II-2-2 異なる油種による油水分離状況等の調査
小型試験水槽に浮かべた模型に混合油水(油水混合比2:8)を移送ポンプにより注入し、注入中及び注入後における混合油水の分離状況の調査を行った。
混合油水は、比重の異なる試験油により作製した2種類を用いた。
1 環境条件
(1)実験場所 海上災害防止センター防災訓練所(横須賀)
(2)天候 曇り後晴れ
(3)風向・風速 南南西の風 13m/s
(4)外気温 29.5℃
(5)水温 24℃
(6)湿度 60%
(7)海水比重 1.024
2 使用資機材等
使用資機材等を表II-2.1に示す。
3 調査方法等
(1)小型試験水槽に自然海水約500リットル(水槽で50cmの深さ)を水中ポンプで注入し、模型を浮かべた。
(2)大型ポリバケツにあらかじめ着色剤で着色させた試験油20リットル及び自然海水80リットルを投入した。
(3)プロペラかく拌機を運転し、油水をかく拌しながら、移送ポンプにより模型内部に混合油水を注入した。
(4)混合油水が注入されている間の油水分離状況について目視で観察を行った。
(5)適宜、移送ポンプを停止させ、一定時間静置させた後の混合油水の分離状況を目視で観察した。
(6)油水を投入した際の模型の挙動についても観察した。
(7)以上の作業を2種の混合油水を用いて行った。
実験準備の状況を写真II-2.7に示す。
写真II-2.7 実験準備の状況
4 計測項目
混合油水投入量
油水分離状況(模型内部の油層、白濁層、水層の大きさ)
模型の挙動(目視)
5 調査結果
調査結果を表II-2.4及び表II-2.5に示す。
(1)灯油の混合油水の場合
混合油水を投入後、約25秒後に模型のスカート内の油層下部に白いもやもやした層が発生するのを確認した。70リットル投入した4分30秒後にスカート下部から白濁層が通過するのが見られたため、混合油水の投入を停止した。その後約2時間静置を行い、スカート内部の各層の幅を測定したところ、一番上の油層は59mm(全体の14%)、その下の白濁層は351mm(全体の86%)であった。
灯油の混合油水の分離状況を写真II-2.8及び写真II-2.9に示す。
写真II-2.8 灯油混合油水の分離状況(70リットル投入時)
写真II-2.9 灯油混合油水の分離状況(2時間静置後)
(2)FBK46の混合油水の場合
混合油水を30リットル投入後、投入を一時停止し、約10分間静置を行ったところ、油層は40mm(全体の10%)、白濁層は225mm(全体の55%)、水層は140mm(全体の35%)であった。投入を再開し、合計45リットル投入した19分20秒後にスカート下部から白濁層が通過するのが見られたため、混合油水の投入を停止した。その後約10分間静置を行い、スカート内部の各層の幅を測定したところ、一番上の油層は55mm(全体の14%)、その下の白濁層は350mm(全体の86%)であった。
FBK46の混合油水の分離状況を写真II-2.10及び写真II-2.11に示す。
写真II-2.10
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FBK46混合油水の分離状況 (45リットル投入時)
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写真II-2.11
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FBK46混合油水の分離状況 (10分静置後)
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表II-2.4 油水分離状況等の調査結果(灯油)
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表II-2.5 油水分離状況等の調査結果(FBK46)
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