図3-2-11 急負荷遮断試験
(出力軸回転数:90%、全負荷遮断、放風制御有り)
図3-2-12 急負荷遮断試験
(出力軸回転数:100%、全負荷遮断、放風制御有り)
平成14年度より3ヵ年計画で実施してきた「実船搭載型舶用推進プラント研究開発」が、平成17年2月末、信頼性試験をもって終了した。本報告書で述べたように、当初の開発目標がすべて達成された。
その成果をまとめると次のとおりである。
1. 出力性能
目標性能(ISO2314の条件で出力2,420kW、熱効率36.6%)を上回る出力2,430kW、熱効率36.7%を達成することができた。
2. 信頼性実証
信頼性試験として、計画の1,000回のサイクルサイクル試験、1,000時間の運転試験を超える試験と試験終了後の分解点検結果等により信頼性を確認することができた。
3. 排熱有効利用
・排熱回収システムの設計検討と陸上運転試験により、目標総合エネルギー効率50%を達成できる目処を得た。
・吸気冷却システムを使用した運転試験で大気温度30℃において、吸気温度15℃の時の出力、効率を実証し、同システムの有効性を確認できた。
今後は、さまざまの船舶へのSMGT実用化のステップとして、本研究開発で得られた成果を取り入れたSMGTが、次世代内航船(スーパーエコシップ)に搭載され、スーパーエコシップとしての実証試験が行われることになっている。このようなステップを経て、SMGTは内航船をはじめとする海運業界や造船業界の発展に寄与できる革新的な舶用主機の実現につながって行くものと思われる。
|