3. バス事業者へのアンケート調査結果
(1)調査の概要
北部九州の離島の旅客定期航路の発着する港湾までのアクセス手段を運営する可能性がある乗合バス事業者4事業者を対象としてアンケートを実施し、海上輸送に接続する陸上交通機関におけるバリアフリー化の現状、バリアフリー化を推進する上での問題点、今後の取り組みの方向性等について調査した。
回収状況は、有効回答数4事業者、回収率100%となっている。
表4-3-1 アンケート調査対象事業者
事業者名 |
運営地域 |
対馬交通株式会社 |
対馬島(本島) |
壱岐交通株式会社 |
壱岐島(本島) |
西日本鉄道株式会社自動車事業本部 |
本土 |
昭和自動車株式会社 |
本土 |
|
(2)調査対象事業者の属性
(1)経営形態
4事業者の経営形態は、いずれも民営事業者である。
(2)車両保有台数
乗合バスの保有台数は離島部の事業者では44台、29台といずれも50台以下であるが、本土側の事業者では、2,621台、230台となっている。
このうちバリアフリー化車両は、離島部では壱岐交通がワンステップバスを2台(6.9%)導入している。本土側では、西日本鉄道自動車事業本部(以下、西鉄バス)がワンステップバスを624台(23.8%)、昭和自動車がワンステップバスを23台(10%)導入している。
表4-3-2 乗合バス保有台数
事業者名 |
乗合バス総台数 |
ノンステップバス |
ワンステップバス |
リフト付きバス |
対馬交通株式会社 |
44 |
- |
- |
- |
壱岐交通株式会社 |
29 |
- |
2 |
- |
西日本鉄道株式会社 自動車事業本部 |
2,621 |
(3) |
624 |
(44) |
昭和自動車株式会社 |
230 |
- |
23 |
- |
|
注)西鉄バスの所有するバリアフリー化車両数については、乗合以外の利用に供している場合は乗合バス総台数に含まれないため、カッコ内に示した。
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(3)港湾乗り入れ路線の現状
乗合バス路線のうち、港湾の旅客船ターミナルに乗り入れている路線もしくはこれに近接したバス停を経由する路線(以下、「対象バス路線」)の概要を下表に示す。
対象となる路線数は、離島部が5路線、本土側が18路線である。バスの停留所と港湾の距離についてみると、博多港の中央ふ頭が約30m、博多ふ頭が約15m、能古渡船場が約100mとなっているが、それ以外はすべてのバスが港湾に乗り入れている。
一日あたりの運行便数は、博多港では200本弱〜300本とかなりの本数が運行されている。離島内の港湾及び呼子港に接続する対象バス路線では一日3〜4便程度が多く、最も多いもので11便となっている。
航路とのダイヤ接続の状況は、離島部では「一部あり」が1路線あるが、それ以外の対象バス路線ではいずれも行われている。
表4-3-3 対象バス路線の概要
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港湾名 |
バス停留所名 |
両者の距離 (m) |
バス路線名 |
バス運行区間 |
運行便数 (往復/日) |
航路との ダイヤ接続 |
対馬交通 |
厳原港 |
浅橋 |
0 |
浅橋線 |
厳原〜浅橋 |
3 |
あり |
比田勝港 |
ターミナル前 |
0 |
鰐浦線 |
比田勝〜ターミナル前 |
4 |
あり |
壱岐交通 |
郷ノ浦港 |
郷ノ浦港 |
0 |
郷ノ浦港線 |
郷ノ浦〜郷港 |
3 |
あり |
芦辺港 |
芦辺港 |
0 |
芦辺港線 |
郷ノ浦〜芦辺港 |
3 |
あり |
印通寺港 |
印通寺港 |
0 |
印通寺経由芦辺線ほか |
郷ノ浦〜印通寺〜芦辺ほか |
11 |
一部あり |
西鉄バス |
博多港 |
中央ふ頭 |
30 |
昭代線など6路線乗入れ |
天神、博多駅経由で各地へ |
189 |
あり |
博多港 |
博多ふ頭 |
15 |
屋形原線など4路線乗入れ |
