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吟剣詩舞だより
全国朗吟文化協会
第四十四回『吟と舞 春の集い』開催
 六月十三日梅雨の晴れ間となった爽やかな初夏の好日、東京九段会館にて表題の大会が(財)日本吟剣詩舞振興会後援のもと盛大に開催されました。
 
謝辞を述べる小倉契秀大会会長
 
 定刻の九時、前田国敞大会副会長の開会のことば、伊丹嘉雪大会副委員長の先導で国歌斉唱、小林瀞玉大会副委員長の先導で朗吟道を声高らかに吟じて始まりました。
 開演第一部は十七組の合吟、第二部の独吟、第三部の剣詩舞と七十八番が堂々と披露され午前の部が盛会裡に終了しました。
 午後十二時四十分、松岡萠洲大会副委員長の司会で式典を開始。冒頭、全朗協最高顧問として永年に亘りご指導ご鞭撻を賜り、今日の基盤を築いて下さった深田光霊先生(昨年七月六日ご逝去)並びに榊原静山先生(今年三月五日ご逝去)の御霊に慎んで黙祷を捧げご冥福をお祈り致しました。
 榊原静慧大会副委員長の開式の辞に続いて三浦瑞宝大会委員長の挨拶、全朗協常任顧問の小幡神叡先生から祝辞を戴きました。続く祝電披露では(財)日本吟剣詩舞振興会会長河田和良先生の祝文が声高らかに披露されると会場から感謝の拍手が起こりました。小倉契秀大会会長の謝辞では、財団会長河田和良先生から賜った祝辞・祝電の御礼、役員・会員にも気配りの挨拶があり、岡村晨潮大会副会長の閉式の辞で終了しました。
 午後は、第四部副理事長以上の独吟で始まり第五部から第七部まで会員の独吟並びに剣詩舞が九十二番続いた後、企画番組『山河を謳う』が、第一部「日本の山河」、第二部「中国の山河」の構成で披露され、出演者の熱演に会場は盛り上がり、客席を魅了した一時間半でした。午後六時三十分矢作積峰大会副会長の閉会の辞、浅野晟穂大会副委員長の万歳三唱で本大会のすべてが盛会裡に終了しました。
(全朗協事務局)
 
浦口元老百歳の吟詠に満場沸く
第二十回北斗同朋交流吟剣詩舞道大会
 八月一日、北斗同朋交流吟剣詩舞道大会は今年は二十回記念大会とあって会場のヤマチホテル大ホールは超満員の盛会の裡に熱のこもった吟剣詩舞が展開されました。
 誰でも参加できる出吟者全員が主催者の気持ちで運営するという趣旨で始めた本大会は、昭和二十年六月当時心豊流詩舞昭延会(桂心豊宗家)の幹部であった現真宗流家元西谷真宗師が各流会派に呼びかけ、段位資格を問わず希望者は師を通して申し込めば誰でも出吟出来るということで、回を重ねるにつれ出場者の増加を見せていたが、今回は三百名を超える多数の参加となり札幌市の他、旭川市、帯広市、小樽市等から日本詩吟学院、日本吟詠連盟、北海道詩吟連盟、豊泉流旭昭流他三十三流会派からの出場となりました。
 
詩舞の披露
 
 演題もバラエティーに富み、山の如く力強く成長した北斗同朋の第二十回記念を祝して構成番組「山」を雄大に公演したが、吟舞共に技も向上して堂々たる舞台を見せた中でも、九十歳以上の高齢者の参加も数多く見られ詩吟に親しむことで如何に健康な心身が保たれるかが立証されました。特に財団法人日本吟剣詩舞振興会元老、元北海道地区連議長浦口鉄男先生は数え歳百歳とは思えぬお元気な姿で番組のとりを務められ、明治天皇御製「あさみどり」他一首を朗々と吟じられ満場を沸かせました。浦口先生は今も財団の行事に参加され、さらに北方領土返還吟友同盟の最高顧問としてリーダーの役割を立派に務めておられ、吟界の師表として輝いておられます。最後に朝翆流馬場碩鵬先生から来年の大会にもお互い元気に再会しましょうとの挨拶で幕を閉じ懇親会に移りました。
(北斗同朋交流大会事務局)
数え年百歳
浦口鉄男先生
 
栃木県吟剣詩舞道総連盟創立五十周年並びに
財団法人日本吟剣詩舞振興会公認二十五周年記念
吟剣詩舞道大会
(第八回しもつけの風)
平成十六年六月二十日
栃木市文化会館
 
