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生理的特徴 8
題名 Effect of low water temperature on metabolism and growth of subtropical strain of Caulerpa taxifolia.
著者名 CHISHOLM J. R. M., MARCHIORETTI M., JAUBERT J. M.
誌名 Marine Ecology Progress Series
2000 巻・号・ページ 201:189-198
キーワード イチイヅタ(Caulerpa taxifolia)、耐寒性、地中海、モレトン湾
要約  冬期の4〜10週間の間、水温が9〜15℃まで下がる、オーストラリアのブリスベーンのモレトン湾では、イチイヅタが生育している。
 このイチイヅタを採集後、すみやかに(20℃以下にならない状態で)空輸し、実験室内培養を行った。22℃をコントロールとし、9℃で4週間、11℃で6週間、13℃で8週間、14〜15℃で10週間培養したところ、形態的にも大きく変化し、藻体内のクロロフィルaもクロロフィルb量も低温であるほど、その含有量は減少した。また、光合成活性も低温になるほど低下し、総タンパク量も減少した。
 
イチイヅタを様々な温度条件で
培養した際の葉緑体分布状況
 
Fig. 1. Caulerpa taxifolia. Distribution of chlorophyll in the pseudo-fronds of cold treated samples after(A)4wk exposure to 9℃, (B)5wk exposure to 11℃,(C)6wk exposure to 13℃, (D)7wk exposure to 14℃, to 14.5℃ water compared with (E)the distrilgution of chlorophyll in the pseudo-fronds of control samples maintained at 22℃ Samples held at 11℃ or above maintained the intensity and distribution of chloeophyll shown in the figure for the remainder of the temperature treatment
その他  
 
生理的特徴 24
題名 Potential use Cu2+, K+ and Na+ for the destruction of Caulerpa taxifolia: differential effects on photosynthetic parameters.
著者名 UCHIMURA M., RIVAL A., NATO A., SANDEAUX R., SANDOUX J., BACCOU J-C.
誌名 Journal of Applied Phycology
2000 巻・号・ページ 12(1):15-23
キーワード クロロフィル蛍光、銅、光合成、カリウム、呼吸、ルビスコ、ナトリウム
要約  近年、地中海に大繁茂し問題となっている変異型イチイヅタを撲滅させる方法を確立するために、化学的手法を試みた。
 銅、カリウム、ナトリウムイオンが、変異型イチイヅタに対してどのような毒性をもつのか調べたところ、銅イオンでは、15mg/Lの濃度では60分のコンタクト時間で100%の死亡率が得られた。それが、50mg/Lであれば、わずか15分だけで100%の死亡率が得られた。
 一方、同じような接種時間でカリウムやナトリウムイオンで100%の死亡率を得られるためには、イオン濃度を数千から1万倍高める必要があった。
 また、変異型イチイヅタの光合成に与える生理的影響を観察するために、酸素発生や、クロロフィル蛍光、また、RubisCO活性への影響などについて調査を行った。
 銅イオンは、カリウムやナトリウムイオンより変異型イチイヅタに対して微量でその毒性が効果を示し、酸素製造過程に異常をきたし、植物の総タンパク質量の半分を占めるRubisCO分子を破壊することが明確となった。
 そこで、銅イオンを用いた化学的手法は、物理的、生物的手法より効果的に変異型イチイヅタを撲滅できる手法として利用できると考えられた。
 
Figure 1. Mortality (LD100) of Caulerpa taxifolia
subjected to copper treatment.
↑  イチイヅタを100%死滅させるために必要な銅イオン濃度とその接触時間の関係
 
Figure 3. Gross photosynthesis and dark respiration of Caulerpa takifolia as a function of the copper concentration. Bars represent SD calculated for at least 20 measurements.
↑  銅イオン濃度の違いがイチイヅタの光合成活性に与える影響について。微量の銅イオンで光合成活性が低下している。
 
Figure 6. Chlorophyll fluorescence of Caulerpa taxifolia fronds subjected to copper treatment. Bars represent SD calculated for at least 20 measurements.
↑  銅イオン影響下での場合のイチイヅタの光合成活性
 
RubisCOのウエスタンブロット
2. Caulerpa taxifolia 3. 銅処理 4. カリウム処理 5. ナトリウム処理
大サブユニット、小サブユニット共に、銅イオンで破壊されている
その他 変異型イチイヅタの銅イオンに対する耐性が非常に低いことが明らかとなった。これを利用し、撲滅法へと発展させることができる可能性を示した論文である。







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