倉敷市が経営する児島モーターボート競走事業の二〇〇一年度決算がまとまり、前年度の赤字から一転、約三億七千万円の黒字となった。事業を運営する同市競艇事業局では「人気レースを誘致したことや、経費削減を徹底した結果」としている。
舟券売上額は約五百五十二億二千二百万円で、前年度(約三百二十八億六千八百万円)より68%増。入場人員は前年の二倍以上の約百六十九万人に達し、電話投票なども含めた利用者全体で前年の約百四十五万人から約二百九十五万人と倍増している。有料入場者数は18%増の約八十三万人。
同事業局によると、この要因として国内一流選手が出場するハイレベルのSG、G1レースの誘致がある。七月に「G1ダイヤモンドカップ」を開催して二十四億二百万円、十一月には「SGチャレンジカップ競走」開催で約百九十九億千二百万円の売り上げがあった。また、二〇〇一年四月からは、配当金が大きくなる「三連勝方式」の舟券を発売、「レース自体の魅力を高めるようにした」という。
同事業局では、人件費を含む経費削減を断行。職員の特別手当の見直しや、広告料削減、無料バスの借り上げ料削減などを行い、支出減を図った。二〇〇二年度も、事業受託している「備南競艇事業組合」への利益分配率を見直すなどの取り組みを続けており、支出削減額は二年間で五億円に上る見込み。同事業は一九五二年から始め、市の一般会計にも累計で千二百七十一億円を繰り入れてきた。しかし、ファンの高齢化や不況などで九五年以降は退潮を続け、二〇〇〇年度には初めて八億四千七百万円の赤字を出した。
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。
「読売新聞社の著作物について」