 第八回『しもつけの風』吟剣詩舞道大会と共に開催された栃木県吟剣詩舞道総連盟創立五十周年、並びに財団法人日本吟剣詩舞振興会公認二十五周年記念大会は、去る六月二十日午前九時開場、栃木市文化会館大ホールで開催され、財団からは専務理事鈴木吟亮先生、常任理事工藤龍堂先生、事務局長矢萩保三先生、東日本地区書記長菊池吟正先生と群馬県金井心将先生、神奈川県西形興信先生、東京都吉見芳蘭先生、茨城県小林北鵬先生、埼玉県内田隆洲先生の各都県連盟理事長、そして少壮吟士志塚心彰先生、中澤春誠先生、奥村龍愛先生、池田嶺煌先生、清水錦洲先生の御範吟や御祝辞を賜りましたこと厚く御礼申し上げます。また記念式典では永年に亘り栃吟連の発展に尽力された先輩諸先生の労に対しての功労者表彰、並びに財団法人日本吟剣詩舞振興会に対し青少年吟剣詩舞育成基金の贈呈がございました。さて『しもつけの風』は第十回国民文化祭『とちぎ95』の余勢を駆って始められ、会員の相互研鑽をモットーに毎年開催、ここに第八回を迎えました。これにより栃吟連全体の融和と協調性が養われてまいりました。そしてこの記念大会も年余の時間をかけて着々と準備(創立五十周年記念誌発行等)を進め、大会は盛況裏に閉幕、市内『グランドホテル』での反省会の盛宴(百七十余名)は記念大会に相応しいものでありました。来賓の諸先生には最後まで御同席を賜りましたことに心から深く感謝申し上げます。
(栃吟連副理事長藤田吟鵬)
特別構成吟舞「水戸光圀公の偉業」
 
三重県吟剣詩舞道総連盟
第二十八回吟剣詩舞道大会
―炎の文豪・頼山陽―
 
 去る六月二十七日、三重県吟剣詩舞道総連盟主催第二十八回吟剣詩舞道大会が、財団法人日本吟剣詩舞振興会、三重県、四日市市他の後援をいただき、四日市市文化会館第一ホールに来場、出演者を含む入場者千数百名の盛況を得て盛大に開催されました。
 午前の部は九時三十分開会に続いて、国歌斉唱、吟剣詩舞道讃歌大合吟の後、各流会派の合吟三十題、群舞十一題が次々と披露され、出演者と客席が一体となり、終始和やかな雰囲気の中にプログラムは進行し、午前の部のクライマックスともいうべき、県内吟詠団体出場による十名構成の、平成十六年度三吟連合吟コンクールに入り、一層の熱気を呈し、会場は一段と盛り上がりを見せました。
 午後の部は「式典」に始まり、井上哲夫四日市市長の力強い斯道に対する激励の御言葉があり、山路泰洲理事長の挨拶では、財団法人日本吟剣詩舞振興会の設立発展に、全身全霊を傾けられた笹川先生御夫妻の、御功績に対する感謝の意が述べられ、これを継承して斯道の使命を達成すべく、全県を上げて頑張ろうとの、決意が示されました。続いて群舞と合吟十三題が演じられ、今年のメイン出し物である企画構成吟「炎の文豪・頼山陽」が、全国吟剣詩舞コンクールの成績優秀者により発表され、颯爽流麗なる吟と舞に、場内は魅了され感激に浸ったのであります。
 
合吟コンクール表彰式の舞台上
 
 最後に県総連盟各流会派の代表者の力強い吟詠剣詩舞があり、終始盛会裡に大会を終了致しました。
 当日の合吟コンクール入賞団体は次の通り。
・優勝 泰洲流詩吟朗詠会女子
・二位 三重岳仁会女子
・三位 泰洲流詩吟朗詠会男子
(三吟連事務局)
 
平成十六年度(創流九十八年)
日本壮心流全国剣詩舞道大会
平成十六年八月八日
アイプラザ豊橋大ホール
―夏祭大和絵巻―
 
 記録的な猛暑となった平成十六年夏、日本壮心流創流九十八周年大会がアイプラザ豊橋において盛大に開催されました。うだるような熱さにもかかわらず、多数のお客様にご来場いただき、用意していた当日配布用のプログラムも足らなくなるという嬉しい悲鳴をあげながらの進行となりました。
 さて、大会のメインである構成番組、本年は『夏祭大和絵巻』と題し、日本の夏をさまざまな視点からとらえ、吟剣詩舞で表すという企画です。
 オープニングでは、揃いの浴衣とおけさ笠を着けた青年女性がずらりと並ぶ妖艶な演出で、緞帳が上がると同時に「わあー」と客席からの歓声。そこに、紗幕裏に控えていた宗家をはじめとする青年男性陣の和太鼓が加わるという、まさに夏祭に相応しい幕開き。
 その後は、扇子とうちわを使った盆踊り調の詩舞『新のんほい節』、号令どおりに手足を動かした『ラジオ体操第一』の詩舞バージョン、家元、宗家夫妻によるヴィヴァルディの四季『夏』、また、木刀をバットに見立てステレオサウンドの吟詠効果を駆使した『熱闘甲子園』と、今年も実に斬新なアイデア番組の連発で、入倉昭山宗家の発想力の凄さには感服します。
 
「熱闘甲子園」
 
 そして構成ラストは、『長崎に原爆落つ』『太平洋戦争を懐う』の二題で原爆と終戦を演じ、世界恒久平和の実現を訴えて、満場の拍手のなか幕を閉じました。
(壮心流事務局)


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