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 ○パナマ運河 
 この中で私が特にお薦めするといえば、パナマ運河クルーズであります。パナマ運河は1914年8月3日に初めて船が通ったわけでありますけれども、皆さん、よくご存知のようにスエズ運河開発に成功しましたレセップスが「次はパナマ運河だ」と、思い立ったのが65才の時なんですね。 
 レセップスは65才の時に、なんと42才も年下の女と結婚しました。その上すごいのは65才で結婚して、男女6人ずつの1ダースの子供を持ったということです。その位気概がないと運河の建設には携われないということです。 
  
世界のクルーズエリア 
  
 これがパナマックスです。高さが26mありまして、そこを4つの閘門を過ぎていく。通過して、大体、太平洋から大西洋に出るのに9時間かかります。 
 私、世界半周クルーズでこの運河を通りました。この運河を通る前日に、パナマの人達がガツン湖という、琵琶湖よりもう少し大きい湖なんですが、「ガツン湖は血の湖だよ。世界各地から連れてこられた奴隷の血だよ」というふうに教えてくれました。つまり、いろんなものを運ぶために、列車をひくために、その枕木を1本置くと同時に1人が死んでいく。黄血病やマラリアで死んでいく。そのたくさんの犠牲のもとに奇跡の開通。1914年ですから、タイタニックの事故から2年後に開通したわけです。また、ここは1999年12月31日にアメリカからパナマ政府に移管されました。 
  
世界のクルーズエリア(目的地) 
  
 ここには1人の日本人が非常に深く関わっております。パナマ運河開発に日本からたった一人、参画しました青山士(あきら)という人であります。この人は最終的には非常に出世しまして、ガツン工地の副技師長にまでのぼりつめて帰国して、日本の信濃大堰や、荒川大堰の開発に力を尽くした人で、日本がアメリカと戦争した時に、日本はパナマ運河を壊してアメリカの戦力を落とそうと考えましたので、青山士のところに行って、パナマ運河の設計図をよこせと言いました。パナマ運河をどうやって破壊できるのかと聞きました。その時、青山は答えました。「自分はパナマ運河を作るために、パナマに渡りました。パナマ運河を壊すことは自分の辞書にない」という返事でした。 
  
日本における客船事業展開 
○主な発着港 
 日本における客船事業展開なんですが、国内クルーズの主な発着港といいますと現在、東京、横浜そして神戸でございます。 
 客船寄港数ランキング、これは日本船のみということなんですが、実際の新しい数字では、横浜、東京、神戸だそうです。横浜港は大さん橋ふ頭の改修を長くやっておりますので、実質的に船が入らなかったんですね。2003年の実績としては、屋久島の宮之浦港が、実は大阪港よりも多いんですね。九州では宮之浦、今、最も注目されているのは屋久島クルーズです。 
 日本の大型客船、外国のメガシップに比べると、どうしても言葉の響が弱いんですが、現在、日本船籍には4隻の船が就航しています。1989年、クルーズ元年をつくったといわれる、現在ではチャーター船と就航しているふじ丸ですね。その次に1990年、にっぽん丸が就航しました。1991年、飛鳥、ぱしふぃっくびいなす。日本船籍は4隻が就航しております。 
  
パナマ運河 
  
日本のクルーズエリア 
○ワンナイトクルーズ 
 日本の近海クルーズエリア。日本船隻しか、日本の近海クルーズエリアを行うことができません。 
 ワンナイトクルーズ、1泊2日のクルーズの発着をやってる港でございます。ワンナイトクルーズというのは、全国の港でクルーズマーケットの開拓のために、たくさんの人にのっていただきたい、安くのっていただきたいとやってきたんです。 
 夕方船を出して、翌朝着ける。安く、そして仕事がおわっても乗っていただきたいという趣旨で安くやっております。3年位やっているんですが、実はですね、博多の場合ですと荒れるんですよ、玄界灘が。ですから、たくさんの人の理解を求める、クルーズの裾野を広げるのに、ちっとも役に立たなかったですね。たいていの方が「2度と船に乗らないぞ」というふうに船を下りていかれました。ワンナイトクルーズも、できればもっと季節のいい時期にやりたいと思います。 
  
国内クルーズ、主な発着港 
  
 また今年は台風の当たり年なので、こんなに台風がくると、日本近郊にいる船はその台風を避けながら沖をいくという、台風との鬼ごっこみたいな、船を近くの港に入れるのに本当にやせ細るような日々だったと思います。 
  
客船寄港数ランキング(日本船のみ) 
| 順位 | 
港名 | 
年平均寄港数 | 
 
| 1 | 
東京港 | 
119.5回 | 
 
| 2 | 
神戸港 | 
68.2回 | 
 
| 3 | 
横浜港 | 
61.0回 | 
 
| 4 | 
名古屋港 | 
42.0回 | 
 
| 5 | 
大阪港 | 
26.7回 | 
 
| 6 | 
博多港 | 
17.7回 | 
 
| 7 | 
宮之浦港(屋久島) | 
16.3回 | 
 
| 8 | 
那覇港 | 
12.0回 | 
 
| 9 | 
清水港 | 
11.7回 | 
 
| 10 | 
広島港 | 
10.5回 | 
 
 
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※平成16年 JOPA調べ(過去6年の平均寄港回数) 
※外国船をカウントすると博多港が1位になる(スタークルーズの寄港) 
※レジャー型、チャーター型、外航、内航全て含んだ単純平均 | 
 
 
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