●若狭湾は木造船の博物館
若狭湾は、小さな岬と入江、港や河口などがいくつも重なる複雑な海岸線がまとまってできた大きな入海なのである。そのため日本海を旅する魚たちにとって、若狭湾はえさを食べ遊び、体を休める絶好のすみかになっている。当然、湾内は古くから優れた漁場でもあった。
湾内で使われた船をみると、さまざまな形の和船がある。海岸は砂浜が少なく、岩場が多いため、船底の厚いじょうぶな船が多い。木をくり抜いてつくるクリ舟から厚い板を組む船、さらに板を曲げて組みあげていく船など、若狭湾をひとめぐりすると日本の船の歴史を見ることができる。
※写真、力タカナの船名は地方名
オモキづくりの舟
オモキづくり断面図
船底板から立ち上がる部分をL字状にくりだした木材でつくる船。岩場でも砂浜でもどこでも使える便利でじょうぶな船。
オモキづくり(京都府伊根湾内で行われていた捕鯨の様子)
舟屋のトモウチ(福井県音海)
地引き網をひくトモブト(京都府宮津市)
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