高齢者・障害者交通/地域交通のセミナー
平成16年5月23日(日)〜24日(月)
アクトシティ浜松・展示イベントホール内特設セミナー会場ほか
主催:高齢者・障害者交通/地域交通のセミナー実行委員会
ごあいさつ
このたびは、「高齢者・障害者交通/地域交通のセミナー」にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。当セミナーは、今、各地で話題になっている「高齢者・障害者に対応した交通システム」のあり方と、「生活空間における身近な交通システム」のあり方についての最新の話題を提供すると共に、今後の動向について議論するものであります。
このセミナーの開催の契機となりましたのは、当セミナーと併行して開催されます「第10回高齢者・障害者のモビリティと交通に関する国際会議<TRANSED 2004>」であります。この国際会議は、1978年以降、3年に1度開催されており、英国で3回のほか、アメリカ、カナダ、スェーデン、フランス、オーストラリア、ポーランドで開催されてきました。前回は、ポーランドのワルシャワで開催され、29か国から参加がありました。今回、日本で初めて開催され、「ユニバーサルな交通システムと道路デザイン〜その成功のための戦略〜」をテーマに、2004年5月23日〜26日に静岡県浜松市・アクトシティ浜松で開催されます。ここでは、広く国内外の研究者・関係者による意見交換が行われます。また、国際会議と同時に関連展示等も行われ、一般市民を含めた多くの方々が参加されます。
よって、この機会に、関連する調査・研究を実施している各機関により、日頃の研究成果を広く披露・普及・啓発することを目的に4つのセミナーと国際セミナーを企画し、開催することになりました。このセミナーが日本の交通システムが抱えている課題を解決し、多くの人々のモビリティの確保や向上に寄与できれば幸いに存じます。
最後に、本セミナー開催に当たって、絶大なるご協力をいただいた各機関・各団体に厚く御礼申し上げます。
2004年5月
高齢者・障害者交通/地域交通のセミナー実行委員会
委員長:磯部友彦(中部大学工学部)
副委員長:橋本成仁(財団法人豊田都市交通研究所)
副委員長:大森宣暁(東京大学大学院工学系研究科)
セミナーの内容
セミナー1 「介護タクシーと移送サービスの新しい地平を拓く」
日時:5月23日(日)13:00−16:00 会場:コングレスセンター
内容:介護保険制度施行以降、介護移送に関するニーズが急速に増大している中で、サービス提供のスタイルや問題も多様化しつづけている。本セミナーは、介護タクシー、移送サービスを全国で実施している人々との情報交換の場を作ると同時に、今後どういうサービスが利用者に必要とされ、システムとして定着しうるのかを考えるための勉強会とする。
◆基調講演
「社会福祉基礎構造改革における移動弱者の地域生活問題−好きな時に、好きな所へ、好きな方法で、好きな人とを保障する−」谷口明広氏(自立生活問題研究所所長)
◆海外研究報告
「DRT:デマンド応答型交通」倉内文孝氏(京都大学助手)
◆パネル討論
進行:武本英之氏(東京交通新聞社編集局取材部長)/パネリスト:田中尚輝氏(市民福祉団体全国協議会事務局長)、小川泰子氏(社会保障審議会介護保険部会委員)、荻野陽一氏(世田谷移動サービス協議会副代表)、山崎廣志氏(山崎自動車工業株式会社社長)、高橋万由美氏(宇都宮大学助教授)
【セミナー主催】特定非営利活動法人 福祉交通支援センター
セミナー2 「参加型の福祉の交通まちづくり〜市民の参加型の理念と手法〜」
日時:5月24日(月)9:45−12:30 会場:研修交流センター21音楽セミナー室
内容:交通バリアフリー法を中心とした参加型のまちづくりに関するセミナー。交通バリアフリー法による基本構想の策定、特定事業計画など福祉のまちづくりを紹介するとともに、計画推進に不可欠な人材育成の必要性や手法について紹介する。
◆講演
「参加型の福祉のまちづくりの現状と課題」木村一裕氏(秋田大学教授)/「地方都市における参加型の交通バリアフリー」山本哲雄氏(守山市役所)/「これからの障害当事者参加とその役割」村田拓司氏(東京大学先端科学技術研究センター特任教員(助手))/「障害のある人が担う役割」鬼頭義徳氏((社福)AJU自立生活情報センター所長)
