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10/25(月)進水式(ふなおろし)
 この地域では、進水式は「船おろし」と呼ぶ。
 午後2時から、(1)船霊入れの儀(2)お祓い・祝詞の儀(3)玉串奉天(4)餅まき(5)船降ろし(進水)の順で行われた。
(1)船霊入れの儀
 この地方では、船霊入れのことをショウネイレとも呼び、船大工が昔から伝わる鎮物を、夜間潮の満ち具合(八合満)を見ながら船主にさえ見せず一人で封じ込めた。普通、男女1対の土雛かヒトガタ(人形)、12枚の穴あき銭(硬貨)、サイコロ2個、五穀、船主の妻の髪の毛、麻などを帆柱根元の筒や船梁に封じ込める。ノミで四角い穴を彫り、これらの鎮物を入れ同材で蓋をしてカンナ仕上げで分からないように仕上げる。今回は伊勢地方の流儀に従って男女1対の紙の人形、12枚の文銭、サイコロ(天一地六、おもて三合わせ、とも四あわせ)、洗米、青峯山の流し札を封じ込めた。封じ込めは最後にゲンノウで上からこんこんと音をたてて叩くことで終了し、魂を注入し、船霊の儀を終了した。
 
○船霊として封じ込められる品々
 
○船霊として鎮物の品を封じ込める筒
 
(2)神宮のお祓いの儀
 猿田彦神社の宮司により、船体の前に祭壇が組まれ、山海の幸をお供えして伊勢市、造船所、船大工(4人)、海の駅代表(中村)、高橋氏ら列席者を祓い清め、その後祝詞が奉上された。
 







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