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近畿地区
和歌山県福祉保健部健康局健康対策課
感染症対策班副主査
和田 圭司
 
 
 平成16年度の近畿地区講習会は, 和歌山県が担当県となり, 8月26日, 27日の2日間にわたり, 和歌山市において開催しました。県内外から, 約200名の保健所及び市町村などの行政担当者及び医療機関関係者が出席され, 結核予防法改正を控えて, 出席者の関心の高さを感じさせる2日間となりました。
 合同講義では, 結核研究所加藤対策支援部長より, 結核の現状から最新のQFT検査までと, 幅広く御講義頂きました。また, 厚生労働省健康局牛尾結核感染症課長からは, 結核予防法改正に至るまでの経過と改正のポイントについて, 非常に分かりやすく御講義頂きました。改正予防法が来年度から施行されるため, フロアと熱心な質疑応答がなされました。
 医師対象講義として, 渋谷診療所高瀬名誉所長より, 新しくなった結核医療基準を中心に, ご自身の経験も踏まえながら御講義頂きました。また, 保健師・看護師対象講義として, 結核研究所保健看護学科小林科長より, 結核対策における保健看護職の役割について, 熱心に御講義頂きました。医療機関からの看護師の参加も多数有り, 保健所などの行政機関と医療機関の連携の深さを感じることができました。
 結核対策特別促進事業の報告・評価では, 「結核予防・早期発見のための対策強化」をパート1とし, 大阪府から「小児結核対策の転換期を迎えて」と題し、小児結核患者調査からの今後の接触者健診の在り方やBCG早期接種の重要性について, 奈良県からは, 「高齢者施設における結核対策基礎調査結果について」と題し, 入所者と職員に対するそれぞれの結核予防対策について, 本県からは, 「管内におけるBCG接種技術の評価」と題し, BCG接種技術の分析・評価から結果に基づく指導までの保健所での取り組みについて, 発表がありました。
 また, 「DOTS事業及び結核対策の強化と発展」をパート2とし, 兵庫県から「明石版DOTS-多剤耐性患者への支援を試みて−」と題し, 具体的な症例を通してのDOTSの効果について, 京都府から「看護連携に基づく院内DOTSと地域DOTSについての考察」と題し, 患者さんへのアンケートからのDOTS評価について, 滋賀県から「滋賀県の結核対策−課題と対策−」と題し, 現状分析とそれに基づく課題への対策について, 発表がありました。
 結核予防法改正により, 乳児期のBCG接種や高齢者対策がますます重要となることから, パート1は, 今後の結核対策に非常に参考となる発表でした。さらに, DOTSが法的に規定されたことにより, その方法に工夫をしたり, 評価をすることが必要となります。また, 都道府県の予防計画を作成することが盛り込まれていることから, 現状・課題・対策をチェックすることも重要となります。これらのことからも, パート2も来年度以降に向けた取り組みに大いに参考となる内容でした。
 最後になりましたが, 本講習会を開催するにあたり, ご講義頂きました先生方, 特対事業の発表をされました皆様, 各府県の担当者及び結核研究所事務局の方々をはじめ, 受講された皆様方に, この場をお借りして深く感謝申し上げます。
 
中国・四国地区
鳥取県福祉保健部健康対策課
予防係主任
川本 英生
 
 
 平成16年度中国四国地区結核予防技術者地区別講習会は, 鳥取県が担当県となり, 7月7日・8日の2日間, 県西部の米子市において各県(市)の結核担当者や医療機関関係者等約100名の参加を得て開催しました。
 今年度は, 結核予防法及び結核医療の基準の一部改正等, 結核対策は大きな転換期にあたり, このタイミングで, 当県においてこのような会を開催する機会を与えられたことは, 本当に幸運であったと思います。
 合同講義, 分科会では, 結核研究所から企画・医学科星野科長, 細菌検査科御手洗科長, 放射線学科星野科長代理, 保健看護学科永田科長代理, 厚生労働省健康局結核感染症課から佐藤主査をお迎えし, それぞれ専門的な立場から豊富な経験に基づいた講義をして頂き, さらに, 講義中, 講義終了後を問わず出席者の質問にも丁寧に答えて頂きました。
 また, 結核対策特別促進事業の報告・評価では, 香川県から「寝たきり者等ハイリスクグループに対する特別検診」「低肺機能患者の呼吸器教室」, 広島市から「結核特別対策推進事業の取り組み」, 倉敷市から「1歳6か月児のBCG接種と接種後針痕数の実態調査結果」について報告をして頂き, 鳥取県から筆者が「結核対策特別促進事業」について簡単ながら報告させて頂きました。
 報告者の皆様には予定時間を越える程熱心に報告をして頂き, 講師の先生方からは, 高齢者に対する取り組みのポイント, 配慮すべき点等的確な助言を頂きました。
 最後になりますが, 講師の先生方の説明のテンポ, 資料及びパワーポイントの作りの良さに大変感銘を受けました。
 参加者の皆様, 講師の先生方にお礼申し上げると共に, 今後の業務に役立てていきたいと思います。
 
九州地区
大分県福祉保健部健康対策課
疾病対策係主査
御手洗 徹
 
 
 平成16年度の九州地区の講習会は, 大分県の主催で7月15日と16日の2日間, 別府市において約220名の参加者を得て開催されました。
 合同講義では, 今後の結核対策について, 技術的な面に関しては結核予防会の青木会長から, 法改正の面に関しては厚生労働省健康局結核感染症課の佐藤主査から, 今後の方向性を指し示して頂きました。職種別講義では, 結核研究所の研究部伊藤主任研究員と保健看護学科小林科長にご講義頂きました。
 1日目の青木会長と小林科長の講義には, 昨年度から改正された学校における結核対策についても盛り込んで頂き, 養護教諭が約50名参加され講義終了後も質疑交換をするほどの熱心さでした。
 結核対策特別促進事業の報告・評価ではDOTS事業をテーマに, 大分県と熊本県から病院と保健所との連携及び院内DOTSについての現状を, 病院の看護師と保健所の保健師からそれぞれ発表して頂きました。続いて, 沖縄県から結核予防婦人会との連携による地域DOTSの先駆的な取り組みをご報告頂きました。
 さらに, 結核担当者会議においても, 各自治体のDOTS事業の取り組みや工夫している結核対策事業及び結核予防法改正に伴う検討事項について意見交換を行い, 結核研究所の先生方から貴重なご助言を頂きました。
 結核対策の大きな曲がり角であるこの時期に, 結核対策に携わる保健所, 市町村, 医療機関及び養護教諭等の関係者が一同に会し, 最先端の結核予防技術に関する講義を受講できたことを大変有意義に思います。
 最後になりましたが, 本講習会を開催するにあたり, 講師の先生方及び結核研究所職員の方々, ご協力頂きました九州各県・各市の担当者の方々, そして参加者の皆様に心から感謝申し上げます。







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