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第2編 調査結果のポイント
1. 泊まりがけで旅行へ・・・と思ったものの。旅行回数依然控えめ続く。
(第3編 I-C-1参照 17頁)
 この1年間に、泊まりがけで観光レクリエーション(以下、「宿泊観光旅行」)に出かけた人の割合〈参加率〉は、53.1%である。前回調査より0.9ポイント増加しているものの、ピークである平成6年からは7.1ポイント下回っている。1人あたりの宿泊観光旅行回数は、全体平均で1.16回、参加者平均で2.18回であり、15歳以上では、全体平均で1.17回、参加者平均は2.23回であり、ここ5年間ほぼ横ばいである。
 ここ数年の傾向では、参加率、全体平均旅行回数、参加者平均旅行回数とも平成6年をピークに減少傾向にあるが、その減少割合は鈍化している。前回調査と今回調査を比較すると、参加率は上昇数値となったものの、全体平均旅行回数、参加者平均旅行回数は下回った。
 
2. 6割が1泊旅行。平均宿泊率微動だにせず。
(第3編 I-C-13参照 28頁)
 宿泊観光旅行の平均宿泊数を見ると、実績では1.56泊(15歳以上も1.56泊)は前回調査と同数値であり、この10年ほとんど変動がない。
 
3. 1,640円UP!ここ5年の旅行費用総額は、山あり谷あり・・・。
(第3編 I-C-15参照 29頁)
 全宿泊観光旅行の費用総額の平均は39,320円で、前回調査よりわずかであるが1,640円増加した。これは平成2年の48,100円をピークにして減少傾向にあったが、やっと歯止めがかかったといえよう。今回の15歳以上では、40,840円であり前回調査より増えた。
 ここ5年間においては、増減を繰り返している。
 
4. 「見物・行楽」は12年連続1位! 団体旅行の人気回復あるも、慰安は伸びず。
(第3編 I-C-6参照 20頁)
 宿泊観光旅行の主な目的は、第1位が「自然・名所などの見物や行楽」(23.9%)、第2位が「温泉に入る・湯治」(20.1%)で、第3位が「慰安旅行」(18.2%)、第4位が「スポーツ・レクリエーション」(15.5%)となっている。前回調査より「自然・名所などの見物や行楽」は2.2ポイント、「スポーツ・レクリエーション」は1.8ポイント減少し、「温泉に入る・湯治」は、1.6ポイント、「慰安旅行」は2.5ポイント増加した。
 「スポーツ・レクリエーション」はここ数年減少傾向にあり、それとは逆に「温泉に入る・湯治」は、平成2年以来上昇傾向にある。
 
5. 1位は「温泉浴」。ニッポンの旅には温泉がセット!
(第3編 I-C-7参照 22頁)
 宿泊観光旅行での行動を複数回答してもらったところ、「温泉浴」が最も多く(51.6%)、ついで「自然の風景を見る」(48.0%)、「名所・旧跡を見る」(29.3%)となっている。
 平成8年以降「温泉浴」がトップとなっており、今回の調査でも5割を超えている。
 
6. 有言実行、希望、実行動にズレなし。旅最大の楽しみは何と言っても温泉!
(第3編 III-8参照 43頁)
 今後1年間の宿泊観光旅行先での希望行動について複数回答してもらったところ、「温泉浴」が最も多く(69.7%)、ついで「自然の風景を見る」(63.0%)、「名所・旧跡を見る」(39.4%)の順となっており、実態と同じ順位となっている。
 
7. 家族との時間急上昇中!家族の絆、大切さの再発見は旅にて。
(第3編 I-C-9、10参照 24頁)
 宿泊観光旅行での同行者について多い順にあげると、「家族」(44.0%)、「友人・知人」(23.8%)、「家族と友人・知人」(13.7%)である。前々回調査より、0歳から14歳を調査対象に加えたこともあり、近年増加傾向にあった「家族」がさらに増加し、減少傾向にあった「友人・知人」がさらに減少している。「家族」、「友人・知人」及び「家族と友人・知人」で全体のほぼ8割を占めており、最近6年間同様の傾向である。
 一緒に宿泊観光旅行した人数は、「2〜3人」(32.0%)と「4〜5人」(25.3%)が多い。平成14年度大幅に増加した「2〜3人」は、その数値を今回も維持している。
 
