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てこ
大根の重さで「てこの原理」がわかる!
「力のつり合いを考えよう!」
 私たちはシーソーや棒てんびんなどで、支点から離れたところに力を加えるほど物体を回転させるのに有利なことを知っています。ドライバーでネジをまわす時も柄の太い部分をまわせば楽にまわせます。ここでは、棒につるした大根を使って「てこの原理」を実験してみましょう。
 
目的 ひもで水平につるされた大根の左右の重さをはかって、てこの原理を考える。
 
準備するもの
・棒 ・ひも ・大根 ・はかり ・包丁
 
手順
(1)図のように大根が水平になるようにひもでつるす。
 
 
(2)ひもの位置で大根を2つに切る。
(3)2つに切った大根(AとB)の重さをはかる。
 
 
考察
(1)シーソーのつり合いは下式で表す。
A×a=B×b
 
【シーソーのつり合い】
 
(2)大根のつり合いはどのように表せるか考えよう。
 
【大根のつり合い】
 
 力(ここでは重さ)が加わる点を作用点といいます。
 大根の場合、AとBの重さが加わる点はどこか考えてみよう。
 
 
あたまの体操
パスカルの三角形
 写真のように上から落としたビー玉は下の方へはどのようにたまっていくでしょう?
 
 
 ビー玉がピンに当たって右へ行くか左へ行くかの確率は1/2ずつです。これをくり返すと下図のようになります。
 
 
 私たちの生活の中で確率は、降水確率、宝くじの1等が当たる確率、病気の死亡率など・・・他にもいろいろ使われています。
 
 
ハノイの塔
 写真のようにAの棒にある円盤をBの棒を経由しながらCの棒に移してみよう!
 
 
ルール (1)円盤は1枚ずつ動かす。
(2)いつも大きい円盤が下、小さい円盤が上。
 
 何回で移せるかは次の式で表せます。
2n−1(回)
ただし、n=円盤の数
 
たとえば、2を3回掛けることを「2の3乗」と言い、
23と表します。
答えは2×2×2=8になります
 
 
あとがき
 現代社会は高度の技術に支えられ、人々は豊かな生活を営んでいます。しかし社会の多くの人々にはその技術の基盤をなす科学(サイエンス)はなにか難しく、面白味のないものと受けとめ、新聞や雑誌の記事に出ていても読まない人が多いと聞いています。それは中学や高校時代の理科(科学)教育にも問題があるかと思われますが、私たちの身の周りに各種電気製品、医薬品、衣料、車など科学技術の産物があふれている現代では、科学的知識、教養を身につけることは非常に重要なことと考えられます。
 自然科学は自然界で起こる現象をじっくり観察し、その中に潜む原理を見いだす学問ですから、実験と観察が非常に重要です。
 そのような現実を踏まえ、本冊子は小学校高学年から中学生くらいの生徒に興味をもってもらえる科学実験マニュアルとして作成したものです。ここに取り上げた実験例はなるべく私たちの日常生活とかかわりのある、身の周りの物を使うようにしましたので、形式上科学としての体系化に欠ける点はありますが、まずは子供たちに興昧をもってもらい、科学的な心を育んでくれるよう祈っております。
 
高島 良正(九州環境管理協会、エネルギー・環境情報センター)
 
このテキストは日本財団の助成事業の支援を受けて作成しました。
 







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