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東アジア海域の安全保障:地域対話の枠組強化
Chua Thia-Eng
東アジア海域海洋環境管理パートナーシップ(PEMSEA)
地域プログラムディレクター
 
序文
 今日の海と海洋は以前ほどに安全でも安泰でもない。食糧保全を脅かす危険、生計の損失、公衆衛生や生態系の健全性を損なうリスクなどが経済的損失と社会の混乱を招いている。また、急増する海賊行為や最近の海上テロ行為が人々の生存を脅かし、世界のいたるところで政治的・社会的不安定を生み出している。その背景には、深刻な環境条件の劣化や生育環境の損失、生物学的多様性の減少、頻発する赤潮や石油・化学物質の流出、海上での事故や犯罪がある。さらにこれらの脅威は今日の世界の政治的、社会的、経済的情勢と様々な形で連動し、密接に関わり合っている。
 
 海と海洋とが互いに結びついているように、人々とそれを代表する国家もまたその政治的、社会経済的、文化的、生態的結びつきを浮き彫りにしながら互いに結びついている。海と海洋は地球の70%を占めている。海洋生態系の主要な生産性は物理的、化学的、生物学的な相互作用によって保たれており、人類は太古の昔よりこの海洋生態系が生みだす物とサービスを享受している。海と海洋が安全・安泰でなくなれば、海洋生態系がもたらす恵みはたちまち使い尽くされるか、さもなければ失われるだろう。
 
 海洋の安全保障にあたっては、包括的でまとまりのある管理アプローチが要求されるばかりでなく、消費・利用パターンの変化や海上貿易のグローバリゼーション、人々の意識や価値観の変化、冷戦終結後の新しい政治的・軍事的構想など、新たな課題に取り組まなければならない。海賊行為や海上テロ行為に世界の注目が集まるなか、それよりもさらに深刻で刻一刻と進む海洋汚染の問題が看過されがちな今日、包括的アプローチが切実に求められている。
 
 海洋ガバナンスの有効性を高めるには、「1つの惑星、1つの海」というコンセプトを強調すると同時に、地域的視点に立った海洋安全保障への取り組みが必要である。私たちの海洋はいくつかの地域海域で構成されており、それぞれの地域海域には、個別の、もしくは共通の管理体制を擁する政治的、社会経済的、生態学的特徴が備わっている。この論文では、長きにわたって人類の求めに応じ、人類のインスピレーションの源であった海が、人類の身勝手な振るまいがもたらす脅威にさらされている東アジア地域に焦点をあてる。
 
東アジア海域:海洋安全保障の課題
 海洋の安全保障にあたって、東アジア海域は数々の難題を抱えている。多様化され相互に結びつきを持つ政治的・文化的習慣と社会経済情勢と生態学的特徴を持つ国々に囲まれたこの半封鎖海域が世界の注目を集めており、そこでは生命維持システムが政治的・社会的・経済的弱みのあおりを受けている。この地域では、政治的習慣に食い違いがあるばかりでなく、天然資源や領土について権利の主張が衝突している。南シナ海における国境紛争やトンキン湾の共有魚類種資源問題、東シナ海の対立する主張の問題、マラッカ海峡(Valencia, 2004)で横行する海賊行為と変化する海上テロ行為などに、台湾海峡における軍事的緊張の高まりがあいまって、同地域がかかえる政治・軍事上の脆弱性が浮き彫りになっている。
 
 同地域の国々の経済格差もまた海洋安全保障に大きな意味合いを持つ。東アジア海域に面する国々はそれぞれ異なる経済発展段階にあり、総GDPは40億米ドルから4兆米ドル(World Bank, 2004)にまでの格差がある。海への経済的・社会的依存の形も異なり、貧しい国々のほとんどでは食糧生産や生計を立てる手段であるのに対し、豊かな国々にとってのそれは沖合い油田・探鉱や海上貿易、海底探査などである。
 
