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(社)被害者支援都民センター自助グループ
1. 被害者遺族のための自助グループ
自助グループは、都民センター開設から2ヵ月後の平成12年6月に始まりました。これは、都民センターの支援活動の中で、自助グループ活動がいかに大きな位置を占めているかをうかがわせます。
月1回の集まりでは、参加者それぞれが亡くなられた方々への想いや被害後の生活、周囲から受ける二次被害などについて率直に話されています。また他のメンバーの話を聞くことで、「自分ひとりじゃないと思える」との声も聞かれます。
気持ちを話して共感しあう場だけでなく、司法制度について考え意見を言ったり、社会へ向けて発信したりという場にもなっています。ここ1年でも、法務省職員、自民党議員、弁護士会被害者支援委員会などが自助グループに参加し、メンバーの話に熱心に耳を傾けてくれました。こうして被害者遺族自身が声を出すことにより、被害者を取り囲む現状は少しずつ変わっていくのだと実感しています。
「自助グループからの発信」として、年に1回、手記集「もう一度会いたい」を出しています。今年も第4集が発刊されます。第3集までの手記は、検察庁や弁護士会など様々な場所で読まれ、被害者の声を伝え続けています。第4集も同じようにたくさんの方々や関係機関に配られ、多くの方に被害者の現状や支援の必要性を伝えるために役立つことと思います。
今後もシンポジウムやキャンペーンなどへ参加しつつ、月1回の集まりを大切にしていきたいと思っています。
◆東京駅キャンペーン(平成15年9月)
◆「もう一度会いたい」(遺族の手記)
〜参加者の声
・小畑智子さん
参加することは、現実を受け入れることです。
自分の気持ちを封じ込め、泣くことすら出来なかった私にとって、参加するのがとても辛い時もありました。愛する家族の死を無駄にしたくない気持ちは、遺族の共通の思いです。
1ヶ月に1度ですが、繰り返しお話しすることで癒され、私も頑張ろうという気持ちになります。この場に出会えたことに、心から感謝しています。
・清沢郁子さん
自助グループに参加させていただいて3年、自分自身や社会を一から見つめ直す年月でもありました。
大切な家族を失うことで、言動や思考、そして自由な心さえも停止されてしまう状況に陥り、新たな自分を確立するためにも他者の存在が必要になります。
同じ痛みを経験した自助グループの仲間との交流や活動は、癒しだけでなく前向きに生きるための大きな力ともなりました。
多くの方々との新たな出会いも、遺族としてだけでなく人として大切なものを学ばせていただいております。
◆写真上 定例会の集まり
◆写真下 平成15年4月に行われた熱海一泊研修旅行。(年1回) |
2. 被害者本人のためのグループ
同じような体験をした被害者同士の交流の場を作ろうと、平成14年秋に出来ました。被害を受けたときの衝撃、その後の恐怖感、孤立感など様々な思いが語られます。お互いを尊重しつつ共感し合う、そんな貴重な場所になっています。
まだ小さなグループなので、時には都民センターの職員や研修生を交えて、司法制度についての意見交換会になるということもあります。「安心して話せる場所」として、新たなメンバーを迎えるべく、地道に活動を続けていきたいと思っています。
〜参加者の声
・杉浦純子さん
被害者本人は、自分自身が直接被害を受けたために、社会や人に対しての安全感や安心感、信頼感を失っています。傷つけられる体験で自尊心も揺らぎ、自分自身への信頼や自信も失っていきます。日常の中では常に緊張しているので、とても疲れます。また「分かってもらえない」と些細なことで傷つき、孤立感や疎外感を感じることも多くあります。
そんな思いを語り合い「みんな同じ思いをしている」「そう思って当たり前」と気持ちを分かち合い共有し、「一人だけの思いではない」と身体で感じることで孤立感を解消していきたいと思っています。参加する時は他の被害者の方の被害体験に耐えられるのかと不安でしたが、苦難を乗り越え『今、ここにいる』被害者の方への畏敬の念と連帯感が生まれ、互いの回復への原動力になることに気づきます。まだ小さくて、これからのグループですが、この場所が『暖かくて安全な場』となり、被害者本人の声と思いを寄せ合い共有し尊重し合いながら、回復への道を一緒に歩んでいきたいと思います。そして、それを未来への力にしていきたい、私達の被害と教訓を何一つ無駄にしたくないと思います。
◆平成14年被害者支援シンポジウム(富士大学)
THE LIVES WERE TOO SHORT.
理不尽に生命を奪われし者たちへのレクイエム
「生命のメッセージ展」は、殺人事件、交通事故、いじめ自殺、医療過誤などの「犠牲者達」が主役の展覧会です。
キーワードは、“理不尽に奪われた命”。等身大の真っ白なパネルには、彼らが元気だった頃の写真が掲げられ、その足元にはお気に入りだった靴が置かれます。
そして、写真の下に取り付けられたメッセージにはそれぞれの人となりや、これから叶えるはずだったたくさんの夢、事件・事故の概要、遺族の切ない思いなどが綴られています。
青森会場の模様
今年6月に開催された青森会場には、120命のメッセンジャー(パネル)が参加し、来場者は3日間で2500名を超えました。その反響は大きく、今後も全国各地での開催が予定されています。
「生命のメッセージ展」がはじめて開催されたのは、2001年3月24日、会場は東京駅の八重洲口でした。このとき参加したメッセンジャーは16命。この企画展の発案者は、2000年、飲酒運転の暴走車に一人息子(当時19歳)の命を奪われた一人の女性アーティストと彼女を支える友人達。
彼女は、メッセージ展への思いをこう語ります。
「開催ごとに参加者が増えていくのは悲しいことですが、理不尽に奪われた命はこんな数ではないことははっきりしています。こうした犠牲者を生む一番の原因は、命に対する尊厳のなさであるといっても過言ではありません。
このメッセージ展で犠牲者達の声なき訴えを受け止め、失われた命の重みに思いを馳せ、改めて命のことを考えるきっかけにしていただければと願っています。」
スタートから3年半、「生命のメッセージ展」は今、個人と個人のつながりを何よりも大切にしながら、さまざまな機関や組織、団体の枠を越え、ひとつの目的に向かって着実に歩みを進めています。また、この活動を通じて、孤立無援だった遺族達が再び社会との係わり合いをもち、その中で培われた信頼関係は、それぞれの自信の回復につながっています。
遺族の共通の思いは、亡くなった家族の思い出をいつまでも持ち続けていたい、存在を忘れずに知っていて欲しい、そして、事件や事故の事実と原因を風化させたくないという事です。愛する家族が等身大パネルとなって新たな命を受け、命の重みを伝えながら全国へ旅たつというファンタジーは、まったく新しい、ソフトな「被害者支援」の形といえるでしょう。私たちはこれからも皆で協力しあい、全国各地からメッセージを発信しながら、社会を少しずつ正しい方向に変えていければと思っています。
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