8. 自分らしさを旅行に!なぞる旅行ではなく、創る・組み立てる個人型旅行へ!
(第3編 I-C-8参照 23頁)
 宿泊観光旅行に際し、旅行会社などの募集団体に参加しなかった人の割合は、全体で61.7%、参加した人の割合は、27.5%であり、最近10年間で募集団体に参加した人の割合が最も多い。
 募集団体へ参加しなかった人の中で、自分ひとり、家族、友人・知人などと旅行した「個人旅行」の割合は60.5%で、前回調査とほぼ同じ6割を占めており、宿泊観光旅行の「個人型旅行」の傾向がうかがえる一方、団体旅行の割合は前回調査より5.7ポイント上昇数値となった。
 
9. ホテルは増加、旅館は減少傾向とまらず!?
(第3編 I-C-12参照 27頁)
 宿泊施設は「ホテル・ビジネスホテル」が最も多く38.6%、「旅館(和式)」が32.7%と、この2つの合計で7割を占めている。前回、前々回に引き続き「ホテル・ビジネスホテル」が「旅館」を上回った。旅館の減少傾向とホテルの増加傾向は続いている。
 
10. 時間もない。元手もない。なんとなく。・・・変わらない旅をしない理由ベスト3!
(第3編 I-C-17参照 33頁)
 観光宿泊旅行をしなかった理由としては、「時間的余裕がない」(44.4%)が常に第1位であり、40%前後を維持している。また、第2位は「経済的余裕がないから」(26.7%)で、平成4年から増加傾向にあったが、今回は減少した。第3位の「何となく旅行をしないまま過ぎた」(20.8%)は、近年増加傾向にあり今回も微増した。
 
11. 有給休暇利用者2割!宿泊旅行は満足せず。
(第3編 I-C-14参照 29頁)
 宿泊観光旅行は、78.2%が有給休暇を利用せずに行っている。15歳以上は平成2年以降ほとんど変わっていない。有給休暇を利用して宿泊観光旅行を行った割合は11.0%であり、「1日」(4.6%)または「2日」(4.1%)の有給休暇の利用が多い。
 
12. 旅行といえば平日集中。祝日三連休にも注目が!
(第3編 I-C-5参照 20頁)
 宿泊観光旅行に出発した日は、「平日」が34.9%で最も多く、第2位の「土・日・祝日」は28.8%となっている。前回から新規項目として設定した「祝日三連休」(2.9%)をプラスすると平日の数字に近づく。
 
13. 旅行の必須アイテム、自家用車! 鉄道利用者増加傾向。
(第3編 I-C-11参照 26頁)
 宿泊観光旅行で利用する交通機関は、「自家用車」(51.1%)が第1位で利用率はほぼ5割となっている。これは平成2年以降変わっていない。第2位は「鉄道」(「JR」及び「その他の私鉄」)で31.2%、第3位は「バス」(「路線バス」及び「貸切バス」)で27.5%、どちらもほぼ3割の利用である。「鉄道」については昭和49年以降の減少傾向に歯止めがかかり、平成13年度から上昇傾向にある。
 
14. 消えない不満・・・その最大の原因は、交通機関の混雑。
(第3編 I-C-16参照 32頁)
 宿泊旅行に対する不満としては交通機関についての不満が多く、特に「混雑した」ことについての不満が多い。
 「混雑した」は常に1位にあげられている。平成2年以降減少し始め、今回調査(18.1%)は前回調査(22.7%)より、4.6ポイント減少している。しかし、観光施設について「宣伝が誇大でがっかりした」という不満も減少傾向にあったが、今回調査では再び増加した。それ以外の不満に関しては、前回、前々回より減少傾向にある。
 
15. 「家族・友人」からの経験談は、一番の参考資料!インターネットも増加傾向。
(第3編 I-A-3参照 15頁)
 宿泊観光旅行に出かけるときに参考にするものを複数回答してもらったところ、第1位が「家族・友人の話」(37.1%)、第2位が「ガイドブック」(35.8%)、第3位が「パンフレット」(35.1%)、ついで「旅行専門雑誌」や新聞・雑誌の広告・チラシ」は前回、前々回調査から横ばいとなっている。「インターネット」は、前々回からの調査項目であるが、年々増加しており、全体の24.0%となっている。携帯電話の利用も含めて今後の動向に注目する必要がある。
 
16. 旅行形態にも癒しブーム到来!? 約7割は温泉観光。
(第3編 III-9参照 44頁)
 近年、グリーンツーリズム、エコツーリズム等**ツーリズムという言い方で旅行形態を現す流れがある。前回調査から初めて質問項目に、希望する旅行(ツーリズム)の種類を取り上げ、今回は10種類のテーマ型旅行の中からぜひ行きたいと思う旅行を2つ上げてもらった。
 温泉旅行が大差で第1位であり67.1%、ついで、フラワーツリズム23.9%、観光イベント16.9%となっている。


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