 同地域の人口は190万人と多く、その内の77%は海岸から100km以内の場所で生活していると推定される。沿岸村落の多くは拡大を遂げ、中には大都市にまで発展したものがあり、今では世界有数の人口集中地域に数えられている。今後15年程で今ある6都市にあと2つの百万都市(人口1000万人以上の都市)が加わる見込みである。
 
 確かに同地域の人口も生態系にかなりの影響をおよぼしてきたが、PEMSEAの報告書(近刊)では人口以外の要因も強調されている。「東アジアの経済奇跡」は同地域の消費・利用パターンを劇的に変化させながら30年以上にわたって続いた。世界の増大する水産・養殖産物需要はこれまで、魚を濫獲し、マングローブ林を伐採し、サンゴ礁や藻場といった生息環境を破壊する形で環境に多大な負担をかけながら、その大半が東アジア海域からの輸出によって満たされてきた。
 
 1997〜1999年の金融危機によって、同地域の多くの国々で社会的脆弱性がより一層深刻化した。PEMSEAの報告書は次のとおりに説明する。「景気後退は所得の低下、絶対的貧困と栄養不良の拡大、公益事業の減退、教育や健康を脅かす危険、女性にのしかかる重圧、犯罪の増加など通じて何百万もの人々の生活に影響を与えた。それにもかかわらず、公共部門と民間部門の政策決定者や政策受託者たちはいまだに、環境管理の改善と経済的発展との結びつきを十分に理解していない。そこには同地域の政治情勢が反映されている。つまり、国家とその経済部門が繰りひろげる競争・衝突の影で、環境影響や環境維持にまつわる先々の不安が覆い隠されているのだ。」
 
 生息環境の悪化が今のペースで進むと、同地域のサンゴ礁は20年以内に完全に崩壊し、マングローブは30年以内に使い果たされるだろう。人口増加と、さらにそこに根強い貧困とその状況を克服しようとする政治的意志の欠如と力量不足が加わることで、窮境はより一層深刻化する。
 
 将来の見通しは暗い。報告書は次のとおりに付け加える。「資源の枯渇に見られる現在の傾向が逆転しない限り、多くの国々の社会構造は向こう50年間にわたって劇的に衰退するだろう。持続性を欠いた搾取と破壊的な慣行と生息環境の劣化のため魚種資源が減退し海産物の供給が途絶えると、食糧の安定確保は難しくなるだろう。沿岸・海洋環境に関係する仕事を持つ人々が、その沿岸・海洋環境から持続性のある生活を得られなくなれば経済的混乱が生じるだろう。食用海産物に含まれる毒素や淡水・海水汚染の増大によって公衆衛生は危うくなるだろう。同地域の人々の弱み、とくに食糧や生活の糧を天然資源に頼っている貧しい人々の弱みはさらに拡大するだろう。」
 
 東アジア海域の安全保障にあたっては、その政治的、経済的、社会的弱みにバランスのとれたアプローチで取り組みながら、同地域の生命維持システムを保全しなければならない。さらに、人と国の一致協力とユーザー経済の一致協力を通じてこれらの弱みを最小限に抑える必要がある。
 
 ただし、最大の課題は同地域の国と国との間に見られる著しい能力格差である。実際、裕福な近隣諸国と同じ土俵に立っていない貧しい国々に、海洋安全保障問題に関する国際基準を突きつけるのは酷である。
 
世界の注目を集める東アジア海:現在の取り組みの持続と強化
 東アジア海域の沿岸・海洋ガバナンスを改善するため、これまで単独の、協調性に欠けた国家・国際レベルの取り組みがいくつかなされ、種々の成果をあげている。その多くはセクター管理に重点を置くもので、国境にまたがる問題を扱う地域間で協調する取り組みについては10年前まで手つかずの状態だった。
 
