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■第二次文化財取得保護計画対象(2)
旧安田楠雄邸の修理 【東京都文京区】
 
応接室(撮影:早坂 元興氏)
 
茶の間にある美しい地袋
 
応接室脇の畳廊下
 
玄関内部
 
2階客間
 
 旧安田邸は、大正7年に「豊島園」の創立者である実業家藤田好三郎氏が建築した近代和風住宅です。その後、旧安田財閥の創始者の安田善次郎氏の娘婿である善四郎氏が関東大震災後に購入しています。書院造り・数奇屋造りの和風建築でありながら洋間の応接間を組み入れていて、現在も創建当時の姿を今に伝えています。「文京歴史的建物の活用を考える会」(たてもの応援団)の調査を契機に、所有者のご厚意で平成8年に当財団に寄贈され、平成10年には東京都の名勝に指定された文化財です。
 これまで実施してきた詳細調査をもとに今年から、建物の修復工事を始めましたが、石組みの美しい庭園も含めた邸内450坪の保存修理を実現するため、募金を行います。修理後は一般公開をおこないます。
 
●ボランティアの皆さまの声
 砂利を踏んで安田邸を初めて訪れてから10年たった。大正時代そのままの応接間。ソファーやテーブル、レースの力ーテン、ひずんだガラス。タイムスリップしたようだった。昭和4年に嫁いでこられた幸子さんから、その頃の暮らしや家の様子をうかがい、この家を大切にしてこられたのがよくわかった。何とか残したい。安田邸の大好きな地域や建築家の有志で「文京歴史的建物の活用を考える会」を結成した。掃除会と見学会をして、ご近所にも見ていただいた。調査をしたら、近代和風建築の中でも大変貴重な建物だということを知った。
 このたび、いよいよJNTによる修復工事が本格的に始まり、大変うれしい。みんなで応援して、よみがえった安田邸の座敷でゆっくりと庭を眺めよう。
(文京区歴史的建物の活用を考える会 仰木ひろみ)







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