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はじめに
 帆船(はんせん)「あこがれ」は、全国の自治体初の事業として大阪市が建造した一般市民のための帆船です。1994年の就航以来、大阪港ばかりでなく国内各地に寄港しながら、大海原を舞台に誰もが参加できるダイナミックな航海体験プログラムを実施しています。帆船「あこがれ」の上では、参加した全員が乗員の一人として、力を合わせてロープを引いて大きな帆を張り、舵を取って、風の力をとらえながら航海します。こうした一般の人々を対象にした帆船による航海体験は“セイル・トレーニング”とよばれ、今や世界各国でさかんに行われており、チームワークやリーダーシップ、自分自身への可能性と自信が自然につちかわれることが認められています。
 大阪市では、海洋文化の普及をめざして1983年にアジア初の国際帆船パレードを開催しましたが、帆船「あこがれ」の建造はその集大成といえます。帆船「あこがれ」の活動は国内にとどまらず、世界各国の帆船やセイル・トレーニング活動との交流、そして大阪のPRのため、海外へも親善寄港しています。
 1994年には「平成の遣唐使船」として大阪港との友好港・上海(中国)へ、1995年にはたった二人乗りで太平洋を縦断する国際ヨットレースのスタート船として姉妹港・メルボルン(オーストラリア)へ、また独立50周年記念国際帆船レース参加のためインドネシアへ、そして1997年には大阪港築港100周年を記念して大阪市が開催した国際帆船レースのホストシップとして香港から沖縄、鹿児島から大阪へと世界各国から参加した帆船と競い合い、海を通じた友情を深めました。
 さらに2000年には日本の帆船として初のヨーロッパ経由による東回り世界一周航海「ワールドセイル2000」を達成。9ヵ月間にわたって世界10ヵ国12港に寄港し、大西洋横断国際帆船レースにも日本を代表して出場しました。
 そして2001年からは通常のセイル・トレーニングに加え、学校を対象にした体験プログラムも開始、2002年4月からの総合学習への可能性を提案しています。
 
2001年・八戸
 
 
2001年・宮古
 
 
2002年・輪島
 
 
2002年・大阪 ©海事プレス社
 
 
2001年・高松







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