 近年の国際的なイニシアチブと国民意識は「東アジア海域における持続可能な開発戦略」(SDS-SEA; PEMSEA, 2003)という総合戦略の形で結実した。その地域戦略は過去10年余りにおよぶ関係政府部門・非政府部門の共同作業と協議を通じて練り上げられたものである。東アジア海域に面する全12ヶ国がこの地域戦略を採用し、さらに2003年のプトラジャヤ宣言を通じて戦略を実施することを誓約した。環境、安全、保安上のさらなるリスクから東アジア海域を守るための共通の枠組と共同の基盤が、このSDS-SEAによって用意されたのだ。
 
 SDS-SEAは、アジェンダ21チャプター17、海洋法、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)の実施計画、ミレニアム開発目標(MDG)に関する種々の規定を実施する、これまでで最も包括的でまとまりのある地域行動計画ではあるが、6つの戦略と20の目標と228の行動計画がどの程度順調に実施されているかについては課題が残っている。
 
 SDS-SEAは総じて、同地域の国々の努力の産物といえる。その最前線に位置する「東アジア海域環境管理パートナーシップ」(PEMSEA)は、地球環境ファシリティ(GEF)、国連開発計画(UNDP)、国際海事機関(IMO)などの支援を受ける地域構想である。PEMSEAは過去10年間にわたり政府間、省庁間、部門間の協力関係作りにあたって重要な役割を果たしており、関係機関の相乗作用と連携を促し、政策改革を推進し、同地域が共通の海を共同でうまく取りしきるための資金繰りに貢献してきた。
 
 SDS-SEAの実施を強化し継続するには政府間の協調関係を強化するだけでなく、商業部門やマスコミ、学会、地域社会、市民団体などに属する利害関係者の関係作りにも力を注がなければならない。今後パートナーシップ評議会が設立されたら、非政府部門の関係者をまじえた関係政府による定期会合が実現し、SDS-SEA実施の進捗状況を見直し、改善策を提案し、より一層の支援を募ることができるだろう。さらに、3年毎に開催される定期EAS会議によって、関係全当事者が進捗状況を評価し、その成果を見守り、東アジア海域ガバナンスに関わる制約要因を確認する公開討論の場が用意されるだろう。
 
 地域的取り組みは今、行動の段階を迎えているが、それを阻む制約もいくつかある。
 
 まず第一に、国家間の能力格差はもとより、中央省庁と地方自治体との間にある能力格差も縮める必要がある。沿岸・海洋ガバナンスの技術的手腕を向上させるには、国家ぐるみ・地域ぐるみの能力開発に手広く取り組む必要がある。
 
 第二に、環境改善のための基盤構造(インフラ)が強く求められており、そのための新たな資金源を見つける必要がある。その財源の多くは民間部門で得られる。とくに汚染海域の浄化にあたっては、民間部門が資金面から環境投資に参加することがきわめて重要である。
 
 第三に、東アジア海域の現状だけでなく、海賊行為や海上テロ行為をはじめとする様々な脅威の根本原因について、一般大衆の認識を構築する必要がある。
 
 第四に、地域のシンクタンクとして活躍する専門家/著名人が東アジア海域の保全を左右する新旧問題を活発に評価し、その根本原因を確認し、意見の衝突する部分と一致する部分とを確認する。さらに同地域の安全を脅かす地域紛争を緩和するための手段や方法を確認する公開討論の場を定期的に設ける必要がある。
 
 最後に、東アジア海域から得られる財貨・サービスの持続的・平和的利用に向けて、同地域の市民による支援運動を強化し、維持する必要がある。
 
 PEMSEAとシップ・アンド・オーシャン財団(SOF)はすでにパートナーとしてSDS-SEAの発展に努めている。SOFは、新しい海洋安全保障コンセプトの普及にあたって主導的役割を果たしており、高く評価されている。合同組織やEAS会議の運営など、PEMSEAとSOFが共同で取り組むなど相補的な活動の場はたくさんあるだろう。
 
