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5-1-2 船舶の管理・保管体制について
 
□非航行時における船舶の保管場所としては、造船所の跡地利用をおこなうことを大前提とする。
□保管場所の運営者は、木造船の管理・運営団体として想定している「NPO法人神社みなとまち再生グループ」がおこなうものとする。
□なお、保管場所の選定にあたっては、選定先の造船所跡地に、利用可能な次の設備が備わっていることが条件となる。
[設備]上架船台、引き揚げ式レール、巻揚げ機、倉庫、防潮扉
□以上の検討結果より、木造船の保管場所として、旧中西協同造船所跡地を借り受けることを検討する。
□旧中西協同造船所の概要は、次のとおりである。
 
所在地:伊勢市竹ヶ鼻町
名称:旧中西協同造船所
稼働設備:上架船台、引き揚げ式レール、巻揚げ機、倉庫、防潮扉
会社概要:
 竹鼻町に4社あった造船所の一つ、「中西造船所」として昭和43年まで50トン前後の木造船を建造。
 その後、中西協同造船となり、修理専用に営業をしていたが、平成8年に廃業、現在に至る。
 
図 保管場所(伊勢市竹ヶ鼻町)
(C) 2004 INCREMENT P CORP.
 
5-2-1 木造船のイベント活用計画の検討
 
 第4章における、木造船の活用方法での検討結果から、木造船活用の種類としては、大きく次の5つに大別される。
(1)イベント活用:伊勢市の各種イベントで活用
(2)遊覧(体験・観光):貸切船として活用
(3)水上交通(拠点間移動):拠点間の不定期運航での活用
(4)学習:小中学生や生涯学習での利用
(5)その他
 このうち、(1)のイベント活用は、伊勢市でおこなわれる各種イベントで、「町のシンボル」として、運航をおこなう。
 また、(2)の遊覧(体験・観光)や(4)の学習での活用のあり方としては、基本的に貸切運航となり、活用方法は同種のものである。さらに、(3)の水上交通は、後述する不定期航路事業としての活用となる。
 (2)、(3)、(4)および(5)での活用に関しては、運航日等が利用者の要望により左右されるものであるのに対して、(1)のイベント活用では、年間を通じて伊勢市でおこなわれる各種イベント日に原則運航される。
 このため、(2)〜(5)での運航は、(1)のイベント活用日以外の運航となることから、最初に、現在想定される、通年での木造船を活用するイベントを整理、想定すると、次頁の表のとおりである。
 年間で、合計11日間のイベント活用が想定される。各月別の内訳では、3月に2回2日間、5月に1回1日間、7月に2回2日間、8月に3回3日間、9月に1回1日間、10月に1回1日間、11月に1回1日間と想定される。
 これ以外に、初年度では、近在の神社小学校や湊小学校などを対象とした環境学習への活用がはかられることが検討されるとともに、さらに、この2小学校だけでなく、将来的には伊勢市内の小中学校における環境学習等での活用が期待される。
 
表 木造船の運航が想定される伊勢市における年間イベントとその他活用例
実施月 イベント名 開催拠点 想定運航ルート 実施期間 運航頻度
3月 海の体験・交流イベント   河崎⇔大湊 1日間 2往復
一色能 一色 河崎⇔一色 1日間 2往復
5月 どんどこ祭り 二軒茶屋 河崎⇔二軒茶屋 1日間 5往復
7月 天王祭 河崎 河崎⇔神社 1日間 遊覧
体験クルージング   河崎⇔大湊 1日間 2往復
8月 マリンフェスタ 大湊 河崎⇔大湊 1日間 2往復
伊勢河崎商人館イベント 河崎 河崎⇔神社 1日間 2往復
海の体験・交流イベント   河崎⇔大湊 1日間 2往復
9月 港まつり 神社港 河崎⇔神社 1日間 2往復
10月 御幣鯛船歓迎行事 神社港 河崎⇔神社 1日間 2往復
11月 体験クルージシグ   河崎⇔大湊 1日間 2往復
通年 神社小学校、大湊小学校等での環境学習活用        
生涯学習での環境学習等活用        
 
[参考]木造船運航に向けての平成15年度の取り組み概要(木造船運航社会実験)
 木造船運航にむけての平成15年度の取り組みとしては、「木造船運航社会実験」として、平成15年10月に2回、11月に1回の計3回の社会実験を実施している。
 各社会実験の概要は、次のとおりである。
 
(1)伝統行事『南知多町篠島太一御用御幣鯛奉納』に合わせた「船参宮体験」イベント
実施日:平成15年10月12日(日)
参加者:18名
運航ルート:
篠島⇒神社 『海の駅』⇒二軒茶屋 『川の駅』⇒河崎 『川の駅』⇒外宮
 
(2)語り部と行く川湊体験クルージング
実施日:平成15年10月19日(日)
参加者:30名
運航ルート:
Am9:30 受付開始:乗船証発行(伊勢『海の駅・川の駅』フリー切符)
〈河崎もてなし〉案内:NPO伊勢『海の駅・川の駅』運営会議
(NPO法人伊勢河崎まちづくり衆)
Am10:00 宇治山田港 河崎『川の駅』出港
〈どんどこ丸等船舶もてなし〉
Am10:10 宇治山田港 二軒茶屋『川の駅』入港
〈二軒茶屋もてなし〉案内:NPO伊勢『海の駅・川の駅』運営会議
(NPO二軒茶屋を考える会)
Am10:30 宇治山田港 二軒茶屋『川の駅』出港
〈どんどこ丸等船舶もてなし〉
Am10:45 宇治山田港 神社『海の駅』入港
〈神社もてなし〉案内:NPO伊勢『海の駅・川の駅』運営会議
(NPO神社みなとまち再生グループ)
Am11:05 宇治山田港 神社『海の駅』出港
〈どんどこ丸等船舶もてなし〉
Am11:30 宇治山田港 大湊『海の駅』ゴーリキマリンビレッジ入港
〜昼食・休憩〜
Am12:00 宇治山田港 大湊『海の駅』ゴーリキマリンビレッジ出港
〈どんどこ丸等船舶もてなし〉
Am12:30 宇治山田港 河崎『川の駅』入港〜終了〜
 
(3)常滑との地域間交流と船参宮模擬体験
実施日:平成15年11月21日(金)
運航ルート:
《チャーター船『いこま』》:神社『海の駅』 ⇒常滑港⇒中部国際空港⇒神社『海の駅』
《二軒茶屋『どんどこ丸』》:神社『海の駅』 ⇒河崎『川の駅』⇒外宮







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