天神、博多駅経由で各地へ |
176 |
あり |
姪浜港 |
能古渡船場 |
100 |
シーサイド線など6路線 |
天神、博多、姪の浜駅経由で各地へ |
297 |
あり |
昭和自動車 |
呼子港 |
呼子フェリー発着所 |
0 |
呼子線 |
唐津大和〜呼子フェリー発着所 |
6 |
あり |
呼子港 |
呼子フェリー発着所 |
0 |
高速バス 呼子〜長崎線 |
呼子フェリー発着所〜長崎駅前 |
3 |
あり |
|
(3)バリアフリー化に関する対応状況
(1)バス車両
離島部で使用されている4車種をみると、いずれも乗降口・通路等について「移動円滑化基準」に定める80cm以上の有効幅は確保されていない。また、床面の地上面からの高さについても、基準に定める65cm以下に対応しているものは、全くない状況である。これらの車種では、スロープ板やリフト、車いすスペースも設置されていない。
通路の手すりは3車種で対応がなされている。案内設備については、文字運行情報提供設備、音声運行情報提供設備は3車種に、社外用放送設備は1車種に備えられている。
一方、本土側では、乗降口・通路の80cm以上の有効幅確保及び床面の高さ65cm以下への対応、手すり・車いすスペース・各種情報提供設備の設置に対応したワンステップバスも使用されている。
表4-3-4 バス車両におけるバリアフリー化への対応状況
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車種名
(メーカー
・型式) |
主な
使用 路線 |
乗降口 |
床面 |
通路 |
車いす
スペース |
案内 |
乗降口の
有効幅 |
スロープ板 |
リフト |
地上面
からの
床面高さ |
滑り
にくい
仕上げ |
通路の
有効幅 |
手すり |
文字
運行
情報 提供
設備 |
音声
運行
情報 提供
設備 |
車外用
放送 設備 |
対馬
交通 |
いすず |
浅橋線 |
- |
なし |
なし |
- |
- |
- |
あり |
なし |
あり |
あり |
なし |
いすず |
鰐浦線 |
- |
なし |
なし |
- |
- |
- |
あり |
なし |
あり |
あり |
なし |
壱岐
交通 |
日野 |
郷ノ浦・芦辺港線 |
65cm |
なし |
なし |
73cm |
未対応 |
40cm |
あり |
なし |
あり |
あり |
あり |
三菱 |
郷ノ浦・芦辺港線 |
65cm |
なし |
なし |
82cm |
未対応 |
35cm |
- |
- |
- |
- |
- |
西鉄
バス |
日産KL-UA452MAN |
- |
142cm |
あり |
なし |
53cm |
- |
166cm |
あり |
あり |
あり |
あり |
あり |
|
注)交通バリアフリー法に基づく移動円滑化基準では、乗降口や通路等の有効幅については80cm以上、床面の高さについては65cm以下と規定している。
(2)バスターミナル
離島部では対馬交通において、海上輸送と接続する港の停留所に便所や乗車券販売所、待合所等が設置されている。
便所における出入口の段差や、乗車券販売所、待合所等における車いす対応、車いすでの利用に適したカウンターについては、未対応である。設備間の高低差も解消はなされていないほか、移動経路への手すりの設置や床の滑りにくい仕上げについても対応はなされていない。
また、視覚障害者誘導用ブロックや運行情報提供設備、主要設備の案内板、点字案内板等の案内設備は設置されていない。
壱岐の郷ノ浦港、芦辺港、印通寺港や、博多港の中央ふ頭及び博多ふ頭、能古渡船場においては、バスターミナルビルや乗車券販売所等は設置されていない。
また、昭和自動車の唐津バスセンターは、呼子港ではなく唐津市内にあるバスターミナルビルで、呼子港にはバスターミナルビルは設置されていない。
表4-3-5 バスターミナルにおけるバリアフリー化への対応状況
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