 以下、東アジア海域保全に向けての地域的取り組みに寄与し、その価値を高めると思われる活動をいくつか提案する。
 
地域対話の枠組
 東アジア海域が抱える政治的、経済的、社会的、環境的脆弱性は、国や利害関係者による地域レベルでの公式/非公式の対話を維持、強化することの必要性を訴えるものである。東南アジア諸国連合(ASEAN)のもとで行われている各種のフォーラムやASEANとそのパートナーとの対話など、公式対話の場となる地域的基盤はいくつかできあがっている。ただし、環境や航海・海上輸送の安全に関係する問題は取り上げられているが、新しい「海を護る」の概念に基づく海洋安全保障はまだ議題にのぼっていない。
 
 一方PEMSEAからは、沿岸・海洋ガバナンスに注目する政府間対話のための地域基盤が提供されているが、国家安全保障の問題は今のところ議題として取り上げられていない。PEMSEAの次の段階として提案されているパートナーシップ評議会からは、同地域の政府や利害関係者をまじえた包括的協議の枠組が提供されるだろう。
 
 こうした取り組みにもかかわらず、海洋の問題が政府の優先課題として取り上げられることは滅多にない。そこで、東アジア海域の保護と持続的発展に向けて支援運動の力を最大限に発揮して世論を動かし、一般大衆の支持を結集する必要がある。
 
オーシャンアンバサダーの公開討論会
 
 以上の状況を踏まえ、海洋の重要性を確信し、人類のための平和的かつ持続的海洋利用を擁護し、道案内となる東アジアの著名人たちによる非公式対話の枠組を確立することを提案する。この対話の枠組は定期公開討論会の形をとり、そこでは同地域の国々の理解と意欲を促しながら対立を減らし、海洋の安全を脅かす緊張を緩和することを目的に、海洋安全保障に差し障る新旧問題を協議する。
 
 海洋、すなわち「オーシャン」は、沿岸海域を含む広義の用語として用いる。海洋大使、すなわち「オーシャンアンバサダー」という言葉は、同地域の人々と国の友好と理解と協調関係を深めるという大使としての役割を強調するものである。海の水に物理的な境界がないように、オーシャンアンバサダーは国境をまたいだ協力関係作りにあたって重要な役割を果たす。
 
 オーシャンアンバサダーという称号は、その役割が持つ重大さを暗示するばかりでなく、我々人類が大いなる尊敬の念をもって遇するべき母なる自然、その大部分を占める要素、すなわち海洋の、大切さを強調するものである。
 
 国の政治的指導者や立法者、学者、実業界の指導者、支援団体のリーダー、海洋の福祉に関心を寄せる著名人などに、それぞれの立場からオーシャンアンバサダーの称号を授けることになるだろう。
 
地域レベルのオーシャンシンクタンク
 
 東アジア海域の安全保障に関わる新旧問題について海事の専門家や戦略家によるアイデアや意見の交換を促進するため、非政府レベルのオーシャンシンクタンクも提案する。
 
 そこでは少数の専門家が定期的に会合し、同地域の海洋安全保障に関わる政治的、経済的、社会的、環境的事情についてブレインストームを行う。例えば、クラ半島(タイ)にまたがるエネルギー陸橋(Crispin, 2004)や運河(Yazhou Zhoukan, 2004)の建設実現に起因する問題などを論じる。提案されたこれらのプロジェクトが実施されると、政治、軍事、経済、社会、生態系に大きく影響するだろう。物議をかもしているプロジェクトであり、政治・経済の再編を招き、最終的には地域・国際レベルの争議が起こるかもしれない。幅広い協議と助言を要するテーマであるが、地域オーシャンシンクタンクなら、これを熟慮し議論する非公式の討論の場としてうってつけだ。
 
 ここで提案する非公式フォーラムが成功するかどうかは、海洋安全保障に精通し、海洋の遺産を守ることに心を砕く地域の著名人を集めることができるかどうかにかかっている。また、この地域シンクタンクを機能させ続けるための財源と、専門家の考えを政策決定者に伝えることも大切である。
 
