自然が残っている貴重な海岸でもあります。左の上がそこから見た空港の工事状況、右が四季を通じてにぎわうマリンレジャー、非常に多くの人が集まります。下がアカウミガメの産卵地でもあります。昨年もアカウミガメが産卵致しました。その報告活動も積極的に行うことが出来ました。右側が希少な海浜植物。多種の海浜植物が自生している場所でもあります。これが、私が持っている施設です。小さなプールがあり、気象観測施設とか、自分が持っている船だとか、いろんなものが置いてあります。今回の財団さんのお話もあって、いろいろなプログラムの中に、海岸の清掃活動を最初に取り入れさせていただいた。これが、海岸を清掃している風景です。いまでは、遊びとかいろいろな教育を受けるときに、海岸の清掃をするということは、当たり前、という事になっています。これが工作教室ですね。天気の話を良くします。衛星画像を出して、地球のその日の画像を見せます。僕がよく話するのは、海は皆のお母さんのような役目をしていますよ。空は皆のお父さんのような役目をしている、地球は人間として生きていますと、そのように子供達に伝えます。
 これが自然エネルギーのシステム。簡単に作りまして、風力発電やソーラーパネルを使っているのです。左側がプールの水をソーラーパネルに直結していまして、飛ぶんですね。ここに体格の良い子供さんが遊んで、持たれかかりますと、飛ぶ距離が短くなるものですから、これを子供達が楽しんで遊ぶんです。自然エネルギー、自然の恩恵を子供達に体感してもらいながら、遊んでもらおうと思って、作ったんです。
 これは、海浜植物の保護活動。これは、海がめの保護活動。これは水難事故の防止。今日も来ていますが、ライフセービングの活動をしています。今日も来ていますが、ライフセービングの活動の代表の鈴木君が講習会を開きます。基本的に僕の考え方としては、難しい環境の話をしても、子供達は喜ばないものですから、海で安全に楽しめる、その環境を僕達が用意する。そこで、自然だとか海に目を向けてもらう。そこから興味のある子には学んでもらえるわけですね。「これ、どういうことなの?」と聞いてくる。難しい話から入るのではなく、興味を持ってもらってそこから答えて行く、一緒に考えて行くというのが僕達の基本です。今はライフセーブの子供達がゴミ清掃を当たり前のようにやってくれています。
 これが、カヌー教室です。なれない子供達はプールの中から始めます。これは、カッター教室。これは私が持っている船を子供さん達に使っていただくのですね。これは、最終的な海洋教育です。力を合わせながら、協調性を持たせるのですね。
 空港の視察も行います。環境に考慮した空港なので、積極的に見ていただくのです。これが財団さんと。最初14年のころは分からなくて、菅原さんに何度も足を運んでいただきまして、どういう形が良いのだろう、というひとつのフローがここに書いてあります。海岸を清掃して、チケット・・この簡単なブルーチケットですが・・一番シンプルに清掃していただいたら、これを渡して、工作に参加していただくという簡単なシステムから入りました。その中で、山と海と川と都市の生活と、それが末端で海に来るという連動性を理解していただくようにこのような形でお子さん達に見せて御説明します。
 で、向うにも置いてあったんですが、これが、まさしく、それなんですね。お弁当箱のようなものです。これが、山のものです。これが一般生活に密着したもの。そして、海のもの。これで、この連動性を理解してもらう。これが工作パックを詰める作業しているところです。この工作は室内でも出きる。海の場合は天候に影響されますので、天候が悪くても通年できる対応が必要ということで、菅原さんからのアドバイスもいただきながら、こうしました。これは、雨の中でゴミを拾ったあとに、室内に用意したところでやれるような体制作りをしました。これが屋外。これは、どういう時にでも、非常に広範囲にできる、かつ、場所を選ばないやり方です。海岸だけでもできる。これは、うちの施設の中の写真です。これが、14年度にSOFが協力してくださってやりました、海洋環境貢献活動の実績ですね。相当数多く出来ました。最初は難航したのですが、非常にスムーズに出来ました。これが、地域のゴミゼロ運動。雨の中非常に沢山の百数十名の子供さんが集まってくれました。うちのセンターに集まってくる子供達の数です。非常に沢山集まってきました。雨への対応がされていたので、お弁当箱のように持って帰っていただいて、家でまた、お母さん方との会話、子供達の会話が弾むもんで、一回のきっかけで、どんどんと広がるわけです。来れば来るほど、ファンは増えるし、ゴミは減るということです。
 これは、中の風景。常滑の青年会議所から相談がありまして、海のイベントがしたい。漂流教室がしたい。安全面と子供達が喜ぶようなプログラムの開発をしてほしい、ということで、SOFのノウハウをここに入れさせていただきました。ゴミを拾っているところは出ていないのですが、沢山の子供達がこういういかだ作りをして、ライフセーバーの子たちに監視していただいて、安全に楽しめた。すぐ近くに常滑競艇があるので、今、子供達が着ているのが、競艇場でお借りしたライフジャケットです。地域が一緒になりながらやっているのですね。これが室内。うちの小さなプールのなかに沢山の子供達が集まっています。安全面に気をつけながら、子供達がちょっと勇気を持ってチャレンジするということです。帰っていくときも、黄色いパックを持っていただきまして、先程の工作パックを入れた物を持って帰っていく。非常に良い風景なんです。これはショーコスギさんの塾を僕の友達がやっているんですが、その息子さんが、海岸清掃をしたいというので、シップアンドオーシャン財団の協力を仰ぎながらやろうと。沢山の子供達に参加してもらったんです。右下にあるように本当に小さな子供達も積極的に参加してくれる。後で食事会を開く、話が非常に盛り上がります。そこで工作もするもんですから、創造性も豊かになり、会話も広がる。