◆パネル討論
「参加型の福祉の交通まちづくり〜進みつつある交通バリアフリー整備の課題と今後の対応の方向性・進め方〜」
[紹介]「参加型の福祉の交通まちづくりの人材育成について」藤村安則氏(中央復建コンサルタンツ株式会社中国支社長)
[ディスカッション]コーディネーター:高橋儀平氏(東洋大学教授)/パネリスト:上記講演者
【セミナー主催】財団法人国土技術研究センター、交通エコロジー・モビリティ財団
セミナー3 「次世代の道路公共交通はどうなるか」
日時:5月24日(月)9:45−12:30 会場:展示場内特設セミナー会場
内容:バス等の道路公共交通はマイカー等におされて輸送人員の減少傾向が続き、地方では廃止も相次いでいる。最近では、コミュニティバスの開設が増え、車両面でのバリアフリー化等の改善、IT活用のサービス向上などの取り組みがあるものの、減少傾向に本質的な歯止めがかかっていない。そのような状況のもと、「道路公共交通のグランドデザインを考える研究会」が立ち上げられた。そこでは、多方面から現在の問題点を抽出し次世代のモビリティ構築に向けて様々な議論がなされた。本セミナーでは研究会の中間報告の内容を紹介し、今後各層で取り組むべきアイテムを明確化する。午後の地域バス交通マネジメント(セミナー4)と併せると、今後のアクションプランがわかる。
◆基調講演
「道路公共交通グランドデザイン構築に向けて」 家田仁氏(東京大学教授)
◆パネル討論
第1部 コーディネーター:鎌田実氏(東京大学教授)/パネリスト:中村文彦氏(横浜国立大学助教授)、ほか国土交通省、自治体関係者、民間事業者(調整中)
第2部 コーディネーター:清水哲夫氏(東京大学助教授)/パネリスト:今橋隆氏(法政大学教授)、ほか国土交通省、自治体関係者、民間事業者(調整中)
【セミナー主催】株式会社 現代文化研究所
セミナー4 「21世紀型の地域バス交通マネジメント−住民、行政、事業者による地域モビリティ確保の方策を探る−」
日時:5月24日(月)13:00−16:00 会場:展示場内特設セミナー会場
内容:バス交通サービスは、高齢者や障害者等の移動制約者のみならず市民の日常の足として重要な交通サービスである。地域のバス交通サービスを維持、向上させるために、バスに関係する主体である市民、地方公共団体、バス事業者が、相互に協力して地域のバス交通をマネジメントするあり方、問題、課題について討議する。海外の事例として、イエーテボリのフレックスバスについて採りあげるとともに、市民の活動として横浜の青葉区民会議と生活バス四日市について、自治体の取組みとして盛岡市のゾーンバスシステムの導入経緯と北九州市のおでかけ交通について紹介し、パネル討論を行う。
◆基調講演
「21世紀型の地域バス交通マネジメント」中村文彦氏(横浜国立大学助教授)/「イエーテボリのフレックスパス」イングヴェ・ヴェスタールント氏(ロジスティック ツェントルム)/コメンテーター:加藤博和氏(名古屋大学助教授)
◆パネル討論
コーディネーター:中村文彦氏(前掲)/コメンテーター:インゲ・ヴェスタールント氏(前掲)、加藤博和氏(前掲)/パネリスト:中谷英世氏(青葉区民会議広報委員長)、西脇良孝氏(NPO法人生活バス四日市理事長)、盛岡市、北九州市
【セミナー主催】財団法人 計量計画研究所
国際セミナー アジアの交通バリアフリー
日時:5月23日(日)9:45−12:30 会場:展示場内特設セミナー会場
内容:アジア諸国における高齢者・障害者交通バリアフリーの現状と課題について、各国からの研究者・実務者による報告と討論を行う。
◆コメンテーター 三星昭宏氏(近畿大学教授)
◆基調報告
「各国の交通バリアフリー」韓国、中国、香港、シンガポール、米国からの報告者を予定
「日本の交通バリアフリー」新田保次氏(大阪大学大学院教授)、和平好弘氏((財)運輸政策研究機構)
【セミナー主催】交通エコロジー・モビリティ財団
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