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嚥下障害
 
<観察項目>
(1)舌の送り出し
(2)咽頭〜喉頭の運動
(3)食道の通過
 
<対処方法>
・長いスプーンで舌の奥に食べ物を入れる。
・30〜40度ギャッチアップし、やや頸部前屈。(誤嚥防止体位)
・液状より、粘度が高い形状にする。
・片麻痺:健側を下にし、麻痺側を向き(上を向き)嚥下する
・ゆっくり、少量、義務ではなく楽しむための食事であることを患者とともに認識しながら。
 
 
悪心・嘔吐
 
上部中枢神経からの刺激:抗不安薬
CTZからの刺激:(1)(2)(3)
抗がん剤による症状:(4)
中耳、内耳からの刺激:(5)
嘔吐中枢直接刺激:(7)
迷走神経からの刺激:(1)(2)(3)((5)(6)) 腸閉塞の減圧にステロイド
 
(1)中枢性制吐剤:
ブチロフェノン系:ハロペロドール
フェノチアジン系:プロクロルべラジン
クロルブロマジン
(2)末梢性制吐剤(嘔吐中枢(VC)への移行なし)
ドンペリドン
(3)(1)(2)の中間的移行+5−HT3受容体拮抗薬
メトクロプラミド
(4)5-HT3受容体拮抗薬: グラニセトロン、オンダンセトロン
(5)抗ヒスタミン剤(中枢性): ジフェンヒドラミン
(6)抗コリン剤(中枢性): アトロビン、スコポラミン
(7)脳圧降下剤: ステロイド、高浸透圧性利尿剤(グリセオールなど)
 
吐血・下血
 
口〜肛門のどこかでの出血。喀血は鮮紅色、吐血は暗赤色。
止められる出血か、否か。止血手技による苦痛は?DICの合併は?
 
<薬物療法>
止血作用薬剤:アルミニウム、マグネシウム製剤(例 マーロックス)
トロンビン10,000〜20,000単位/50ml 牛乳 経口投与
(注量:アドナ、トランサミンはDlCには禁忌)
 
H2受容体拮抗薬:シメチジンなど
 
・蘇生が可能な場合:ルート確保
・蘇生が困難な場合:持続皮下注射による鎮静
 
■出血の可能性がある場合は今後の治療方針、患者の意思確認が重要
■施設内(病院など)であっても輸血の適応は慎重に判断すべき
■出血時の不安、家族ケアから赤、緑、青の毛布、タオルを準備しておく
 
食欲低下
 
<悪液質(衰弱)と判断する前に除外すべきこと>
うつや不安、排便コントロール不十分、口腔内トラブル、嘔気、代謝性の問題、薬剤の副作用、室内の異臭、食事内容や時間が不適切、今までの食生活が整っていなかった場合
 
<薬剤療法>
プロゲステロン、ステロイドの少量投与
 
<非薬物的アプローチ>
盛り付けの工夫
香り(こうばしいパン、コーヒーなど)
食器、季節感
 
便秘
 
腸管ぜん動の低下と肛門括約筋の緊張の増強により便の通過が困難なものをいう。モルヒネの代表的副作用でもあり、モルヒネの投与量に比例する。
 
<診断>
腹部単純X写真、直腸診
 
まず、考えること
閉塞(完全〜不完全)はあるか
なければ、以下へ
 
<対策>
・繊維の豊富な食事をとる
・可能な範囲で運動をする
・水分摂取に努める
・緩下剤(酸化マグネシウム 1g 3X and/or ピコスルファートナトリウム 10滴 眠前)の投与を行う
・ウオッシュレットを使用する(括約筋を強める)







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