 「マルットヘルシー多屋海岸」、これには秋山会長にも来て頂きまして、非常に地元も盛り上がったんです。500名くらい来たんです。ラジオ体操から始まり、海岸清掃をする。沢山の人達がいっせいにやるんです。漁業組合の協力も得ていたので、地引網もやっていただいて、地元の観光協会や地域の人達が料理を作ってくださりふるまう。おかげで、海岸清掃が定着しました。同日、常滑競艇の中でも自然工作をやり、この21日は常滑全体が海に興味を持ってくれた日ではなかったかと思います。これは「はまっ子クラブ」。小人数の時に、プログラム開発をするんです。小人数の時にカヌーのコーチと、ライフセーバーと一緒になって小人数の中でプログラム開発をして行く。カヌーの指導もし、ライフセーバーが監視しながら安全面に目を向ける。お母さん方が料理しながら子供達を迎える。パネルを見せながら、どうしてここにゴミが流れ着くのかを子供達と一緒に考える。これが次に繋がるわけです。あとは工作もします。
 これはガールスカウト。いろんな巾の人達を対象にやってみようということです。ガールスカウトの子供達も集まって、非常に積極的にやってくれました。沢山の子供達に参加していただき、この時は工作をせずに、持って帰ってもらった。
 これは歯科医療師専門学校。18歳から20歳くらいの女性だったので、おそらく、海岸清掃は嫌々やって、工作は殆どやらないんじゃないかと心配していたが、やってみたら、結構一生懸命海岸清掃をやってくれた。終わった後は、夢中になって工作をやっていた。これは、結構イケルと確信しました。菅原さん達と一生懸命考えた甲斐があった。雨でも対応でき、子供から大人、若い女の子達もやってくれる。これは、あとでマリンスポーツを楽しんでもらいました。
 これはネイチャークラフト。常滑の教育委員会から依頼があり、「30名程募集してもいいですか」、という問い合わせだったので、「良いですよ」、と言ったら160人集まった。「どうしましょう」ということだったので、「やるだけやってみましょう」と、いきなり160人の家族を受け入れた。海岸も家族連れで賑わうというか、一杯参加していただきました。室内で配布しているところです。
 この時は教育委員会の人に海鮮鍋を作っていただき食事をした。ここで、日本地図を渡し、来週は気仙沼へ行くとの説明をした。「皆さんの思いを気仙沼に伝えよう!」ということで、常滑の子供達が一生懸命、箱詰めを協力してくれる。これを持って気仙沼へ行く。シップアンドオーシャン財団のきっかけによって、これがスムーズにまわる事になれば良いと考えました。皆さんが協力してくれました。常滑から気仙沼。気仙沼の周辺の海岸の状況。気仙沼での活動を報告していただいた写真もあります。1つの流れとしては、常滑の海辺から気仙沼の子供達へ。
 プロジェクトのフローとしては、愛知県内で実施し、海岸清掃に参加、ブルーチケットの配布、工作教室に参加、ごみを出さない人材育成、プラスアルファーで、我々の教育プログラムを加味する。こういう1つの流れを気仙沼から始まって、全国各地へ広げられたら、ということです。14年度にSOF財団と一緒に開発したフロー図と実績です。
 それと同時に、県内を充実させようということで、愛知県内の実地候補地を調査をした。まず常滑。日間賀島、日間賀島が非常に良いところで、菅原さんにも地元の人会って頂いてお話がすすんだ。漁業も盛んで、体験型学習も盛んなところです。
 これからは単なる環境保全活動ではなく、観光事業。地域の活性化に確実になり、循環し、継続する。この島では、昨年から学校教育でライフセービングスクールを学校教育の中に導入され、一体となっていい島になってきています。碧南に、競艇選手を育てる素晴らしい訓練施設があり、行く行くはうちでも使わせて欲しいと調査しました。いろいろな機材もあるし、温水プールもある。素晴らしいところです。もうひとつ、南知多ビーチランド、砂浜のすぐ横に隣接している。所長さんも仲がいいものですから、ここの海側でSOFと一緒にいろいろな海岸清掃活動と同時に、海洋教育や自然体験プログラムを導入することによって、地元の人々にも喜んでいただけるのではないか。近い将来、南知多でも同じような活動が始まると思います。施設の案内です。15年度の活動に向けての実施フロー。私達が県内を充実させるので、是非とも菅原さん達のお力で全国展開が出来れば良いと思っています。私たちスタッフも協力させていただく。愛知県内では常滑、日間賀島、ハズ町の3ヶ所が実現できることになりました。
 
 
 
 
 
 


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