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 なお、参考までに、各検査において、プロペラ軸に不具合が生じた船齢について第1種軸・第2種軸別によりその不具合頻度分布を調査した結果を図6.4.11および図6.4.12に示す。図より分かるように、上記結論を支持する結果が得られた。
 
図6.4.12 第1種プロペラ軸に不具合が生じた不具合船齢別頻度分布
 
(a)第2回以降定期検査
 
(b)第1種中間検査
 
 
図6.4.13 第2種プロペラ軸に不具合が生じた不具合船齢別頻度分布
 
(a)第2回以降定期検査
 
(b)第1種中間検査
 
6.4.4 まとめ
 プロペラ軸の不具合情報分析を実施した結果、以下の事柄が明らかになった。
(1)第1種プロペラ軸の不具合種類は、『衰耗、劣化』が最も多く、次いで『クラック』の順である。また、第2種プロペラ軸の不具合種類は、防食が施されていない軸であるため、『衰耗、劣化』が多い。
(2)第1種プロペラ軸の不具合原因は、『腐食衰耗』による不具合である。また、第2種プロペラ軸の不具合原因は、防食が施されていない軸であるため、『腐食衰耗』が多い。
(3)第1種プロペラ軸の不具合は、船齢が『5以上10年未満』で不具合が発見され始め、その船齢以降に、多くの不具合が発見されている。また、第2種プロペラ軸の不具合は、船齢が『10以上15年未満』以降に不具合が発見されている。
(4)プロペラ軸の不具合に関して、船種ならびに検査別による不具合種類、不具合原因ならびに不具合が生じた船齢の相違におよぼす影響はほとんど認められない。







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