自民党行政改革推進本部(佐藤孝行本部長)は11日、日本中央競馬会など公営ギャンブルの五つの特殊法人が売上金をもとに、関連の業界や公益法人などに交付している補助金を段階的に削減する方針を決めた。補助金交付によって、官僚の天下り先となっている公益法人などが肥大化しているためで、同本部は関係団体などへの補助金を法改正によってしぼり込み、その分を国庫に繰り入れる方針だ。
公営競技関連の特殊法人は、農水省所管の日本中央競馬会、地方競馬全国協会(競馬)▽通産省所管の日本小型自動車振興会(オートレース)、日本自転車振興会(競輪)▽運輸省所管の日本船舶振興会(競艇)。各特殊法人への補助金比率は、それぞれの特別法で規定されている。
日本中央競馬会の場合は、国庫へ納めた残りを競馬会が受け取り、一部を関係業界などに補助金として交付。他の4特殊法人は、国庫へは納めず、主催者である自治体が規定に従って4特殊法人のそれぞれに交付し、運営経費を差し引いた残りを所管の関係業界の振興や福祉を目的とする公益法人に補助金として出している。五つの特殊法人に入る総額は2197億円(1994年度)にものぼり、運営経費を除いた計1363億円(同)が補助金として交付されている。
同本部では、これらの金の流れが、補助金を出す特殊法人も、受け取る側の公益法人も天下り官僚を多く抱える温床となり、所管官庁の権益拡大につながっていると判断した。裁量による補助金のばらまきに歯止めをかけ、真に必要な補助金であるかどうかをチェックし国庫に繰り入れる額を増やす方向だ。
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