社会福祉基礎構造改革における移動弱者の地域生活問題
---好きな時に 好きな所へ 好きな方法で 好きな人とを保障する---
愛知淑徳大学 医療福祉学部
教授 谷口明広
1. 支援費制度の全体像
(1)支援費制度の目指すもの
(2)基本的な仕組み
(3)対象となるサービス
(4)国・都道府県・市町村・事業者の役割
(5)支援費制度の基本的な流れ
2. 支給決定に関すること
(6)支給決定の際の勘案事項
(7)支給期間について
(8)障害程度区分について
(9)相談支援体制の充実及びサービス利用に係るあっせん・調整・要請について
(1)相談支援体制の充実
(2)サービス利用に係るあっせん・調整・要請について
(10)支給決定における更生相談所の役割
(1)専門的な判定機能
(2)その他の役割
3. 事業者・施設指定基準に関すること
(11)指定基準の性格
(12)指定基準の主な内容
(1)人員に関する基準について
(2)設備に関する基準について
(3)運営に関する基準について
(4)基準該当居宅支援に係る人員・設備等
(13)契約に当たっての基本的な考え方
4. 支援費基準の基本的な考え方と設定に当たっての主な論点
(14)設定に当たって原則となる考え方
(15)設定に当たって配慮する必要があると考えられる基本的な論点
(1)地域生活を推進する観点からの配慮
(2)重度障害者への対応
(3)地域差の反映
(4)現行制度からの円滑な移行
5. 利用者負担の基本的な考え方と設定に当たっての主な論点
(16)利用者負担基準設定に当たっての原則
(17)設定に当たっての主な論点
(1)扶養義務者の範囲
(2)負担能力の判定方法
(3)利用者負担額の設定
6. 支援費申請前における考え方と準備
(18)利用契約制度の下で理想的な生活を夢見てみよう
(1)今までの我慢を噴出させよう
(2)あきらめないで、具体的な楽しい生活を夢見よう
(3)障害があるからと言って、遠慮することはない
(19)生活支援相談ができる機関の有効利用を促進させよう
(1)支援費の申請に行く前に、生活支援相談ができる機関に行こう
(2)障害者ケアマネジメント従事者に相談し、真の見方を見つけよう
(3)ケアマネ従事者と一緒に「理想の生活プラン」を立案しよう
7. 支援費申請に関わる手続きと支援量の円滑な決定に向けて
(20)支援費申請書を手に入れる必要がある
(1)申請書を自分自身で書く場合
(2)市町村の担当者が来宅して、申請書を書いてくれる場合
(21)支援費の支給量に関わる勘案事項をよく考えておきましょう
(1)障害の種類および程度その他の心身の状況
(2)介護を行う者の状況(介護者が居ると支給しないという事ではない)
(3)居宅生活支援費の受給の状況
(4)施設訓練等支援費の受給の状況
(5)支援費支給に係るもの以外のサービスの利用状況
(6)障害者の利用意向の具体的内容
(7)障害者の置かれている環境
(8)指定居宅(施設)支援の提供体制の整備状況
(22)市町村の担当者に申請書を提出する時も気を使いましょう
(1)自分の生活は「我慢の連続だった」と訴えよう
(2)自分の「理想的な生活プラン」を提出して、説明しよう
(3)サービスを提供する事業所は全国にあるので、心配しないでね
8. 支給量の円滑なる消費と介護事業所の開拓・確保
(23)サービス事業者の選定と契約を円滑に進めていくために
(1)自分の理想的生活を実現させてくれるような事業所を選ぼう
(2)契約書をよく読んで、ハンコを押す前に、信頼できる人に相談する
(3)何かのトラブルがあった時は、消費者として我慢しなくてもよい
(24)サービス事業所の不足と介護人の不足を原因とする利用抑制
(1)事業所が不足していることに起因する新契約の抑制
(2)支給量の全体が消費できない現状と課題
・移動介護は50%の時間数しか契約してもらえない(京都)
・日常生活支援は単価が安く、事業所が極少である(神戸)
・施設入所者に関しては、指定事業所しか使えない(大阪)
(3)新入事業所の質的問題と介護保険事業所の参入問題
(25)サービスに対する苦情解決の問題と人権擁護システムの確立
(1)各事業所の賠償保険への申請状況をチェックしていく
(2)地域福祉権利擁護事業の正統的発展とネットワークの確立
(3)支援費制度オンブズマンや第三者評価事業の機能的活用
9. 支援費制度下での利用者(消費者)としての心構えと認識
(26)支援費「支給」制度の意味を深く考えなければならない(権利思考)
・本来ならば、ダイレクトペイメント方式にするべきでは
・与えられていた介護から選択できる介護へを主張する
・自薦したヘルパーさんを登録し、納得できる介護を受ける
(27)サービスの受給者から消費者へという意識変革が必要である(経済活動)
・介護料を支払うことが、地域経済活動であると自覚しておく
・介護を受けながら外出し、消費活動(買い物)することが重要
・消費者だからこそ、サービスの質を評価できる力量を持つこと
10. 支援費制度下における介護タクシーの役割と機能
(1)介護タクシー=介護保険=高齢者というイメージからの脱却
(1)障害をもつ人たちへの介護経験が不足している?
(2)障害をもつ人たちへの情報伝達が不備ではないか
(3)公共交通機関(電車やバス)の使用を促す障害者運動
(2)支援費制度内の移動介護に関する利用促進と柔軟性のある運用
(1)ガイドヘルパー資格の獲得と専門従事者の増大
(2)通院のみに留まらないレクリエーション的な拡大運用
(3)利用者(消費者)のニードに応えていくことが重要
(3)福祉ネットワークへの積極的な参加と最新情報の収集
(1)NPO移送団体との関係性を考える
(2)障害者生活支援センターとの積極的な関係性の確立
(3)障害をもつ人たちの福祉ネットワークヘ参画するために
11. 支援費制度から公的介護保険への激流に飲み込まれながら
(1)財政問題は、施行以前から分かっていたかも知れない
(2)不足分を補い切れない「イタチごっこ」的回廊の末に
(3)生活介護は「介護保険」、障害者施策は「一般財源化」というシナリオ
12. 新・公的介護保険が施行された後の施設体系を考える
(1)現在の施設体系が見直される(名目思考から現実思考へ)
(2)療護施設・福祉ホームは安泰、更正施設は黄信号、授産施設は赤信号
(3)雇用・就労に力点を置き、タックスペイヤーを生み出していくプログラムが必要
13. 新・公的介護保険下における障害者ケアマネジメントの行方
(1)障害者ケアマネジメントは「生き残れる」のだろうか
(2)障害をもつ人に対する相談支援事業は、どのように変化するのだろうか
(3)他人の人生をマネジメントするという「おこがましさ」を認知した上で
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