日本海難防止協会のうごき(平成16年8〜10月)
本協会は、日本財団助成金、日本海事財団補助金および関係官公庁等の委託金により各事業を実施しています。
月日 |
会議名 |
主な議題 |
8.6 |
伊勢湾海上ハイウェイネットワーク委員会 |
(1)海上ハイウェイネットワークの調査経過
(2)「平成16年度伊勢湾海上ハイウェイネットワークの構築に関する調査研究」事業計画の検討
(3)伊勢湾の航行環境
(4)伊勢湾の航行管制
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9.17 |
吉の浦火力発電所建設計画に係る船舶航行安全対策調査委員会 |
(1)前回議事概要の確認
(2)入出港シミュレーションの結果
(3)係留動揺シミュレーション実施方案(案)
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9.27 |
海事の国際的動向に関する調査研究委員会(海洋汚染防止関係) |
(1)前回議事概要の承認
(2)平成16年度実施計画案の承認
(3)MEPC52への対応(バラスト水作業部会への対応含む)
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9.29 |
水先区・強制水先区の範囲に関する調査検討会 |
(1)事業計画案
(2)調査内容
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10.1 |
伊勢湾海上ハイウェイネットワーク委員会 |
(1)伊勢湾の航行環境など(追加)
(2)伊勢湾交通体系・管制制御のレビュー
(3)伊勢湾の航行環境に係わる問題点の抽出およびニーズの把握方法など
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10.5 |
海事の国際的動向に関する調査研究委員会(海上安全) |
(1)前回議事概要案の承認
(2)第50回NAVの審議報告
(3)米国セキュリティ調査報告
(4)スウェーデンおよびフィンランドAIS調査報告
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10.18 |
海運・水産関係団体連絡協議会に係る打合会 |
(1)平成16年度事業計画
(2)海運・水産の安全に係わる諸問題
(3)本年度計画している調査
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10.29 |
那覇港臨港道路空港線工事航行安全連絡協議会・幹事会 |
(1)4号・5号函沈埋トンネル工事および航路標識配置変更
(2)4号・5号函沈設工事時および航路標識配置変更時の航行安全対策
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海上保安庁提供 単位:隻・人
海上保安庁提供
No. |
船種 |
船名等 |
総トン数
(人員) |
発生日時および発生場所 |
海難種別 |
気象・海象 |
死亡
行方不明 |
(1) |
貨物船 |
VIHAN 05
(ベトナム) |
5,552トン
(乗員20人) |
8月30日 12:30ころ
宇和島市由良岬の南沖合 |
乗揚 |
天気 雨
波浪 5m以上
視程 1km |
死亡1人
行方不明3人 |
大分港に入港していた「VIHAN 05」号は、接近中の台風を避けるため29日14:40ころ、由良半島の南に移動し錨泊した。同日20:00ころ、船舶が錨を引きずりながら走錨、再投錨されないままに錨地を移動した。その後、機関を前進にしてこれに対応したが走錨は続き、30日12:25ころ、岩場に接触して乗揚げ状態となった。
この際、乗員4人が大波により海中に転落。その後、1人は遺体で発見したが、残り3人は行方不明となった。他の16人は、航空自衛隊の救難ヘリによって吊り上げ救助された。 |
(2) |
貨物船 |
TRIARDHIANTO
(インドネシア) |
6,315トン
(乗員22人) |
9月7日10:10ころ
山口県笠戸島の沖合
(N33-57-0E131-51-4) |
乗揚 |
天気 台風
波浪 20m以上
視程 1km |
死亡19人
行方不明3人 |
横浜からシンガポールに向かっていた「TRIARDHIANTO」号は、折からの台風を避けるために6日14:45ころ、笠戸島沖合に緊急入域して避泊していたが、走錨して7日10:10ころ、笠戸島の東海岸に乗揚げたもの。
捜索の結果、船首部分は横倒しで海岸に、他の船体部分は付近の海底にあるのが巡視船によって確認された。乗組員22人のうち、19人は遺体で収容、残り3人は行方不明となった。 |
(3) |
練習船 |
海王丸
(日本) |
2,556トン
(乗船者167人) |
10月20日 22:47ころ
富山港東防波堤灯台から80度440m付近 |
乗揚 |
天気 台風
波浪 5m以上
視程 1km |
なし |
実習生104人が乗船し実習航海中の海王丸は、台風23号の接近によって富山港外で避泊中に強風により走錨、発電機が停止したため航行不能となり、富山港の東防波堤灯台の近くに漂着・座標した。乗揚げ時に船体が損傷、セカンドデッキまで浸水し救助を求めたもの。
海上保安庁は、巡視船艇9隻と航空機8機のほか、特殊救難隊や機動防除隊などを出動させ、懸命の救助活動によって21日午後、乗船者全員を救助した。 |
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★今回の取材では、津波が襲ってくる緊急時だというのに、自分の財産や職責を優先させる人が意外に多いのに驚きました。関係機関や団体がいくら早期避難を呼びかけても、こういった気持ちが変化しない限り、災害での犠牲者減少は難しいのでは、と強く感じました。
★近い将来の災害を思えば、今こそ職場や家庭内で、地震や津波の来襲をテーマに「どうすることが会社や自身にとって最良なのか」を話し合って見てください。せめて、職場や家庭の地域のハザードマップを入手し、緊急時の避難場所や、そこまでの道順くらいは覚えてほしいものです。
★今回も読者のご意見を紹介します。(大下)
■四国の養殖漁業者・峰谷美智男さんから
☆「海と安全」秋号を読みました。バラスト水条約は難解でしたが、福代教授の海水に棲む微生物の話や、牡蠣やわかめ・鮭なども生態系に影響を与えている話は、興味深く参考になりました。
☆私たちも、鯛、ひらめ、はまち、ふぐといった魚を養殖していますので、これらの養殖が周囲に与える影響について、いちど仲間と考えてみたいと思います。これから冬です。海難ゼロを祈りつつ、さらに「海と安全」が充実し、多くの関係者から注目されることを願ってやみません。
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