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(2)コメディカル各養成機関
 
 20世紀の終わり頃から、我が国では高齢者人口が急速に増加し、進歩した医療技術を多くの人たちに効率よく提供すること、また医療を支える医療従事者を育成することに、大きな期待が寄せられております。現代の医療には、数多くの職種の医療従事者が協調して携わっており、貴校医療技術養成機関からも、優秀な人材が多数、世に送り出されております。
 医学・歯学の教育では伝統的に人体解剖学が必須科目として行われてきましたが、近年、コメディカルの教育現場でも、人体解剖学教育の必要性、重要性が認識され、数多くの施設で行われております。そのコメディカル教育における人体解剖学教育の実情を知るために、日本解剖学会および篤志解剖全国連合会では、過去2度にわたる全国調査を行って参りました。平成9年には医療技術者養成施設を対象に、平成10年には医学部・歯学部の解剖学教室を対象に行われたこれらの調査の結果は、それぞれ解剖学雑誌に報告されております。
・外崎昭、他:医療技術者養成機関における人体関連教育に関する実情調査。解剖学雑誌,72: 475-480(1997)
・外崎昭、渡部皓:アンケート調査「コメディカル教育への参加・協力の現状」の集計結果について。解剖学雑誌,74: 379-392(1999)
 これらの調査から、各種医療技術者養成機関が、学生に重要な基礎教科としてだけでなく、生命の尊厳、人格の尊重を理解させるうえで、人体解剖学教育に大きな期待を寄せ、また実際に多くの機関が医学部・歯学部の協力を得て、人体解剖の実習ないし見学を行っている実情が明らかになりました。その一方で、専任教員の確保や、献体者のさらなる理解など、コメディカルヘの人体解剖学教育を進める上での問題点も、指摘されております。
 これらの調査を受ける形で、平成12年に篤志解剖全国連合会・(財)日本献体協会は日本解剖学会のご協力を得て、公開シンポジウム「解剖学と献体、その新しい展開」を開催し、コメディカル分野の方々から、人体解剖学教育を求める要望や具体的な意見を頂戴しました。
 篤志解剖全国連合会・(財)日本献体協会では、そのような人体解剖学教育への期待に応え、医療技術者養成機関の現場の声をより多くの方々に知っていただき、今後の人体解剖学教育普及への足がかりにしたいと考えております。そのために、数多くの医療技術者養成機関に、アンケート「コメディカル教育における人体解剖実習についての調査」を差し上げ、ご回答をお願い申し上げる次第です。貴校におかれましては何卒この趣意をおくみ取り頂き、是非適切なご回答いただける担当者の方にお回し頂き、ご回答くださいますようにお願い申し上げます。
 
財団法人日本篤志献体協会
理事長 内野滋雄
篤志解剖全国連合会
会長 熊木克治
 
「コメディカル教育における人体解剖実習についての調査」
コメディカル養成機関
 
 







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