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参考2-8: 近くから視認するサインの掲出高さの考え方
・対面するものを見る場合、車いす使用者が見やすい範囲は、立っている人よりおよそ40cmほど下がっている。
・このことから、近くから見るサインを、立位の利用者と車いす使用者が共通に見やすい範囲に掲出する際の高さは、床面からサイン表示面の中心までの距離を、双方の視点の中間である135cm程度と考えるのが適当である。
注)下図の通常視野は、日本建築学会編「建築設計資料集成3集」1980(丸善)による。
 
 
参考2-9: 運賃表の幅寸法限界の考え方
・運賃表の幅寸法は、表示する情報量と必要な文字の大きさの判断に加えて、誤読されない視方角も考慮して設定する必要がある。文献では、視方角が45°以下になると運賃表の誤読率が高まることが指摘されている。
・利用者は切符を購入する際、金額を未確認のまま券売機に接近しがちなので、この場合運賃表を見る視距離はかなり小さくなる。
・視方角の限界を考慮すると、運賃表の幅寸法は、視距離を1mと想定する場合は2m程度以内、また2mと想定する場合は4m程度以内になる。
注)野呂影勇編「図説エルゴノミクス」1990(日本規格協会)では、監視用グラフィックパネルの鉄労研のデータから、視方角が45°以下では表示内容の誤読率が増加して好ましくない、と述べている。
 
 
 点状ブロックの設置例を多く記載してほしい。
A
 設計マニュアルでは、船内においてはスペースに制約があることから、点状ブロックを階段、及びエスカレーターの上端及び下端並びにエレベーターの操作盤に近接する通路に点状ブロックを敷設することとしている。
 
考え方(視覚障害者誘導案内用設備)
 視覚障害者誘導用ブロックは、現時点では視覚障害者の誘導に最も有効な手段であり、旅客施設の平面計画等を考慮し、歩行しやすいよう敷設することが有効である。特に敷設にあたっては、あらかじめ誘導動線を設定するとともに、誘導すべき箇所を明確化し、利用者動線が遠回りにならないよう敷設することが必要である。また、視覚障害者誘導用ブロックを感知しやすいよう、周囲の床材の仕上げにも配慮する必要がある。視覚障害者の誘導としては、音声・音響による案内が有効である。
 
参考図:視覚障害者誘導用ブロック(JIS T 9251 平成13年9月20日制定)
 
<警告ブロック(点状ブロック)>
 
大きさ:縦30cm以上、横30cm以上
色:原則黄色とし、周囲の床材との明度差が大きく識別しやすい色
 注、黄色は弱視の方が見やすい。
材質:十分な強度、耐久性、すべりにくい材質
突起の形状:認識しやすい形状
注意喚起:警告を促す場合は、点状の突起とします。
 
JlS規格の説明
●点状突起を配列するブロック等の大きさは30cm(目地込み)四方以上
●点状突起の数は25(5×5)点を下限とし、ブロックの大きさに応じて増やす。
●ブロック等を並べる場合は、継ぎ目部分の点状突起の中心間距離はb寸法より10mmを超えない範囲で大きくしてよい。
 
<誘導ブロック(線状ブロック)>
 
●移動の方向を示す場合は線状の突起とします。
●JlS規格の説明
 線状突起の本数は4本を下限とし、ブロックの大きさに応じて増やす
 
参考
 一般的に視覚障害者誘導用ブロックの色は、黄色を原則(公共交通ターミナル移動円滑化ガイドライン)とするが、色彩に配慮した舗装を施した歩道等で、黄色以外の色も選択できるようになっている。輝度比については、晴天時において、1.5〜2.5の組み合わせが弱視者、晴眼者双方が分かる範囲であることから、輝度比概ね2.0以上とした。(「視覚障害者誘導用舗装の現況に関する調査」岩崎聖司 坂口睦男 秋山哲男研究より引用)







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