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12. 貴学では解剖学実習指導教員の養成に何人位の受け入れが可能ですか?
 
 
 
13. 貴学で解剖学実習指導教員1名の養成に必要な経費はどのくらい必要ですか?
 
 
 
*その他の意見
・現行の教室の状態では、とても教員養成にまで手がまわらない
・コメディカルにもいろいろあり、それぞれのニーズもあるため、実際の学校側の要請を具体的に増して欲しい
 
II. コメディカル養成機関に剖出をともなう人体解剖実習実施をまったく考えていないとお答えになった方のみ以下についてお答え下さい
 
1. 剖出をともなう人体解剖実習出来ない理由は何ですか?
(1)時間的制約
・これ以上の負担増加に対処できない
・時間が不足
・実習室に余裕がない
 
(2)経済的理由
・別途実習を組む予算的裏づけが出来ない
 
(3)指導する人材不足
・教員人材が不足
・大学のスタッフでは実習指導で手一杯で余裕がない
・解剖実習の指導教員が少ないので、一部の教員のみに負担がかかる
 
(4)法律的制約
・コメディカル養成機関における剖出を伴う解剖実習と、その指導者の養成の必要性があると考えられるがまず法的整備が前提である
 
(5)その他
・当大学の学生が実習している御遺体を見学してもらうので、当大学の学生でない人が剖出を進めると学生の勉強に影響する
・遺体状況・実習室利用状況・指導スタッフの確保などを総合的に判断した
 
 回答が得られた大学は、全体として医学部より歯学部の回答率が高い傾向がある。
1)解剖(見学)実習の提供(回答率74%)
(1)ほとんどの大学で提供を了解している。
(2)提供受入校数は一桁台で、学生数は「30人から60人」程度、実施形態は「見学」、「デモによる見学」、「標本見学」の順で希望し、時期は「10月からの後期」、日数も「1週間以内」、1回の時間数は「3時間以内」が多く、部位は「全身」提供可能であることを提示している。
2)標本ご遺体の提供(見学)について(回答率43%)
 時期は「10月からの後期」、「休み期間(春、夏)」、日数も「4-5日以内」、1回の時間数は「3時間以内」が多く、提供部位はおもに「全身、内臓系、骨格系」が可能であることを提示している。
3)デモによるご遺体の提供について(回答率47%)
 時期は「10月からの後期」、「休み期間(春、夏、冬)」、日数は「4-5日以内」、1回の時間数は「2-3時間以内」が多く、提供部位はおもに「全身」が可能であることを提示している。
4)標本提供による実習指導者について(回答率92%)
(1)医学部では「医学部の教員とコメディカル養成機関の教員」を、歯学部では「歯学部の教員」を望んでいる。
5)剖出を伴う実習指導者について(回答率95%)
(1)歯学部では「現在提供している」、「今後検討する」が5割を超え、医学部では4割弱にとどまっている。
(2)提供受入校数は「1-3校」で、学生数は「15人から30人程度」、時期は「夏休み期間」、日数では医学部は「7日以上」、歯学部は「4-5日以内」がやや多い。1回の時間数は「3時間から4時間以上」が多く、提供部位は「全身」が可能であることを提示している。
(3)実習指導者について医学部では「医学部の教員とコメディカル養成機関の教員」を、歯学部では「歯学部の教員」を望んでいる。
 
6)コメディカル養成機関に望むこと(回答率89%)
(1)火葬には立ち会う必要がないが、慰霊式にはコメディカル養成機関の出席を望んでいる。
(2)実習前のオリエンテーションの必要性はきわめて高い。その場所は大学に限らずコメディカル養成機関でもよいとしている。その指導者も大学とコメディカル養成機関の教員が望ましいとしている。
(3)経費負担は名目について各校で多少異なるが、何らかの形で負担することを望んでいる。
(4)体解剖資格者と解剖実習指導員の養成について(回答率87%)
 多くの大学で養成の必要性を感じており、歯学部の方が高い回答率を示した。
 
 以上のことから解剖学教室ではコメディカル教育における人体解剖実習を専門教育の習得ばかりでなく、医の倫理教育としての重要な教育現場、人間性を持つ人材の育成の場と期待しており、人体解剖実習の適正な運用の必要性は高く、今後は、1)コメディカル養成機関の認識、2)死体解剖資格者と解剖実習指導員の養成、3)監督省庁への理解が大きな課題となることが示唆された。
 







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