海洋賞
 
 海洋安全保障に大きく貢献した男女を表彰する海洋賞制度も提案する。海を護るの概念を促進し、その持続的開発に向けて尽力するあらゆる分野の第一人者を激励することを目的に、このような表彰制度を作るべきである。
 
 無名でも、残された海洋遺産の持続的発展・保護に長年黙々と、熱心に取り組む人は世界のいたるところに大勢おり、彼らの仕事と献身的行為は表彰に価する。
 
 この海洋賞制度は永続的なものにし、選考基準を定めるべきである。
 
EAS会議
 
 2003年にはSOF他の協力のもとPEMSEAの手によってマレーシアのプトラジャヤでEAS会議が開催された。関係閣僚フォーラムや研修会(テクニカルワークショップ)、ポスターセッション、展示会、現場視察などを盛り込んだ会議である。2003年度EAS会議の成功を受け、PEMSEA加盟国は今後EAS会議を3年毎に開催することを約束した。次の2006年度EAS会議は中華人民共和国で開催される。
 
 EAS会議の主な内容は次のとおりである。
 
a)東アジア海域に面する国々の閣僚たちが「東アジア海域における持続可能な開発戦略」(SDS-SEA)実施の成果を評価し、新たな協調分野を取り決めるポリシーフォーラム。
b)同地域と世界全体の沿岸・海洋ガバナンスに関係する分野別の問題と地域横断的問題を取り上げる一連のテクニカルワークショップ。
c)様々な利害関係者たちが協調分野を案出し、知識と経験を交換する討論会。
d)SDS-SEAの進捗状況はもとより、沿岸・海洋ガバナンス方面での進捗状況を見守るための監視スケジュール。
 
 EAS会議は、沿岸・利用者諸国の政策決定者同士の対話のみならず、政策決定者、実業界・科学界、マスコミ、その他利害関係者たちの対話を維持するための主要な定期地域フォーラムである。
 
 ただし、EAS会議を成功させるには、政府の声と利害関係者たちの声の両方に耳を傾けなければならない。ポリシーフォーラムは基本的には閣僚に限定された公式フォーラムであり、先々の会議では海洋安全保障を積極的に擁護する支援団体を参加させる必要がある。そこで、海洋安全保障運動を擁護するための定期フォーラムとしてEAS会議を活かすことを提案する。さらに、EAS会議の一部としてオーシャンアンバサダーフォーラムを開催できれば、利害関係者や擁護団体の意見を為政者に適時伝えることができるだろう。
 
結論
 東アジア海域の安全を守る戦いは、そのマネジメントの複雑さや変化を遂げる政治的、社会経済的、環境的事情を踏まえると、始まったばかりである。手っ取り早い解決策などないが、海洋ガバナンスの共通分母はどこでも同じだ。つまり政治的意志、国の力、賢い財源運用、充実した科学、利害関係者の参加であり、そして何より一般大衆による認知である。利害関係者たちの交流とコミュニケーションを可能にし、各種部門が一丸となって取り組む意欲を促すには、国レベルと地域レベルの対話の枠組が不可欠である。
 
参考文献
Crispin, S.W. 2004. Pipe of prosperity. Far Eastern Economic Review. February 19, 2004:12-14,16)
PEMSEA (Partnerships in Environmental Management for the Seas of East Asia). 2003. Sustainable Development Strategy for the Seas of East Asia: Regional Implementation of the World Summit on Sustainable Development Requirements for the Coasts and Oceans. PEMSEA, Quezon City, Philippines.
PEMSEA (Partnerships in Environmental Management for the Seas of East Asia). In Press. Saving Our Seas, Saving Our Lives. PEMSEA, Quezon City, Philippines.
Valencia, M.J. 2004. Ensuring Asia's maritime safety. Far Eastern Economic Review. October 14, 2004:27)
World Bank. 2004. World development indicators database. World Bank.
Yazhou Zhoukan. 2004. The International Chinese Newsweekly. August 8, 2004:40-47.


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